ペプチドリーム の歴史

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創業 2006年
母体 菅裕明+窪田規一
創業地 東京都千代田区
創業
2006年7月、東京都千代田区で、東京大学先端科学技術研究センター教授だった菅裕明氏と、日産自動車などを経た窪田規一氏の2人がペプチドリームを設立した。研究室は東京大学先端研の内部に置き、菅氏が開発した人工RNA触媒フレキシザイムを起点として、特殊ペプチドの創薬だけに事業を限っている。2009年3月に本社を東京都目黒区へ移し、2010年10月には医薬品の候補化合物を絞り込む独自基盤PDPSの確立を発表した。2013年6月には創業7年で東京証券取引所マザーズ市場へ上場した。2015年12月に東証第一部へ市場を変更し、2017年7月には本社を神奈川県川崎市殿町へ移した。
決断
創薬の全工程を持たず、候補化合物の探索だけを引き受けてきた。2010年に確立したPDPSでは、標的の選定と臨床試験を製薬企業に委ね、契約時の一時金・開発の進捗に応じたマイルストーン・販売後のロイヤルティを受け取る形にした。自社で薬を一から開発すれば承認まで収入が乏しく、年に1〜2本しか手がけられない。多数の案件を同時に走らせる設計はその制約を外し、赤字を前提とする当時のバイオベンチャーと違って黒字のまま上場している。2017年9月には塩野義製薬・積水化学工業との合弁でペプチスターを設立し、探索に限っていた領域へ原薬の製造を加えた。探索の対価を受け取るだけの立場から製造設備を持つ立場へ移ったことが、5年後の買収の前提を作った。
現況
現在の売上の85%は、創薬ではなく放射性医薬品が占める。2025年12月期の連結売上は185億円で、そのうち放射性医薬品事業が157億円、創薬開発事業は27億円にとどまった。前期の創薬開発事業は313億円あり、契約の一時金が一期に集中した反動が大きい。全社では50億円の営業損失、37億円の純損失を計上している。放射性医薬品は2022年3月に富士フイルム富山化学からPDRファーマの株式を取得して取り込んだ事業で、営業利益は4億円と小さいが、契約の締結時期に左右されない売上を毎期積む。従業員も創薬開発の169名に対し放射性医薬品は476名で、人員の構成まで入れ替わった。
競合
創薬基盤を貸す相手が、そのまま最大の取引先である。PDPSの契約先には武田薬品工業・アステラス製薬・米ブリストル マイヤーズ スクイブ・スイスのノバルティスが並び、自前の探索で足りない大手にとって、ペプチドリームは競合ではなく調達先にあたる。自前創薬が細るという同じ課題に、武田薬品工業は約6兆8000億円のシャイアー買収で応じた。ペプチドリームは反対側に立ち、探索の能力を売って対価を得た。原薬の製造でも塩野義製薬・積水化学工業と合弁会社を設立し、同業を競争相手ではなく出資者として迎えている。競争の焦点は販売シェアではなく、大手の探索予算をどれだけ継続して受注できるかにある。
ペプチドリーム:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2013年6月期2025年12月期
ペプチドリームにおける経営の転換点(その1) Q なぜ2006年の創業時に、発明者と事業家を別の人間として組み合わせたのか
A 研究と経営を同じ人間が兼ねると、発明者が事業判断に縛られて技術が偏ると窪田規一氏が考えたためである。2006年7月、東京大学先端科学技術研究センター教授の菅裕明氏が技術を、日産自動車・JGSを経た窪田氏が事業を担う分業で創業した。菅氏はフレキシザイムの開発と学術発信に専念し、窪田氏は最初の標的探索と臨床試験を製薬会社に任せ、候補化合物の創出と最適化だけに事業を絞った。自社で薬を売らず基盤を貸して稼ぐ形は、この役割分離から生まれた。
ペプチドリームにおける経営の転換点(その2) Q なぜ2010年に独自基盤PDPSを立ち上げ、受託で稼ぐ事業構造を選んだのか
A 自社で薬を一から開発すると承認まで収入のない年月が長く、年に1〜2本しか手がけられないと判断したためである。2010年10月、フレキシザイムを使い1,000兆種類規模のペプチドから候補を絞り込むPDPSを確立し、探索から臨床までを担う従来型を捨てて候補創出に特化した。製薬企業へのライセンス供与と共同研究で、契約時の一時金・目標達成時のマイルストーン・販売後のロイヤルティを得る仕組みとし、武田・アステラス・米BMS・スイスNovartisと契約を重ねて受託料を収益の柱とした
ペプチドリームにおける経営の転換点(その3) Q なぜ2022年にPDRファーマを買収し、放射性医薬品事業に参入したのか
A 受託・ライセンス収益は契約のまとまりやマイルストーンの達成時期で年ごとに振れ、これを自社製品の安定売上で補う必要があったためである。2022年3月、富士フイルム富山化学系の放射性医薬品会社PDRファーマを約305億円(後に約220億円へ減額)で取得し連結子会社化した。自前の製造販売を持つことで川下の収益を取り込み、研究開発受託に偏った事業を二本柱へ組み替えた。FY22の連結売上は268.5億円、FY24は466.8億円とPDRの実販売が業績を押し上げた

