CCCの歴史

旧商号:カルチュア・コンビニエンス・クラブ
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1990
12月

FC加盟店が500店舗を突破

1990

PPTを導入

PPTを導入・ビデオの仕入れ値を低減

1990年にCCCはPPT(Pay Per Transaction)を導入。従来のビデオレンタル店では新作の買い切りが必要であったが、PPTはメーカー側もリスクを背負う仕組みを構築した。

具体的には、レンタル店は新作ビデオを従来の「1/10」の価格(約1,000円〜1,500円)で仕入れ、レンタルの収益を「店舗40%、メーカー50%、流通10%」で分担する仕組みであった。この結果、ビデオレンタル店は在庫リスクを低減し、収益改善が可能になった。

なお、PPTの導入にあたって、CCCはレントラックジャパンと提携して具現化した。

1993
7月

クレジット付帯カードの発行開始

1995
9月

ディレクTVへの出資

ディレクTVへの出資

1995年頃からCCCはビデオレンタルを通じて培った情報をもとに、番組制作を通じた衛星放送に参入する方向を模索。1995年に衛星放送の会社「ディレクTV」への出資を決断した。

CCCとしてはトレンドなどの情報をPOSを通じて蓄積しており、これらを生かすことによって、強力なコンテンツ制作の体制を構築する狙いがあった。そこで、増田宗昭氏がディレクTVの社長に就任し、CCCの社長と兼務した。

ディレクTVにおける失敗・増田社長の解任

ところが、増田社長はCCCと同じトップダウンの経営スタイルでディレクTVを運営。事業が軌道に乗っていないのにも関わらず、本社を恵比寿の一等地(ガーデンプレイス)に移転し、半年で100億円という潤沢なマーケティング投資を計画したことから、ディレクTVに出資する他の企業(三菱商事など)から反感を買った。

このため、1998年に増田宗昭氏は取締役会でディレクTVの社長を解任され、CCCによる衛星放送への参入計画は頓挫した。

1995年
9月
ディレクTVへの出資
2009年
1月
ディレクTVから撤退
証言
増田宗昭氏(CCC創業者)

デジタル衛星放送については、今いろんなところで組んで準備を進めています。私どもには、既存事業で900万人のお客さんがいらっしゃいますし、商品のデータベースは15万アイテム全部についてどれがトレンドで、どれが人気があるのか全てわかりますから、番組編成の企画までできるんですね。さらに、グループ会社(ギャガ)で映画の版権の買い付けをやっておりまして、今年も何本か日本に持ってまいりました。そういうことを基盤にデジタル衛星放送にも出ていきたいと思っております。

1999
7月

TSUTAYA Olineを開始

インターネットサービスに参入

インターネットの急速な普及を受けて、1999年ごろに日本国内ではeコマースへの新規参入ブームが起こった。そこで、CCCもビデオレンタルの分野でeコマースに参入するために、1997年にTSUATAYA Online(TOL)のサービス提供を開始した。

TSUTAYA Onlineの狙いは、ネットで完結するサービスではなく、ネットとリアルの相乗効果にあった。ただし、具体的な相乗効果はメールマガジンを活用したリアル店舗への集客などに限られており、1999年の時点におけるCCCはネット事業の方向性は漠然としたものであった。

また、TSUTAYAの会員数1300万と、商品数200万のデータを強みとして捉えていたが、どのように活用するかについては触れられておらず、模索していた状況だったと推察される。

外注活用によりシステム開発

TSUTAYA Onlineの展開にあたって、CCCはシステム開発を内製ではなく、ベンチャー企業であったIMJに外注する道を選択した。IMJはホームページの制作が主力の会社であったが、TSUTAYA Onlineの開発を通じてモバイル向け(iモードなど)のサイト構築も行う受託企業となった。

CCCとしては、オンライン事業に注力する方向を決めたものの、具体的な方向性は模索途上にあり、とりあえずソフトウェア開発を外部企業に委託することで、最低限のコンテンツを準備する計画だったと推察される(しかし、受託依存という座組みでは、ネット事業の構想を描くことが難しかったと思われ、のちのTSUTAYA Onlineの苦戦の1要因となった)

