ワークマン#ワークマン女子による一般女性・非職人客向け新業態への進出

時期 2020年10月
意思決定者(推定) 土屋哲雄・小濱英之 ワークマン 専務取締役(経営企画・製品開発担当)・ワークマン 代表取締役社長
論点 一般客拡大の次の成長軸と、作業着依存からの脱却
概要
2020年10月、ワークマンは作業着を置かず一般女性客に照準を合わせた新業態『#ワークマン女子』の1号店を横浜に開いた。職人向けの作業服店から始まり、WORKMAN Plusで一般客を取り込んだ同社が、女性とデザインを軸にした専用業態へ一段踏み込んだ経営判断。
背景
建設職人の高齢化と減少で作業着市場の先細りが見込まれ、2018年のWORKMAN Plusで一般客の開拓は進んでいた。だが同じ商品を並べ替えた既存店では女性客の来店に限界があり、職人と一般客が同じ売り場に混在することへの摩擦も生じていた。
内容
作業着を扱わない専用店として横浜に1号店を出し、以後は年20店規模で出店した。2022年に銀座へ、2023年にはデザイン主導の実験業態『ワークマンカラーズ』を銀座に置き、SHEIN方式と呼ぶ短納期のトレンド生産を取り入れた。
含意
女子業態は2024年6月末で54店舗まで広がったが、既存店の伸びは鈍り、2024年からはメンズと大人カジュアルを強化する大改革に転じた。会社は業態の完成に約10年を要するとみて『ワークマンファミリー』への改名も検討している。
筆者の見解

筆者見解

#ワークマン女子は、商品を変えずに客層を広げたWORKMAN Plusの延長ではなく、作業着そのものを店から外すという一段深い決断であったとみることができる。職人という強固な基盤を持つ企業が、その資産をいったん脇に置いた売り場を作った意味は小さくない。一方で高機能という同社最大の武器が、デザインで買うアパレルの世界ではかえって制約になった構図もうかがえる。

メンズや大人カジュアルへの揺り戻し、そして『ワークマンファミリー』への改名検討は、女性特化という当初の輪郭がなお定まっていないことを示している。会社自身が業態の完成に約10年を見込むと述べており、この判断の成否を今の時点で断ずるのは早い。作業着を外した店が独自の客層を育て切れるのか、それとも既存業態へ回帰していくのかは、なお見届ける段階にあるといえる。

Yutaka Sugiura, 2026年7月

出典・参考
  • ワークマン 有価証券報告書(2021年3月期・単体)

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