この経営判断の核心は、油圧ショベル専業という強みと弱みの表裏を、単独の海外進出でなく2番手連合で補った点にある。総合の2大巨人に品揃えで劣る日立建機は、得意分野の重ならない米欧のメーカーと組むことで、互いの強い地域と製品を持ち寄り、単独では届かなかった世界のフルライン化へ近づこうとした。円高と貿易摩擦のなかで、現地企業のインサイダーとして受け入れられる合弁の形を選んだのは、摩擦を避けつつ市場に食い込む現実的な設計だったと推察される。
もっとも、3社の思惑がジグソーパズルのようにはまった提携も、永続を約束するものではなかった。フルライン化という課題は当時"第2ラウンド"に持ち越され、その後の日立建機は2001年に欧州フィアットとの提携を解消して自力展開へ転じ、2021年には北米のディア(ディーア)との合弁も解消していく。2番手連合は、次の自力の海外展開へ向けた段階的な足場という性格を帯びていた。提携を目的とみるか、力をつけるまでの足場とみるか——日立建機の3極体制は、その使い分けを問う事例といえる。