第4章 年〜年

ニチロ:冷凍食品への転換とマルハグループ本社との経営統合

1979年〜北洋の終幕と、ニチロへの商号変更

1977年に各国が二百カイリの漁業専管水域を設定すると、日魯漁業は海外の加工会社を買収して原料を確保した。1979年9月に米国のピーターパン・シーフーズ、1986年12月に同じく米国のゴールデンアラスカ・シーフーズを子会社化し、アラスカの加工拠点を取得した。国内の北洋漁業は縮み、1988年6月の母船式サケ・マス事業は、母船16船団のうち5船団を単独で出した1950年代から、8社共同経営による1船団の出漁になった。1989年2月には決算期を11月30日から3月31日へ変更し、1990年1月に商号を株式会社ニチロ、英訳名をNICHIRO CORPORATIONへ改めた。日魯という社名は、露領の漁場を前提にした1914年以来のものだった。

  • 証券アナリストジャーナル 1978年11月号
    • [1]1977年に各国が二百カイリの漁業専管水域を設定した
  • ニチロ 有価証券報告書【沿革】
    • [2]二百カイリ後は海外の加工会社を子会社化して原料を確保した
    • [3]1979年9月に米国のピーターパン・シーフーズを子会社化した
    • [4]1986年12月にゴールデンアラスカ・シーフーズを子会社化した
    • [5]1988年6月の母船式サケ・マス事業は8社共同経営の1船団出漁となった
    • [6]1989年2月に決算期を11月30日から3月31日へ変更した
    • [7]1990年1月に商号を株式会社ニチロへ変更した
    • [8]日魯漁業の商号は1914年の設立時から用いられた

陸上の主力は調理冷凍食品へ移り、その担い手は子会社だった。家畜の枝肉や内臓を売る会社として1962年に設立された宮畜産は、1993年からセブン-イレブン向けの餃子納入を始め、ここから売上を伸ばした。1994年に新潟フレッシュデリカを設立して新工場を建設し、1999年には長野工場で焼成パンや調理パン、スパゲティ、グラタンを作る。同社は1994年にニチロサンフーズへ商号を変更し、1999年3月期は売上高88億5,400万円、経常利益4億4,600万円を計上した。売上に占めるセブン-イレブン向けの比率は約26%にのぼる。2000年2月、ニチロサンフーズは株式を日本証券業協会へ登録した。

  • 証券アナリストジャーナル 2000年4月号
    • [9]調理冷凍食品を担ったのは子会社の宮畜産(後のニチロサンフーズ)だった
    • [10]宮畜産は1962年に家畜の枝肉や内臓を販売する会社として設立された
    • [11]1993年からセブン-イレブン向けの餃子納入を開始した
    • [12]1994年に新潟フレッシュデリカを設立し1999年に長野工場を建てた
    • [13]1999年3月期の売上高は88億5,400万円、経常利益は4億4,600万円だった
    • [14]1999年3月期のセブン-イレブン向け比率は約26%だった
  • ニチロ 有価証券報告書【沿革】
    • [15]2000年2月にニチロサンフーズの株式が日本証券業協会へ登録された
参考文献[1]-[15]
  • 証券アナリストジャーナル 1978年11月号
    • [1]1977年に各国が二百カイリの漁業専管水域を設定した
  • ニチロ 有価証券報告書【沿革】
    • [2]二百カイリ後は海外の加工会社を子会社化して原料を確保した
    • [3]1979年9月に米国のピーターパン・シーフーズを子会社化した
    • [4]1986年12月にゴールデンアラスカ・シーフーズを子会社化した
    • [5]1988年6月の母船式サケ・マス事業は8社共同経営の1船団出漁となった
    • [6]1989年2月に決算期を11月30日から3月31日へ変更した
    • [7]1990年1月に商号を株式会社ニチロへ変更した
    • [8]日魯漁業の商号は1914年の設立時から用いられた
    • [15]2000年2月にニチロサンフーズの株式が日本証券業協会へ登録された
  • 証券アナリストジャーナル 2000年4月号
    • [9]調理冷凍食品を担ったのは子会社の宮畜産(後のニチロサンフーズ)だった
    • [10]宮畜産は1962年に家畜の枝肉や内臓を販売する会社として設立された
    • [11]1993年からセブン-イレブン向けの餃子納入を開始した
    • [12]1994年に新潟フレッシュデリカを設立し1999年に長野工場を建てた
    • [13]1999年3月期の売上高は88億5,400万円、経常利益は4億4,600万円だった
    • [14]1999年3月期のセブン-イレブン向け比率は約26%だった

