筆者の見解
出資比率と支配権のねじれをどう解いたか
この判断の核心は、出資比率で少数にとどまっていたウットラムが、取締役会という意思決定の場では過半数を得たという逆転にある。長年のマイノリティ出資者が経営の主導権を先に握り、資本の過半を握るのはその数年後という順序は、日本企業の資本関係としては珍しい経路であったと推察される。ゴー・ハップジン氏が繰り返した"乗っ取りではない"という言葉は、敵対的な色彩を薄めながら実質的な支配権の移動を進めるという二面性をよく表している。
株主提案という平時の手続きを通じて経営権が移った点も見過ごせない。委任状争奪戦という最終手段に至る前に会社側が候補者を受け入れたことで、対立は表向き穏当な形に収まったが、その後の完全子会社化までの歩みを踏まえれば、2018年の取締役会構成の変更は、資本と経営の主導権が一体化していく過程の最初の節目であったといえる。
Yutaka Sugiura, 2026年7月