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ペプチドリームの沿革2006〜2024年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
2006〜2014年東京大学発の創薬ベンチャー設立とPDPS確立窪田規一菅裕明氏と窪田規一氏がペプチドリームを設立★★
窪田規一東京大学からフレキシザイムの独占的通常実施権を取得
窪田規一ニューヨーク州立大学から基本特許の独占的通常実施権を取得
窪田規一本社を東京都目黒区(東京大学先端科学技術研究センター内)に移転
窪田規一本社とラボ機能を移転
窪田規一創薬開発プラットフォームシステム(PDPS)を確立
窪田規一創業7年でのマザーズ上場と、製薬大手への技術提供を収益源とする研究開発受託モデルの確立

2013年6月、ペプチドリームは東京証券取引所マザーズ市場に上場した。2006年の設立から7年での上場で、赤字経営が常態だった当時のバイオベンチャーの中では、黒字を保ったまま株式公開に至った希少な例であった。自社で新薬を売り出す道をとらず、独自基盤PDPSを大手製薬に供与し開発を委ねる提携型の受託モデルで、外部資金への依存を抑えた単独経営を確立した判断である。

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★★★
2015〜2021年経営体制の世代交代と事業多角化窪田規一東京証券取引所市場第一部に指定替え
窪田規一旭化成ファーマと特殊環状ペプチドを用いた創薬共同研究開発契約を締結
窪田規一本社・研究所を移転
リード・パトリックリード・パトリック氏が社長に就任
リード・パトリック塩野義製薬・積水化学工業との合弁によるペプチスターの設立と原薬製造の内製化

2017年9月、ペプチドリームは、塩野義製薬・積水化学工業との3社合弁で、特殊ペプチド原薬の研究開発・製造・販売を担うCDMO『ペプチスター株式会社』を設立した。候補物質の探索と最適化に事業を絞ってきた同社が、製造という川下の工程を自ら押さえ、探索から生産まで一気通貫の体制を組む判断であった。

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★★★
リード・パトリックノバルティスと放射性核種ペプチド複合体(RI-PDC)の共同研究開発契約を締結★★
リード・パトリック三菱商事との合弁でペプチグロースを設立
リード・パトリック富士通・みずほキャピタル・竹中工務店・キシダ化学との合弁でペプチエイドを設立
2022年〜PDRファーマ買収と放射性医薬品事業への参入(2022〜現在)リード・パトリック富士フイルム富山化学からの放射性医薬品事業の取得とPDRファーマの連結子会社化

2021年9月2日、ペプチドリームは富士フイルムの子会社・富士フイルム富山化学の放射性医薬品事業を305億円で買収すると発表し、2022年3月に取得を完了して新会社『PDRファーマ株式会社』を連結子会社化した。共同研究と技術ライセンスに寄っていた事業構成に、製造販売を持つ放射性医薬品を第二の柱として据える買収であった。

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★★★
リード・パトリックアステラス製薬とタンパク質分解誘導剤で共同研究契約を締結
リード・パトリックジェネンテックと放射性核種ペプチド複合体(RI-PDC)で業務提携★★
リード・パトリックノバルティスと環状ペプチド創薬で追加の契約を締結
リード・パトリックNorthStar Medical Radioisotopesとアクチニウム225の供給契約を締結★★
出典・参考
  • ペプチドリーム 有価証券報告書 第8期(2014年6月期)【沿革】
  • ペプチドリーム 有価証券報告書 第10期(2016年6月期)【沿革】
  • ペプチドリーム 有価証券報告書 第17期(2022年12月期)【沿革】
  • ペプチドリーム 有価証券報告書 第19期(2024年12月期)【沿革】
  • ペプチドリーム 有価証券報告書 第19期(2024年12月期)【役員の状況】

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