筆者の見解
系列に寄りかかる自立という難題
この判断の核心は、輸出偏重で崩れた採算を、系列の資本と事業支援に身を寄せて立て直そうとした点にある。三菱電機を筆頭株主に迎え、開発・生産・販売までを一体化する一方で、岡田眞社長は"合併はあり得ない"と独立を掲げ続けた。支援を最大限に受けながらも自立を手放さないという姿勢には、往時の高収益企業としての矜持と、単独では立ち行かない現実との間の緊張がにじむ。系列に深く依存しつつ独自性を保つという二つの要請の両立は、容易な道ではなかったのだろう。
減量そのものは断行され、債務超過は避けられた。だが、輸出比率が8割を超える体質は4年を経ても大きくは変わらず、業績は水面下を脱しなかった。減量と固定費圧縮の時間差、そして為替に左右され続ける収益構造は、赤井電機が抱えた構造課題の根深さを映している。系列の傘に入って延命を図るのか、傘の下で体質そのものを作り替えるのか——この4年の再建は、その問いに答えを出しきれないまま、1990年代の外資系企業による支援と民事再生へとつながった。
Yutaka Sugiura, 2026年7月