- 社長を務めたのは創業者の鈴木幸一氏(FY93からFY11まで代表取締役社長、その後は代表取締役会長兼Co-CEOとして現任)、勝栄二郎氏(FY12からFY23)、谷脇康彦氏(FY24就任、現任)の3名。創業者が社長を退いた後も会長として最高経営層に残り続けており、トップ交代は創業家からの完全な代替わりではなく会長と社長の二頭体制への移行という性格をもつ。
- 在任期間は鈴木氏が社長として19年と長く、勝氏が約11年と続く。1972年に日本能率協会へ入った鈴木氏が事業創出系のトップであるのに対し、勝氏は1975年大蔵省入省で財務事務次官を経た財務官僚、谷脇氏は1984年郵政省入省で総務審議官を経た情報通信行政の出身であり、社長職は2代続けて中央省庁の事務方トップ経験者へ引き継がれている。
- 勝氏と谷脇氏はいずれも退官後にIIJの特別顧問・顧問を経てから取締役・社長へ進む経路をたどっており、外部招聘した官僚を社内に馴染ませてから経営トップに据える昇進パターンが2代連続で踏襲されている。生え抜き出身者が社長に就いた例はなく、トップは創業者か外部招聘の官僚出身者に限られる。
- 系譜上の断絶点は、財務省出身の勝氏から総務省出身の谷脇氏への交代(2025年4月)にある。資本構造の立て直しを担う財務畑のトップから、ソブリンクラウドや情報通信行政に通じた規制官庁出身のトップへ重心が移り、次の成長領域を見据えた人選へ切り替わっている。