この判断を、食品会社による飛び地の多角化として片づけるのは惜しい。出発点にあったのは、冷蔵と冷凍で電気を食い続ける自社の事業構造への対処であり、発電はその延長線上で検討されていた。自家消費が採算に合わないと分かった時点で退く選択もあったなかで、制度が変わったところで売電へ切り替えて事業に仕立てた——制度の変化を、事業機会として即座に読み替える速さがうかがえる。ボタ山に発電所を建てた用地の選び方も、安く仕入れて安く供給するという本業の作法と地続きにみえる。
興味深いのは、2020年に外食関連11社を手放して本業集中を掲げたとき、この事業が売却の対象にならなかったことである。外食は業務スーパーと同じ食の領域にありながら切られ、まったく異なる発電が残った。稼いだ利益をどこへ置くかという観点では、需要の読みにくい店舗事業より、売電価格が制度で固定された発電のほうが本業の変動を打ち消しやすい。選択と集中という言葉が、事業の近さではなく収益の性質で引かれていたとみることもできる。安さを競う本業を支えるために、何を隣に置くのか——その答えが12年かけて形になったといえる。