決断
多角化をやめた年から、買収の対象が事業ではなく販路に変わった。1952年、終戦で軍需を失って無配に転じた会社は米軍から81ミリ迫撃砲弾を受注し、その資金を砲弾の増産ではなく冷凍機と空調へ投じた。1994年6月に社長へ就任した井上礼之氏は3期連続赤字の商品から撤退し、ロボットと医療を縮小して空調への集中投資へ切り替え、売上4,000億円弱の会社を空調一本にした。以後の買収は販売網へ向かう。1998年からドイツ・フランス・イタリアなど欧州主要国の現地販売会社を次々に取得し、2006年にはマレーシアのOYL社を約2,460億円で、2012年には北米住宅用で首位のGoodman社を約2,960億円で取得した。気候も商習慣も国ごとに違う空調では製品を持ち込むより売る会社を取得するほうが早く、この判断が30年で売上を4,000億円弱から5兆円へ広げた。
2026年5月 エリオットの大株主入り
1株当たり配当金と配当性向2025 2026 2027 年間配当金(円) 330 340 360 年間配当金率(%) 36.5 36.2 37.9 2024年5月 竹中直文氏が社長就任
竹中直文氏が社長就任創業100年を機に、30年の求心力だった井上礼之氏が退き、竹中直文氏を社長に登用して次世代へ経営を承継した体制承継同じ経営論点に直面した企業 | 経営体制・承継売上高と経常利益率2024 2025 2026 売上高(億円) 43,953 47,523 50,150 経常利益率(%) 8.1 7.7 8.1 2012年8月 米Goodmanの買収
のれんと無形固定資産2012 2013 2018 のれん(億円) 1,663 3,484 3,093 のれん以外の無形固定資産(億円) 142 1,625 2,068 2011年 冷媒R32特許の無償開放
業績の推移2010 2011 2016 売上高(兆円) 1.0 1.2 2.0 営業利益率(%) 4.3 6.5 10.7 1997年5月 上海合弁で業務用に集中
業績の推移1996 1997 2002 売上高(億円) 3,229 3,225 5,387 純利益率(%) 1.7 1.8 3.3 1994年6月 空調抜本改革計画の立案
空調抜本改革計画の立案業績低迷とフロン規制の転換期に、多角化を止めて空調へ集中投資し、井上体制の出発点となった経営機構の刷新同じ経営論点に直面した企業 | 構造改革・リストラ業績の推移1993 1994 1999 売上高(億円) 3,420 2,964 4,643 純利益率(%) 1.6 1.3 1.3 1952年5月 朝鮮特需で空調へ転換