大日本印刷の直近の動向と展望
大日本印刷の直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望をまとめたページです。
セグメント構成や中期的な論点を、現経営陣の発信と有価証券報告書の記述をもとに整理しています。
直近の動向と展望
新中期経営計画と第2フェーズへの移行
2026年3月17日、DNPは新中期経営計画(2026-2028年度)の骨子を公表した。ROE目標は9%、2028年度の営業利益1,300億円以上、自己資本1兆円の維持を枠組みとし、経営陣は今回のフェーズを「第2フェーズ」と位置づけ、構造改革フェーズから事業の成長・拡大フェーズに軸足を移す方針を示した。キャピタルアロケーションの年限を従来の5年から事業計画と同じ3年に短縮する変更も表明した。新中計の営業利益増減要因では、「注力事業」の3年間累計増益額96億円、「基盤/再構築事業」322億円という構造で、構造改革効果がまだ大きな比重を持つ。成長事業からの増益寄与がリストラ効果を上回るには時間が必要で、経営陣自身が成長フェーズ宣言に対して数字の裏付けを慎重に示す構成となっている。
- 新中期経営計画骨子説明会 2026/3
- 日刊工業新聞 2025/1
- 決算説明会 FY25-2Q
半導体・EV・関税への複合的な対応
北島義斉社長は2025年初の日刊工業新聞インタビューで「半導体、ラピダスに照準」(日刊工業新聞 2025/1)と述べ、次世代半導体国産化に向けた国策企業ラピダスへの関与を念頭に、フォトマスク・メタルマスク・光学フィルム等の半導体関連材料での存在感拡大を目指す方針を示した。2025年度の業績には、トランプ関税の直接影響額約22億円と間接影響額約20億円が織り込まれ(決算説明会 FY25-2Q)、物価高による国内食品包材の買い控え、中国の補助金終了による液晶用表面材の需要減少懸念、米国規制変更による車載用バッテリーパウチへの影響と、複数の外部要因が同時に重なっている。半導体・EV・包装のいずれも印刷技術の応用領域にあたり、外部環境の変動に多面的に晒される構造にもなっている。
- 新中期経営計画骨子説明会 2026/3
- 日刊工業新聞 2025/1
- 決算説明会 FY25-2Q