3Dインベストメント・パートナーズの株主提案|日鉄ソリューションズの株主対応

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株主要求と会社対応13件
提案株主3Dインベストメント・パートナーズ3D Investment Partners
提案者の最高保有比率9.40%基準日 2025/02/06大量保有報告書(S100V97D)の保有割合。報告の中で最も高い時点
提案を受けた企業日鉄ソリューションズ証券コード 2327
ステータス終結

当コンテンツは試験作成中です。上場企業におけるガバナンス深化のために、専門家の方々からご意見を賜れますと幸いです。要望や誤りがありましたら、(PCのみ)からお寄せください。

株主要求と会社対応

3Dは、日鉄ソリューションズが親会社の日本製鉄に手元資金を預けることを資本コストを下回る利益相反とみて、その解消を軸に迫った。企業価値向上策を玉置和彦社長へ送ったのちに公表し、預け金の解消、自己株式の取得、日本製鉄からの独立性の確保を求めた。日鉄ソリューションズが預け金の客観的・定量的な検証と説明を行わなかったとして、3Dは預け金を禁じる定款変更を株主提案し、日本製鉄を除くMOM条件での決議も求めたが、2議案は否決された。

日鉄ソリューションズは預け金の解消と自己株式の取得には応じず、手元資金を自ら決めたM&Aと配当に振り向けた。リクルートHD株の売却資金は事業リスクへの備えと成長投資の原資と位置づけ、中期経営計画でM&Aに1,500億円を掲げてインフォコムを買収した。配当性向の目安を50%へ引き上げて増配を重ね、取締役を11名に減らして独立社外を6名とした。株主提案には、ROE 11.4%と現預金の減少を挙げて反対した。

株主側要求(3Dインベストメント・パートナーズ)会社側対応(日鉄ソリューションズ)議案可決議案否決面談
株主と会社の施策
2024年2025年2026年4月7月10月1月4月7月10月1月4月7月10月
資本政策
自社株買い
50%1株74円1株85円
政策保有株
743億円550億円
保有資産
1,500億円賛成17.87%
事業戦略
経営戦略
1,500億円
ガバナンス
取締役会構成
定款変更
賛成18.17%
3Dインベストメント・パートナーズの保有比率
5.0%7.1%9.4%
株主総会
定時定時定時
要求と経緯要求6件・出来事13件

株主との対話:株主から会社に対する要求と経緯

種別要求区分日付主体対話区分やり取りの要旨株主公表会社公表
資本政策自社株買い2024/04/26意思決定確定配当性向の目安50%—
2025/03/31書簡提案要求割安時の自己株式への再投資—
2025/05/19意思決定確定年間配当1株74円—
2026/05/18意思決定確定年間配当1株85円—
政策保有株2024/09/02意思決定確定リクルート株743億円—
2025/03/31書簡提案要求政策保有株式の売却と対価の活用—
2025/04/23意思決定確定インフォコム550億円—
保有資産2025/02/28意思決定確定M&Aの資金1,500億円—
2025/03/31書簡提案要求資本コストを下回る預け金の解消—
2025/04/23意思決定確定インフォコム550億円—
2025/06/02公開書簡株主等への意見聴取の結果の公表—
2026/04/09株主提案要求親会社等への預け金禁止の定款変更
2026/05/11意思決定確定CMSは一時預入で定款になじまず—
2026/05/19公開書簡MOM決議か少数株主賛成率の開示—
2026/06/19株主総会議案決議否決預け金の禁止賛成17.87%—
事業戦略経営戦略2025/02/28意思決定確定M&Aの資金1,500億円—
2025/03/31書簡提案要求親会社単価の見直しなど9つの改善—
ガバナンス取締役会構成2025/03/31書簡提案要求親会社からの完全な独立性の確保—
2025/06/20意思決定確定取締役11名中6名が独立社外—
定款変更2026/04/09株主提案要求預け金の利率等を開示する定款変更
2026/05/11意思決定確定CMSは一時預入で定款になじまず—
2026/06/19株主総会議案決議否決資金拠出の開示賛成18.17%—

株主側の主張:3Dインベストメント・パートナーズ

2026年5月19日 資料

NSSOLにおける預け金取引により、経済産業省が指摘する、上場子会社における少数株主との利益相反がまさに顕在化しており、企業価値を毀損しています。

親会社(日本製鉄)は、外部調達コストが0.6〜3.6%であるのに対し、NSSOLからCMSを通じて0.5%という外部調達を下回る水準で資金を確保しメリットを享受しています。

一方でNSSOLは、自社の資本コスト(会社算出値6%・アナリスト平均7〜8%)を大幅に下回る0.5%で親会社に資金を預け入れ、企業価値を毀損しています。

(中略)

預け金の経済合理性について、企業価値の観点からは資本コストを評価軸とすべきところ、銀行金利を評価軸とした不合理な説明を行っています。

(中略)

しかし、構造的利益相反を抱え、NSSOLの企業価値を毀損する預け金について客観的かつ定量的な検証・説明を含む取組みを行っていただけなかったため、本定時株主総会において預け金に関する株主提案を行うに至りました。

2026年5月19日 書簡

本件株主提案書において記載しているとおり、本件株主提案書に記載の各議案は、親会社との構造的利益相反及び親子上場構造の問題が関係しているところであり、親会社による議決権の行使がされた場合、親会社の意思によって決議結果が左右され、貴社の少数株主の利益が損なわれる結果となりかねません。

