横河民輔は帝国劇場や三越本店を設計した建築家でありながら、橋梁と電気計器という異なる技術領域にも事業を展開した。自らは株式を保有せず、甥の横河一郎を筆頭株主に据えた点は、事業の運営と所有を分離する設計であった。建築家による個人創業が、計測器の同族メーカーへと転換する起点を作った構…
横河電機がHPとの合弁に至った決定的な要因は、大株主ジャパン・ファンドのガーナー氏がHP社外役員を兼務していたという偶然の人脈であった。8年に及ぶ交渉の突破口は技術力でも交渉力でもなく、資本関係を通じた人的接点であった。合弁後は定価販売の徹底と親会社依存の排除により高収益を実現し…
横河電機はHPとの合弁では51%の主導権を確保したが、GEとの合弁では49%で出発し25%へ後退した。この差は製品開発の主導権の所在を反映している。HPとは自社技術者を移籍させて共同開発を行ったのに対し、GEとは販路と保守網の提供が主な役割であった。合弁における出資比率の推移が、…
横河電機は北辰電機との合併後、旧本社工場を閉鎖してキヤノンに売却し、1000名を自社拠点に配置転換した。旧拠点を物理的に消滅させることで帰属意識の転換を促す手法は、拠点分散がPMIの障害となることを見越した設計である。売却益を設備投資に充当した点も含め、合併後の統合を3年で完了さ…