デンソーの設立は、トヨタ自動車にとって経営危機下の不採算部門の切り離しであった。資本金1500万円に対して1.5億円の負債を引き継ぎ、自己資本比率5%で発足した事実がそれを物語る。社名に「トヨタ」を使うことすら許されなかった点は、トヨタがデンソーの存続を保証しない姿勢の表れであっ…
ボシュとの提携の本質は、株式10%の割当と配当連動型ロイヤリティーという対価設計にある。デンソーの業績が向上するほどボシュの収益も増える構造は、技術供与側にとって持続的な利益還元を保証する仕組みであった。この提携を通じてデンソーは4年間でカーヒーター・噴射ポンプ・スパークプラグ・…
1982年の売上高1兆円計画は、デンソーの成長戦略の原型となった。トヨタ以外の顧客開拓・海外進出・エレクトロニクスの3方針はいずれもその後の事業拡大に寄与したが、トヨタ依存からの脱却だけは40年を経ても実現していない。トヨタが広瀬工場を新設してデンソーを牽制し、2020年にその工…