ファナックのNC事業が富士通の社内プロジェクトとして始まったことは、事業構造の観点から重要な意味を持つ。市場が未成熟な1950年代に参入し、約10年間の赤字を甘受できたのは、富士通の通信機事業による安定した収益基盤があったためである。独立系ベンチャーであれば存続自体が困難な期間に…
ファナックの高収益構造は、NC市場全体の支配ではなく「汎用品市場の独占」という限定された領域での価格支配力に基づいている。特注品を捨て汎用品に集中したことで量産による原価低減と価格決定権の双方を獲得したが、特注品市場は競合他社に残された。この構造は、ファナックが全方位的な支配者で…
ロボドリルへの大規模投資は、ファナックの収益構造にiPhoneという単一製品への依存を組み込んだ。NC装置のように幅広い工作機械メーカーに供給する事業とは異なり、ロボドリルは鴻海やサムスンといった特定顧客の特定製品に需要が集中する。この構造は好況時には急速な売上拡大をもたらす一方…