3Dインベストメント・パートナーズの大量保有|スクウェア・エニックスHDの株主対応

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株主要求と会社対応6件
株主3Dインベストメント・パートナーズ3D Investment Partners
最高保有比率18.53%基準日 2026/02/24大量保有報告書(S100XOJN)の保有割合。報告の中で最も高い時点
投資先スクウェア・エニックスHD証券コード 9684
ステータス終結

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株主要求と会社対応

3Dはスクウェア・エニックスHDのゲーム事業の稼ぐ力の低下を問題とし、事業の組み合わせを含めた中期経営計画の抜本的な再検証を求めた。保有割合を18.53%まで高め、営業利益の減少の主因をHD・SDゲーム事業の減収と利益率の低迷とみて、アミューズメント・出版とのシナジーが乏しくコングロマリット・ディスカウントが生じていると指摘した。資料はまず取締役会に提供し、のちに公表した。取得枠200億円を実行しなかった理由の説明も求めた。

スクウェア・エニックスHDは事業を切り離さず、今の事業構成のまま組織と開発の進め方を見直した。海外組織の再編の基本方針は3Dが資料を提供した翌日の取締役会で決め、プロダクトアウト型からマーケットイン型への転換の一環として組織再編費用を特別損失に計上した。2026年5月には現中期経営計画の最終年度として各施策を推進すると述べ、桐生社長は事業ポートフォリオ全体で収益変動を吸収する構造の構築も重要と述べた。

株主側要求(3Dインベストメント・パートナーズ)会社側対応(スクウェア・エニックスHD)議案可決議案否決面談
株主と会社の施策
2025年2026年4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月
資本政策
自社株買い
自社株買い書簡提案年間配当
事業戦略
経営戦略
海外組織再編意思決定
非中核事業
書簡提案意思決定
ガバナンス
取締役選任
桐生社長の取締役選任
3Dインベストメント・パートナーズの保有比率
6.6%8.8%11.9%14.4%16.5%17.5%18.5%
株主総会
定時定時
要求と経緯要求3件・出来事6件

株主との対話:株主から会社に対する要求と経緯

項目日付主体対話区分やり取りの要旨株主公表会社公表
自社株買い2025/05/14意思決定確定自社株買い取得枠200億円—
2025/12/08書簡提案要求自社株買い見送りの説明—
2026/05/14意思決定確定年間配当1株43円—
経営戦略2025/11/06意思決定確定海外組織再編98億円—
2025/12/08書簡提案要求中期経営計画の抜本的再検証—
2026/05/14意思決定確定現中計の推進とROE目標—
非中核事業2025/12/08書簡提案要求コングロマリット割引の解消—
2026/05/14意思決定確定現中計の推進とROE目標—
取締役選任2026/06/24株主総会議案決議可決桐生社長の取締役選任74.5%—

株主側の主張:3Dインベストメント・パートナーズ

2025年12月8日 書簡

しかし、新経営体制が発足した直近3年間では、売上高成長率および利益率が著しく低迷し、営業利益額とROEをはじめとする稼ぐ力が顕著に低下しております

特に営業利益額の減少は、HDゲーム事業およびSDゲーム事業の減収および利益率低迷が主因であり、HD/SDゲーム事業の抜本的な改善(売上高成長および収益性改善)が貴社の最重要経営課題であると思料致します

ゲーム事業の低迷を打破するためには、開発ポートフォリオの分散、タイレシオ低迷を招く商品設計・広告宣伝、過大な各種費用(例:開発費)といった経営課題に対する具体的な対応策の策定とその確実な実行が不可欠です

しかし、貴社の現中期経営計画は、これら経営課題の解決に向けた施策の具体性、KPI・目標設定および実行計画が不十分に思われ、経営課題の根本的な解決や企業価値の最大化の実現に確信を持てません

つきましては、貴社の卓越した知的財産の最大化、すなわち企業価値の最大化に向けて、中期経営計画の抜本的な再検証を要望いたします

(中略)

