鶴見製作所の歴史
沿革
1924年に鶴見商会機械部が始めたポンプの製造が起源。
1951年に農工用バーチカルポンプの製造を目的に会社を設立し、1976年のH&E TSURUMI PUMPを皮切りに台湾・中国・タイへ拠点を展開した。ポンプを主力とする機械メーカーである。
1924年〜鶴見商会機械部でのポンプ製造の開始
- 鶴見商会機械部としてポンプ製造を開始[1]
- 商号を鶴見製作所に変更[2]
- 土木・工事用バーチカルポンプTDW型を開発[2]
- 売上高
筆者所見
鶴見製作所の戦前・戦中の四半世紀は、商会の一部門からポンプの製造会社へ看板を掛け替える過程だった。1924年1月に鶴見商会の機械部としてポンプ製造を開始し、1935年に商号を鶴見製作所に改めた[1][2]。社名から商会の名を外した時点で、販売よりも製造を軸とする意思が明確になった。1950年には土木・工事用のバーチカルポンプTDW型を開発した[2]。建設現場の排水という需要に照準を合わせた製品が、翌1951年の会社設立の足場になった。
- [1]有価証券報告書
- [2]鶴見製作所 公式サイト「沿革」(2026年10月)
1951年〜農工用バーチカルポンプの製造会社としての設立
- 辻本治三郎氏が初代社長に就任[2]
- 農工用バーチカルポンプの製造を目的に設立[1]
- 最初の水中ポンプを開発[2]
- 辻本治男氏が2代目社長に就任[2]
- 水中ベビーポンプBB型を開発[2]
- 設備用水中オートポンプ(電極式)MB型を開発[2]
- 設備用水中オートポンプ(フロート式)TB型を開発[2]
- 台北駐在員事務所を開設[2]
- 業界初の小型水中ポンプ専用工場が完成[2]
- 業界初の大型ライン工場が完成[2]
- 業界初の水中ハイスピンポンプSS型を開発[2]
- 大阪本店ビルが竣工[2]
- 小型水中ポンプのオートメーション生産を開始[2]
- ツルミ製品センターが完成[2]
- H&E TSURUMI PUMPを設立[1]
- シンガポールに販売子会社を設立[2]
- シカゴに販売子会社を設立[2]
- 全国63箇所の営業網を確立[2]
- モータ保護装置を内蔵した水中ポンプを開発[2]
- 売上高
筆者所見
1951年からの30年間に鶴見製作所が築いた強みは、水中ポンプそのものより量産の仕組みにあった。1953年に最初の水中ポンプを開発し、1969年に業界初の小型水中ポンプ専用工場、1970年に業界初の大型ライン工場を完成させた[2]。同業に先行した専用ラインが、小型品の原価と供給量で優位を生んだ。その販路として1980年に全国63箇所の営業網を確立した[2]。工場と販路を同時に厚くした体制が、上場後の成長の土台になった。
- [2]鶴見製作所 公式サイト「沿革」(2026年10月)
1981年〜台湾鶴義・SHANGHAI TSURUMI PUMPの設立と東証一部指定替え
- 大阪証券取引所市場第二部に上場[1]
- FMS工場として京都工場が竣工[2]
- 国内最大級の水中斜流ポンプ2台を長野県に納入[2]
- 東京証券取引所市場第二部に上場[1]
- 明石海峡大橋のケーソン沈設で水中ポンプが採用[2]
- 東京証券取引所と大阪証券取引所の市場第一部に指定替え[1]
- 設備用小型水中ポンプ「バンクス」シリーズを開発[2]
- 関西国際空港の旅客ターミナルビル関連で水中ポンプが採用[2]
- 新京都工場を新設[1]
- 京都工場がISO9001認証を取得[2]
- 大阪本店新社屋が竣工[2]
- 海外初の生産拠点として台湾桃園市に台湾工場が竣工[2]
- 台湾鶴義有限公司を設立[1]
- メカニカルシール用潤滑装置「オイルリフター」を開発[2]
- 可変速ドライバ付水中ポンプを開発[2]
- 建設技術審査証明書(下水道技術)を取得[2]
- 東京本社が自社保有ビルで営業開始[2]
- 京都工場がISO14001認証を取得[2]
- マレーシアに販売子会社を設立[2]
- 上海に中国工場が竣工[2]
- SHANGHAI TSURUMI PUMPを設立[1]
筆者所見
1981年からの23年間、鶴見製作所は上場で得た信用を公共工事の大型案件と海外生産に充てた。1989年に明石海峡大橋のケーソン沈設、1994年に関西国際空港の旅客ターミナルビル関連で水中ポンプが採用された[2]。国家的な工事での納入実績は、量産品の会社という評価を大型案件の担い手へ引き上げた。海外では1997年に台湾桃園市、2002年に上海で工場を竣工させた[2]。国内の公共投資に頼らない供給網が、その後の海外販売網の拡充を支えた。
- [2]鶴見製作所 公式サイト「沿革」(2026年10月)
2004年〜粟村製作所のポンプ事業譲受とZENIT INTERNATIONALの買収
- 粟村製作所からポンプ事業を譲受[1]
- 韓国に販売子会社を設立[2]
- TSURUMI PUMP(THAILAND)を設立[1]
- 米子工場に機械加工専用棟のVP棟が竣工[2]
- 上海工場がISO9001とISO14001の認証を取得[2]
- 米子工場の流体研究棟が竣工[2]
- 最大口径の立軸斜流ポンプを長野県に納入[2]
- 台湾桃園市に新台湾工場が竣工[2]
- インドネシアに販売子会社を設立[2]
- 米子工場の研修棟・事務所棟が竣工[2]
- アラブ首長国連邦に販売子会社を設立[2]
- 米子工場造形研究所が竣工[2]
- 上海に新上海工場が竣工[2]
- オーストラリアに販売子会社を設立[2]
- 宇都宮市にツルミ東日本ロジスティックが竣工[2]
- 南アフリカ共和国に販売子会社を設立[2]
- 特例子会社ツルミテクノロジーサービスを設立[4]
- 米子工場に新大型ポンプ生産棟を新設[1]
- アロイテクノロジーが鋳鋼・鋳鉄の製造販売事業を譲受[1]
- プライム市場に移行[1]
- ZENIT INTERNATIONALの株式を取得[1]
- アロイテクノロジー鋳造事業部(八尾工場)が竣工[2]
- 伊ZENIT社を完全子会社化[2]
- 京都工場にモータ生産棟を新設[1]
- アロイテクノロジー南部町事業所に鋳造工場が竣工[2]
- チリに販売子会社を設立[2]
- ダルトン・インベストメンツの株主提案を定時株主総会で否決[3]
- 富士丸産業を完全子会社化[2]
- ZENIT社ののれん等の減損損失を計上[3]
- ダルトン・インベストメンツの株主提案を定時株主総会で否決[3]
- 売上高
- 売上原価
- 販管費
- 営業利益
- 経常利益率
筆者所見
2004年以降の鶴見製作所は、工場投資に買収を重ねる段階へ入り、その成果を株主から問われることになった。2022年9月にZENIT INTERNATIONALの株式を取得したが、2026年3月にはZENIT社ののれん等の減損損失を計上した[1][3]。2025年と2026年の定時株主総会では、ダルトン・インベストメンツの株主提案をいずれも否決した[3]。欧州の買収の採算悪化と株主提案が同じ時期に重なった点に、拡大路線の転機がある。
- [1]有価証券報告書
- [3]臨時報告書