証言
増田宗昭氏(CCC創業者)

こうしたインターネットの普及という実態をどう捉えるのか、昨年7月に立ち上げたサイト、TSUTAYA Online(TOL)では、単独のeコマースをやろうということではなく、あくまでTSUTAYAという店舗との相乗作用を狙いたいと考えた。ネットと店舗の融合である。

例えばTOKの会員に新作ビデオの紹介メールを配信する。すると明らかにその作品のレンタル率が高まるというデータが得られた。そしてはじめはこういうシンプルな情報発信だったが、次第にレベルアップを図りワン・トゥー・ワンのレベルに高めていく計画だ。TSUTAYAの強みは1300万人の会員データベースと220万アイテムの商品データベースを併せ持っていること。この組み合わせでエージェント機能を発揮するのが、エンターテイメントのコンテンツの流通市場の中でのTSUTAYAの役割だ。それを可能にするのがインターネットというわけである。

1999
12月

SHIBUYA TSUTAYAを開業

2000
4月

東証マザーズに株式を上場

2000年にCCCは東証マザーズに株式を上場し、調達した資金をレンタルビジネスと、TSUTAYA Onlineに重点投資する方針を表明

証言
株式上場にあたってCCCが東証に開示した情報

当社では1999年12月に当社のグループ事業戦略について見直しを行い、主な事業領域は、加盟店舗網とTSUTAYA Onlineを核とするエンターテイメントコンテンツの流通業であるとの方針を固め、経営資源を当該分野に重点配分し、組織再編を含めて今後の事業方針を変更する方向で検討を始めました。

(略)

今後、インターネット(ウェブサイト)を含め、本格的に電子商取引に進出することを検討中でありますが、その場合の必要投資額、収益性、店舗事業に与える影響ともに現時点では明確な見通しを持つに至っておりません。

2002
10月

ネット宅配レンタルに参入

2003
4月

BOOK&CAFEの店舗展開を開始

2003年
4月
TSUTAYA TOKYO ROPPONGIを開業
2003
10月

Tポイントを開始

システム投資と引当金負担を一括引き受け

2003年にCCCはTSUTAYAで利用できる会員カードのサービス内容を拡張し、他の小売店舗で共通でポイントを利用できる「Tポイント」のサービス提供を開始した。当時はスマートフォンが普及しておらず、ポイントカードは「物理カードの発行」が前提となったことから、すでにビデオレンタル事業で顧客を抱えているTポイントは、新規会員の獲得競争で有利な立場にあった。

小売店としてもTポイントを導入することによって、CCCからの送客が期待できることから、Tポイントの付与および消費に積極的に関与するメリットがあった。加えて、Tポイントを導入すれば、ポイントに必要なシステム開発への投資、ポイントの利用を踏まえたポイント引当金の計上を回避することができ、アセットが軽くなるメリットがあった。

加盟店からのニーズの増大を受けて、2005年にCCCはポイント事業を本格展開するために、子会社として「Tカード&マーケティング」を設立した。

加盟店獲得では、2007年のファミリーマートの加盟が転機となった。ファミリーマートとしては、コンビニで会員カードを作成させるハードルが高く、すでに会員基盤を擁していたTポイントを利用可能とすることで、コンビニ各社におけるポイント付与競争に対処する狙いがあった。

この時期には、小売りグループごとにポイントの経済圏が成立しつつあり、Tポイント(ファミマ系列)、ポンタ(ローソン系列)、nanaco(セブンイレブン系列)、楽天、WAON(イオン系列)の各社が出揃った。

Tポイントは、2007年に会員数が2000万人を突破するなど、日本国内で利用される代表的な共通ポイントカードの地位を獲得した。2011年3月期にCCCはTポイント(アライアンス・コンサルティング事業)にて売上高109億円・営業利益36億円を確保するなど、ビデオレンタル事業に次ぐ主力収益源に育て上げた。