ゲーム事業の著しい低評価≒深刻なコングロマリット・ディスカウントの存在は明確であるため、貴社においてその解消に向けた取り組みは必須です

会社側の主張:スクウェア・エニックスHD

2026年5月14日 中期経営計画

当社グループが保有するIPを核として、多様な事業を有機的に結合・拡大し、企業価値の最大化を目指すことが、当社グループが目指す長期ビジョンの基本的な考え方です。

(中略)

大型タイトルは開発費が相対的に大きいため、短期的な収益という観点では、中小規模タイトルに比べてアップサイド、ダウンサイドの双方にリスクがある。

そのため、この3か年では、まず大型タイトルを安定的に投入できる体制の構築に注力してきた。また、大型タイトル単体の収支だけではなく、HDゲームのその他タイトル、スマートデバイス、MMO、アミューズメント、出版を含めた事業ポートフォリオ全体で、大型タイトル投入時の収益変動を吸収できる構造を構築することも重要であると考えている。

スクウェア・エニックスHDの取締役(2025年6月可決・当時)

氏名役職区分その後の総会:選任賛成比率
26/6
桐生隆司代表取締役社長社内74.5%
北瀬佳範取締役社内75.2%
三宅有取締役社内75.2%
小川正人取締役社外75.2%
豊島忠夫取締役(監査等委員)社外—
岡本美津子取締役社外75.2%
進士肇取締役(監査等委員)社外—
AbdullahAldawood取締役社外77.3%
髙野直人取締役社外75.2%
岩本信之取締役(監査等委員・常勤)社外—
我妻三佳取締役社外75.2%
TracyFullerton取締役社外75.2%

筆者見解(歴史的文脈から見た視点)

ゲーム事業の稼ぐ力と、ゲーム以外の事業を抱える意味
2026/11執筆予定
スクウェア・エニックスHDROE2026/3期8.7%
ROE
スクウェア・エニックスHDネットキャッシュ2026/3期2,758億円
ネットキャッシュ現預金有利子負債
スクウェア・エニックスHD投資有価証券2026/3期53億円
投資有価証券
スクウェア・エニックスHD年間配当(分割を遡って調整した値)2026/3期43円
期末配当中間配当
要求区分の一覧19種類

3Dインベストメント・パートナーズの要求区分:公開資料からの推定

スクウェア・エニックスHDに対し、3Dインベストメント・パートナーズがどの要求区分(投資ファンドが要求する項目を独自に一般化したもの)を、どの手段で伝えたかを、公開資料で確かめられる範囲で○を付けて示す。

種別要求区分定義株主提案招集請求書簡提案面談提案
資本政策特別配当通常の配当に上乗せした、一度きりの配当
配当方針1株配当の引き上げ、配当性向・DOEの目標の変更
自社株買い自己株式の取得と、取得した株式の消却○
資本効率ROE・資本コストの目標、余剰資本の水準と使い道の方針。個別の還元策は特別配当・配当方針・自社株買い
政策保有株取引先などと持ち合う政策保有株式の売却・縮減
保有資産現預金・不動産など事業に使っていない資産の売却・活用。政策保有株式は除く
事業戦略上場子会社上場子会社の完全子会社化・売却・持分の扱い
非中核事業本業から外れた事業・子会社・資産の売却。上場子会社は除く○
経営戦略経営戦略・中期経営計画・事業ポートフォリオの見直し○
M&A・提携会社が進める買収・統合・資本提携への反対、条件の見直し
非公開化株式の非公開化・MBOの実施、その条件の見直し
買収提案株主自らが買い手となる株式の買付けの提案と、取締役会への賛同の要請。会社が進める買収はM&A・提携、非公開化の実施は非公開化
ガバナンス取締役解任特定の取締役の解任、再任への反対
取締役選任株主が推す候補を含む取締役の選任
取締役会構成独立社外取締役の比率、議長と社長の分離など取締役会の構成
定款変更株主総会で決められる事項を増やすなどの定款の変更
役員報酬役員報酬の水準・仕組み・業績との連動の見直し
買収防衛策買収防衛策の廃止、導入への反対
非公開非公開面談面談など公表されない場で伝えた要求。中身は非公開
参考文献8件

参考文献

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