- 1986年3月から2025年3月期まで、社長の座は中村公一氏と中村公大氏の2名のみで占められてきた。公一氏はFY85(1986年3月期)に代表取締役社長へ就いてFY14まで在任し、その後も会長CEOとして2025年3月期まで経営の中枢に残った。続く公大氏もFY16(2017年3月期)に社長就任後、2025年4月にCEOを引き継ぐまで9年を要した。社長交代が約30年と約10年という長い周期で起き、トップ在任の長さが際立つ世襲型の継承である。
- 公一氏は1973年に入社し、取締役・常務・副社長と社内階段を上ったうえで1986年に社長へ昇った。公大氏は2002年入社で、経営企画副担当兼経営企画部長やエリア統括を経て2016年に社長COOへ就いている。前者が現場と副社長職を経た叩き上げ、後者が経営企画とエリア統括を母体とする昇進で、いずれも外部招聘ではなく社内育成を経たトップ供給となっている。
- 創業家である中村家がトップを握り続ける系譜が一貫しており、公一氏は創業者から数えて5代目にあたる。公一氏から公大氏への移行でも、2016年4月に公大氏が社長COO、公一氏が会長CEOへと並走する期間を置き、2025年4月に公大氏がCEO、公一氏が取締役会長兼取締役会議長へ退いた。トップ交代を一気にではなく数年がかりの並走で進める運営が、創業家承継のなかで繰り返されている。
- 社長の出身領域には世代差がある。公一氏が機工と物流を両輪に据えた再建期の経営を率いたのに対し、公大氏は経営企画とエリア統括を背景に持ち、海外展開を成長の軸へ据え直す立場にある。創業家による連続性を保ちながら、トップの育成母体が現場叩き上げから企画・統括系へ移った点が、近年の継承の特徴となっている。