筆者の見解
資本市場を、成長の後ろ盾に
この判断の核心は、地方の中古車販売チェーンが、全国展開という次の段階へ進むために、資本市場という後ろ盾を早くに得た点にある。広田靖治社長は、2013年の上場と2014年の異例の速さの一部昇格によって、成長資金の調達力と上場企業としての信用を短期でそろえた。まだ売上300億円に満たない規模の会社が、200店舗・売上2000億円という長期目標を掲げられたのは、資本市場を使う道筋を先に確保したからであったのだろう。
もっとも、上場で得た調達力を成長へ変えるには、その資金を店舗と用地へ大きく投じる次の判断が必要であった。資本市場からの資金は、使えば成長を速める一方で、投じ方を誤れば財務の重荷にもなる。上場と昇格でそろえた後ろ盾を、大型店化と全国展開でどう生かし、どこまで財務の健全さと両立させるか——資本政策の一手は、その問いを同社の次の段階へ手渡した。
Yutaka Sugiura, 2026年7月