ただし、共通ポイントシステムの構築に当たっては相応の投資が必要であり、2010年3月期にCCCは年間13億円をソフトウェア開発に投資していた。よって、ポイント事業におけるROICの水準は低かったと推察される。これは、共通ポイントのビジネスの本質が、ソフトウェアの開発(外注の場合に資産計上)と引当金の計上という、BSでリスクを取ることに起因する。

なお、CCCのポイントシステムの投資は、ソフトウェアを資産計上していることから、外注企業に委託していたものと推察される。

2004
3月

レントラックジャパンを買収

レンタルビジネスへの投資分散を継続

2005年にCCCはレントラックジャパンの株式取得を決定した。レントラックはTSUTAYA向けに、ビデオレンタルのPPT事業を運営しており、2005年3月期時点の売上高は422億円、純利益14億円を計上していた。

CCCとしては、DVDなどのレンタルソフトの仕入れにおける買取比率を低下させ、PPT方式の比重を高めることで加盟店の収益を確保する狙いがあったと推察される。

すなわち、動画配信といったオンラインに集中投資するのではなく、DVDのレンタルビジネスに引き続き投資を行う方針を明確にした。結果として、2000年代を通じてCCCは「レンタル」と「ネット」で投資を分散させたため、競合の台頭を許す結果となった。

2005

ネット関連企業3社を買収

2005年にCCCはインターネット領域に本格参入するために、株式会社IMJ(ホームページ制作会社・大証ヘラクレス上場・時価総額293億円)、株式会社デジタルスケープ(人材派遣会社・大証ヘラクレス上場・時価総額81億円)、株式会社デジタルハリウッド(専門学校を運営)の3社を約160億円で子会社化(株式50%超を取得)した。

いずれもインターネットの関連企業であり、webの事業展開にあたって必要な人員を確保する狙いがあり、インターネットプラットフォームの構築を最終目標とした。IMJは1999年からTSUTAYA Onlineの開発を受託しており、長らくCCCと取引関係にあった。

CCCは買収を通じてTSUTAYAのオンラインサイトを充実させつつ、最終的にはリアル店舗への集客のために、インターネットを活用する「クリック&モルタル戦略」を引き続き継続した。

ところが、CCCはオンラインにおける「動画配信」や「レンタル商品の顧客へのレコメンド」といった、テクノロジーが主軸となる方向性ではなく、一般的な「通販サイト」の構築に投資を優先してしまった。

加えて、TSUTAYA Onlineはi-modeなどのガラパゴスケータイで利用できるサービスとして展開しており、2005年時点のTSUTAYA Online会員のうち64%がガラケーに依存していた。このため、2010年以降はスマホシフトに対応できず、インターネット事業は伸び悩みに転じた。

その後、CCCはインターネット事業について「セグメント業績」から消して業績開示を取りやめるなど、微妙な雲行きとなった。2012年にはCCCのグループ会社であったIMJは4期連続の赤字に転落したため、IMJはMBOによる上場廃止を選択し、CCCのグループから離脱。IMJは経営再建を経て2016年にアクセンチュアに買収された。

この結果、CCCは、Netflixなどの動画配信サービスの台頭に対して出遅れた。

2005
3月

無形資産を一括償却

グレーな会計処理を実施

2005年にCCCは、インターネット関連会社3社およびレントラックの株式取得によって生じた315億円について、連結調整勘定の一括償却を実施した。この償却により、CCCは315億円の特別損失を計上して最終赤字に転落した。

通常の買収であれば無形資産を一括償却するのではなく、一定期間にわたる償却を行う(当時はIFRSはなく減損テストという概念はない)が、CCCは損失として計上した。この会計処理を行なった理由は不明だが、赤字による税効果を期待したと推定される。

当時の業界内では、楽天は一括償却のテクニックを利用しており、会計業界では問題となっていた。そして、CCC(増田氏)と楽天(三木谷氏)は創業者が旧知の間柄であることから、CCCは楽天に倣った可能性もある。

CCCと楽天による無形資産の一括償却について、2006年に企業会計基準委員会(ASBJ)は異議を表明。ASBJは、無形固定資産の一括償却に対して否定的な見解を表明し、新会計基準「企業結合会計基準」では「のれんの一括償却」は禁止された。

