当時、注文靴が主流であった靴市場において、冨永光行は既製靴という発想を持ち込み、価格構造そのものを組み替えた。流れ作業による製造を前提に1足600円で仕入れ、1000円で販売するモデルは、靴を高級耐久財から日常消耗品へと位置づけ直す試みであった。この価格破壊によって潜在需要が一気…
郊外靴専門店モデルへの転換
靴のマルトミは、靴事業で蓄積してきたロードサイド立地の選定、駐車場を前提とした店舗設計、家族客を想定した導線設計といった出店ノウハウを、そのままおもちゃ事業に移転した。都心型ではなく郊外型を前提としたことで、広い売場面積と商品量を確保でき、週末需要やまとめ買いに対応する運営が可能…
大店法運用の緩和を背景に郊外型ショッピングセンターが急増し、複数の靴専門店が同一施設内で競合する市場構造が形成された。この変化により、単独立地の小型店は集客力、価格訴求力、商品回転のいずれにおいても劣後する立場に置かれた。マルトミの成長を支えてきた郊外小型店モデルは、制度と立地条…
郊外型ショッピングセンターを主戦場とするABCマートなどの新興靴チェーンは、集客力の高い立地と効率的な商品供給によって競争力を高めていった。一方、マルトミはロードサイド小型店を前提とした出店モデルから転換できず、価格・品揃え・立地のいずれにおいても対応が遅れた。競争環境の変化に適…