SMCの創業期で注目すべきは、焼結金属フィルターという狭い技術領域から出発しながら12年で空気圧制御の主要工程を内製化した速度である。空気圧機器は技術的な参入障壁が低く、個別製品での差別化は構造的に難しい。SMCが選択したのは技術優位による差別化ではなく、全工程をカバーするライン…
一般的な製造業では代理店に在庫を持たせて地域密着の即納体制を構築するのが定石だが、SMCはその逆を選択した。品目数24万点という空気圧機器の特性上、流通経路に在庫を分散させれば管理コストが膨張し、かえって供給精度が低下する。メーカー本社に在庫を集約し代理店を営業機能に特化させた判…
空気圧機器は技術的差別化が難しく、納期と品揃えが競争の主軸となる領域である。SMCが選択したのは5000種類の基本形を在庫保持し、受注後に加工して数十万品目に対応する半製品在庫方式であった。完成品在庫では品目数が爆発し受注生産では納期が伸びるという二律背反を、基本形という中間段階…