2003年〜財務が決めた統合 ── マルハとの株式交換

冷凍食品への傾斜は買収でも進み、2003年4月に冷凍食品製造販売のアクリフーズを子会社化し、2004年11月には夕張のほくれいを加えて2007年1月にアクリフーズへ統合した。2003年1月には中国山東省に日照日魯栄信食品有限公司を設立して水産加工の拠点を海外に置き、2006年6月にはアクリフーズが山東省で煙台阿克力食品有限公司を設立した。一方で財務は重く、2005年3月期に71億8,600万円の当期純損失を計上して自己資本比率が12.0%まで下がったため、同期に優先株式800万株を発行して資本金を122億2,400万円へ積み増した。

  • ニチロ 有価証券報告書【沿革】
    • [16]2003年4月にアクリフーズを子会社化した
    • [17]2004年11月にほくれいを子会社化し2007年1月にアクリフーズへ統合した
    • [18]2003年1月に中国山東省へ日照日魯栄信食品有限公司を設立した
  • ニチロ 有価証券報告書 主要な経営指標等の推移(2003年3月期〜2007年3月期)
    • [19]2005年3月期に71億8,600万円の当期純損失を計上した
    • [20]2005年3月期の自己資本比率は12.0%だった
  • ニチロ 有価証券報告書(2007年6月28日提出)
    • [21]優先株式800万株を発行し資本金を122億2,400万円とした

ニチロは有利子負債の削減をグループ最大の財務的課題と位置づけ、遊休資産の早期売却と売上債権の早期回収を並べた。2007年3月期の連結売上高は2,516億9,700万円で前期比1.0%減、経常利益は29億100万円で16.0%減となる。自己資本比率は15.8%まで戻り、当期純利益は42億9,200万円を計上した。ニチロとマルハグループ本社は2006年12月11日に、株式交換による全面的な統合を対等な精神で行う基本合意書を締結し、2007年4月12日に株式交換契約を締結した。6月28日、ニチロの定時株主総会がこれを承認した。ニチロの普通株1株にマルハ本社の普通株0.905株を割り当てる比率で、優先株主には第二種優先株式400万株を交付した。9月25日に株式の上場を廃止し、10月1日に完全子会社となった。同日、マルハグループ本社はマルハニチロホールディングスへ商号を変更した。

  • ニチロ 有価証券報告書(2007年6月28日提出)
    • [22]有利子負債の削減をグループ最大の財務的課題と位置づけた
    • [23]2007年3月期の連結売上高は2,516億9,700万円で前期比1.0%減だった
    • [24]2007年3月期の経常利益は29億100万円で16.0%減だった
    • [27]2006年12月11日に基本合意書を締結し2007年4月12日に株式交換契約を結んだ
    • [28]2007年6月28日にニチロの定時株主総会が株式交換契約を承認した
    • [29]株式交換比率はニチロ普通株1株に対しマルハ本社普通株0.905株だった
    • [30]2007年9月25日に上場廃止、10月1日に完全子会社となった
    • [31]マルハグループ本社はマルハニチロホールディングスへ商号を変更した
  • ニチロ 有価証券報告書 主要な経営指標等の推移(2003年3月期〜2007年3月期)
    • [25]2007年3月期の自己資本比率は15.8%、当期純利益は42億9,200万円だった
    • [26]2007年3月期の当期純利益は42億9,200万円だった

統合の時点でニチロが持っていたのは、加工食品に偏った収益構造だった。2007年3月期の加工食品事業は外部顧客への売上高1,544億1,700万円・営業利益59億7,000万円で、水産品事業の売上高726億6,900万円・営業利益13億3,000万円を上回った。両社は統合の目的を、水産物のグローバルな調達や商事に強みを持つマルハグループと、食品の開発・製造に強みを持つニチログループが一体となり、規模の拡大と機能の相互補完を進めることに置いた。統合でニチロの社名と上場は消えたが、あけぼの印の缶詰、アクリフーズの冷凍食品、ピーターパン・シーフーズのアラスカ拠点はマルハニチロへ引き継がれた。1906年に新潟の堤商会として始まった北洋の会社は、101年目に他社の完全子会社となった。

