施工の請負には終わりがある。工事を受け、造り、引き渡し、代金を受け取れば、その現場との関係は保証の期間を残して切れる。発電事業にはその終わりがない。風車は建てた日から20年、30年と回り、そのあいだ売電収入が入り続ける代わりに、修繕も、設備の劣化も、買取価格が切れたあとの採算も、すべて持ち主の側に残る。2012年10月の資本参加は、関電工がこの二つ目の時間の流れを自社の帳簿に取り込む判断であった。
損益の現れ方の違いは、十年余りで数字になった。工事の採算は完成のたびに確定するのに対し、発電設備の採算は将来の見通しが変わるたびに減損として跳ね返る。2024年3月期の33億円、2025年3月期の20億円という減損は、その計算のしかたの違いから生じている。それでも関電工は資産を手放さず、2024年7月には発電と新規事業を統括する本部を開設した。2004年と2006年に銚子で運転を開始した2つの風力発電所は、取得から13年を経た2025年3月の発電所一覧にも、なお載っている。