そのため、本件定時株主総会における決議に際しては、親会社による議決権行使を認めない、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件により決議を実施いただきたく、お願い申し上げます。仮に、このような決議を実施いただけない場合は、親会社を除いた少数株主の当該議案に対する賛成率をご開示いただきたく、あわせてご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

会社側の主張:日鉄ソリューションズ

2026年5月11日 適時開示

成長投資等の具体策として2026年3月期においてはインフォコム株式会社の買収(550億円)を実行いたしました。当社は資金を活用したこうした成長投資等の効果を含め、2026年3月期の株主資本利益率(ROE)について11.4%(前年度比:+0.5%)と資本コストを上回る水準を確保しており、中期経営計画で目指すROE13%程度に向けて今後も一層の資本効率の向上に取り組んでまいります。配当についても、2026年3月期の年間配当を85.0円/株とし5期連続の増配とする予定です。

当社は、手元資金の一部について、当社の親会社である日本製鉄株式会社(以下「日本製鉄」といいます。)が運営するCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)(以下「本CMS」といいます。)に預け入れておりますが、これは、当社が成長投資等を実行するまでの間の一時的な預入先として利用しているものです。なお、当社が一時的な預入先として本CMSの利用を選択しているのは、預入・引出の柔軟性、安全性及び市中金利との比較という観点から、当社にとって有利な条件であるという理由によるものです。仮に、本CMSの利用が禁止された場合には、銀行預金等の市中金利は本CMSを下回ることから、そのような運用は、かえって当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を害するおそれがあります。

(中略)

加えて、本株主提案が求めるように、資金運用の手段の一部である本CMSの利用の可否、及び資金運用に関する開示の在り方について、会社の根本規範である定款に規定することは、資金状況や投資環境等を踏まえた機動的な業務執行・経営判断を制約するおそれがあり、定款の規定事項としてはなじまないものと考えております。

(中略)

資本コストと比較すべきは、一時的な預入先に過ぎない本CMSの利率ではなく、当該成長投資等によって得られる効果であると考えます。そして、当社が、当該資金を当社の資本効率を更に向上させるような成長投資等に充当していく方針であることは、上記アのとおりであり、本CMSの利用が当社の資本効率の向上や適切な資金配分を阻害しているものではありません。

日鉄ソリューションズの取締役(2025年6月可決・当時)

氏名役職区分その後の総会:選任賛成比率
26/6
玉置和彦代表取締役社長社内81.7%
松村篤樹取締役社内—
高原正之取締役(監査等委員・常勤)社内—
黒木益尚取締役社内—
遠藤竜也取締役社内—
東條晃己取締役社内—
内藤寛人取締役社内—
鎌田三保取締役社内—
石井一郎取締役社外82.3%
星周一郎取締役(監査等委員)社外—
堀井利江取締役社外82.3%
藤田和弘取締役(監査等委員)社外—
藤原雅俊取締役社外—

筆者見解(歴史的文脈から見た視点)

親会社の資金管理に組み込まれた上場子会社の手元資金
2026/11執筆予定
日鉄ソリューションズROE2026/3期11.4%
ROE
日鉄ソリューションズその他の金融資産2026/3期245億円
その他の金融資産
日鉄ソリューションズ年間配当(分割を遡って調整した値)2026/3期85円
期末配当中間配当
要求区分の一覧19種類

3Dインベストメント・パートナーズの要求区分:公開資料からの推定

日鉄ソリューションズに対し、3Dインベストメント・パートナーズがどの要求区分(投資ファンドが要求する項目を独自に一般化したもの)を、どの手段で伝えたかを、公開資料で確かめられる範囲で○を付けて示す。

種別要求区分定義株主提案招集請求書簡提案面談提案
資本政策特別配当通常の配当に上乗せした、一度きりの配当
配当方針1株配当の引き上げ、配当性向・DOEの目標の変更
自社株買い自己株式の取得と、取得した株式の消却○
資本効率ROE・資本コストの目標、余剰資本の水準と使い道の方針。個別の還元策は特別配当・配当方針・自社株買い
政策保有株取引先などと持ち合う政策保有株式の売却・縮減○
保有資産現預金・不動産など事業に使っていない資産の売却・活用。政策保有株式は除く○○
事業戦略上場子会社上場子会社の完全子会社化・売却・持分の扱い
非中核事業本業から外れた事業・子会社・資産の売却。上場子会社は除く
経営戦略経営戦略・中期経営計画・事業ポートフォリオの見直し○
M&A・提携会社が進める買収・統合・資本提携への反対、条件の見直し
非公開化株式の非公開化・MBOの実施、その条件の見直し
買収提案株主自らが買い手となる株式の買付けの提案と、取締役会への賛同の要請。会社が進める買収はM&A・提携、非公開化の実施は非公開化
ガバナンス取締役解任特定の取締役の解任、再任への反対
取締役選任株主が推す候補を含む取締役の選任
取締役会構成独立社外取締役の比率、議長と社長の分離など取締役会の構成○
定款変更株主総会で決められる事項を増やすなどの定款の変更○
役員報酬役員報酬の水準・仕組み・業績との連動の見直し
買収防衛策買収防衛策の廃止、導入への反対
非公開非公開面談面談など公表されない場で伝えた要求。中身は非公開
参考文献17件

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