  • ニチロ 有価証券報告書(2007年6月28日提出)
    • [32]統合時点のニチロは加工食品事業に収益が偏っていた
    • [33]2007年3月期の加工食品事業は売上1,551億400万円・営業利益59億7,000万円だった
    • [34]2007年3月期の水産品事業は売上726億6,900万円・営業利益13億3,000万円だった
    • [35]両社は統合の目的を規模の拡大と機能の相互補完に置いた
    • [36]統合によりニチロの社名と上場は消えた
参考文献[16]-[36]
  • ニチロ 有価証券報告書【沿革】
    • [16]2003年4月にアクリフーズを子会社化した
    • [17]2004年11月にほくれいを子会社化し2007年1月にアクリフーズへ統合した
    • [18]2003年1月に中国山東省へ日照日魯栄信食品有限公司を設立した
  • ニチロ 有価証券報告書 主要な経営指標等の推移(2003年3月期〜2007年3月期)
    • [19]2005年3月期に71億8,600万円の当期純損失を計上した
    • [20]2005年3月期の自己資本比率は12.0%だった
    • [25]2007年3月期の自己資本比率は15.8%、当期純利益は42億9,200万円だった
    • [26]2007年3月期の当期純利益は42億9,200万円だった
  • ニチロ 有価証券報告書(2007年6月28日提出)
    • [21]優先株式800万株を発行し資本金を122億2,400万円とした
    • [22]有利子負債の削減をグループ最大の財務的課題と位置づけた
    • [23]2007年3月期の連結売上高は2,516億9,700万円で前期比1.0%減だった
    • [24]2007年3月期の経常利益は29億100万円で16.0%減だった
    • [27]2006年12月11日に基本合意書を締結し2007年4月12日に株式交換契約を結んだ
    • [28]2007年6月28日にニチロの定時株主総会が株式交換契約を承認した
    • [29]株式交換比率はニチロ普通株1株に対しマルハ本社普通株0.905株だった
    • [30]2007年9月25日に上場廃止、10月1日に完全子会社となった
    • [31]マルハグループ本社はマルハニチロホールディングスへ商号を変更した
    • [32]統合時点のニチロは加工食品事業に収益が偏っていた
    • [33]2007年3月期の加工食品事業は売上1,551億400万円・営業利益59億7,000万円だった
    • [34]2007年3月期の水産品事業は売上726億6,900万円・営業利益13億3,000万円だった
    • [35]両社は統合の目的を規模の拡大と機能の相互補完に置いた
    • [36]統合によりニチロの社名と上場は消えた

1978年〜2007年の業績

決算期 区分 売上高 経常利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 利益率 億円
1978年11月期 単体 1,649 n/a ▲7 ▲0.4% ▲7 n/a
1979年11月期 単体 1,955 +18.6% 20 1.0% 3 n/a
1980年11月期 単体 2,027 +3.7% ▲33 ▲1.6% ▲30 n/a
1981年11月期 単体 2,099 +3.6% 7 0.3% 11 n/a
1982年11月期 単体 2,278 +8.5% 19 0.8% 11 n/a
1983年11月期 単体 2,078 ▲8.8% ▲18 ▲0.9% ▲10 n/a
1984年11月期 単体 2,187 +5.2% 4 0.2% 1 n/a
1985年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1986年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1987年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1988年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1989年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1990年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1991年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
1992年03月期 連結 2,846 n/a 37 1.3% 19 n/a
1993年03月期 連結 2,547 ▲10.5% 16 0.6% ▲20 n/a
1994年03月期 連結 2,361 ▲7.3% ▲3 ▲0.1% ▲21 n/a
1995年03月期 連結 2,350 ▲0.5% 26 1.1% 8 n/a
1996年03月期 連結 2,365 +0.6% 11 0.5% ▲6 n/a
1997年03月期 連結 2,485 +5.1% 35 1.4% 11 n/a
1998年03月期 連結 2,413 ▲2.9% 40 1.7% 2 n/a
1999年03月期 連結 2,400 ▲0.5% 59 2.5% 17 n/a
2000年03月期 連結 2,421 +0.9% 88 3.6% 32 n/a
2001年03月期 連結 2,386 ▲1.4% 78 3.3% 28 n/a
2002年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
2003年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
2004年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
2005年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
2006年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a
2007年11月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a n/a

出所:会社年鑑 1986年版、会社年鑑 2002年版

出典・参考

5件
出典・参考
  • ニチロ 有価証券報告書 主要な経営指標等の推移(2003年3月期〜2007年3月期)
  • ニチロ 有価証券報告書(2007年6月28日提出)
  • ニチロ 有価証券報告書【沿革】
  • 証券アナリストジャーナル 1978年11月号
  • 証券アナリストジャーナル 2000年4月号

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