TOTOの直近の動向と展望

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TOTOの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望をまとめたページです。

セグメント構成や中期的な論点を、現経営陣の発信と有価証券報告書の記述をもとに整理しています。

直近の動向と展望

40年続けた中国大陸事業の縮小均衡

2024年6月、清田徳明から18代社長として田村信也が就任した。2025年3月期、同社は中国大陸事業の製造拠点に係る固定資産について減損損失341億円を特別損失として計上した。前年度純利益372億円が122億円まで落ち込み、ROEは前年7.8%から2.4%に急落、中国大陸事業単独では売上669億円(前年比75%)・営業損失36億円となった。背景には不動産市況の長期低迷、消費のローグレード化、中国ローカルメーカー台頭による価格競争激化という3つの構造変化がある。

2025年4月、同社は中国大陸事業の構造改革を発表した。1997年稼働の東陶北京と2004年稼働の東陶華東という衛生陶器工場2拠点を停止し、生産能力を約4割縮減、2014年稼働の東陶福建と2025年5月に稼働した新拠点・東陶遼寧(大連)の2拠点に集約する。特別損失は約150億円、2026年3月期計画に織り込み済みで、水栓・浴槽工場でも人員最適化を進めている。中国進出40年で積み上げた高級路線から、リモデル需要と中高級市場に絞り込む縮小均衡への転換となった。

参考文献
  • 決算説明会 FY2025
  • 決算説明会 FY2026-1Q
  • 決算説明会 FY2026-2Q
  • 決算説明会 FY2026-3Q

米州ウォシュレットと半導体セラミックという成長の二軸

中国の縮小を埋める役割を担うのは、米州住設事業と新領域のセラミック事業である。2025年3月期、米州事業は売上705億円(前年比120%)・営業利益52億円(同186%)と大きく伸び、1Qのウォシュレット販売台数は前年比148%を記録した。米国の中古住宅販売戸数は政策金利高止まりで前年割れが続くものの、ウォシュレット単品の需要は住宅市況と切り離されて拡大する段階に入っている。2025年11月にはウォシュレット累計出荷台数が1980年発売から45年5ヵ月で7000万台を突破し、2019年に27%だった海外比率は2024年30%、うち米州比率は5%から12.5%に上がった。

新領域のセラミック事業は、衛生陶器で培った技術を半導体製造装置向け静電チャック・AD部材に展開したもので、2024年度売上503億円(前年比138%)・営業利益204億円(同186%)、営業利益率40%と全社で最も高収益のセグメントとなった。先端半導体市況の好調を受けて2025年度上期も売上296億円(同137%)と拡大が続く。2025年12月にはオックスフォード英語辞典が「WASHLET」を新規掲載し、商標が世界的な生活文化として公認された。同社は2030年を期限とする中計「TOTO WILL2030 STAGE2」の下で、米州・アジア・セラミックを成長ドライバー、欧州を黒字化ゾーン、日本と中国をベースセグメントと位置づけ、事業ポートフォリオの組み直しを進めている。

参考文献
  • 決算説明会 FY2025
  • 決算説明会 FY2026-1Q
  • 決算説明会 FY2026-2Q
  • 決算説明会 FY2026-3Q

参考文献・出所

有価証券報告書
日本会社史総覧 1995/11/1
決算説明会 FY2025
決算説明会 FY2026-3Q
決算説明会 FY2024
決算説明会 FY2026-1Q
決算説明会 FY2026-2Q