2007
2月

T会員数が2000万名を突破

2009
3月

夢の街創造委員会へ出資

2010
8月

富士山マガジンサービスへ出資

2010
7月

Tポイントでヤフージャパンと提携

Yahooとポイントで協業

2010年にCCCはTポイントにおいて、Yahooジャパンおよびソフトバンクを加盟店として獲得した。2015年までにTポイントを運営する子会社「Tポイントジャパン」の出資比率を、CCC(約50%)、ヤフージャパンおよびソフトバンク(約35%)、ファミリーマート(約15%)とすることで、Tポイントの利用促進を図った。ヤフーショッピングでもTポイントを利用できるようになり、インターネット通販でもTポイントが大量に発行される契機となった。

カードを重視してスマホシフトに失敗

提携後からシステムの統合では利害対立が発生した。2012年にYahooでのポイントと、CCCのポイントを統合する方向で動いていたものの、システムの要件をめぐって両社で意見不一致が噴出。増田宗昭氏(CCC・創業者)と孫正義氏(ヤフージャパン・会長)のトップ会談によって事態を収束させるなど、微妙な提携関係となった。

加えて、2012年の時点で増田宗昭氏は、Tポイントの強みについて「1枚のカードで利用できる点」にあると判断し、スマホアプリの活用に関して出遅れた。

証言
増田宗昭氏(CCC創業者)

企業は投資負担を減らし、相互送客できる。お客さんは1枚のカードで済むようになる。ポイントの還元率が低くても、1枚のカードを多くの店で使えれば、自然にポイントは貯まっていく。Tポイントの価値はそこにある

2013年9月7日号『週刊東洋経済』
2011
7月

MBOにより上場廃止

2000年代を通じて、CCCは本業のビデオレンタル事業は頭打ちとなり、新事業ではTポイントは収益を生む形となったものの、インターネット事業の立ち上げに失敗した。この結果、CCCの業績は悪化するとともに、株価は低迷した。

経営改革のために、2011年に増田宗昭氏は、MBOによって非上場化することでCCCの経営再建を行うことを決定した。バリュエーションに関しては、増田氏が保有する株式41%を除く、残りの59%の株式を約696億円を買い付ける方針とした。すなわち、MBO実行時における時価総額は1179億円となった。

なお、MBOに必要な資金については、金融機関からの借入によって実施したため、MBO後のCCCには無形資産が計上される形になった。

2011
12月

代官山T-SITEを開業

2010年代を通じて、Amazon(Prime)、Youtube、Netflix、AbemaTVなどの動画配信サービスが急成長を遂げて、動画を視聴する際に「DVDをレンタルする」ことは消費者のニーズにそぐわなくなった。特に、動画配信におけるNetflixの台頭は著しく、2015年に日本市場に参入すると、DVDのレンタルの市場は縮小した。

この趨勢に対して、CCCはインターネットを活用した事業展開を諦めた。2012年にはグループ会社だったIMJをMBOの実施に伴い売却している。その代わりに、2011年に「蔦屋書店」を東京代官山に開業し、書店として事業を再生することを目論んだ。

増田氏はネットにおいて代替されないサービスを志向。CCCは地方のFC加盟店に対しても、CDやDVDではなく書籍の取り扱いを増大させることを推奨し、レンタルビジネスから書籍の売り切りビジネスの転換を試みた。

証言
増田宗昭氏(CCC創業者)

直感としてあったのは、アマゾンみたいなインターネットサービスはこれからもっと普及する。コンテンツのデジタル化も爆速で広がるということ。だからひとつ、決めたんだよ。CCCはネットサービスに置き換わるようなことは基本的にやらない。企画会社としてリアルでしかできないことを掘り起こそう。加盟企業さんのためにね。

蔦屋書店についてはよく、「こんなに喫茶店でタダ読みできたら、本が売れないでしょう」と言われる。けれど、それが売れているのよ。代官山の本は坪月商30万円だよ?こんな本屋、なかなかない。

2015年10月31日号『週刊東洋経済』
週刊東洋経済, 2015/10/31
2013
4月

地方自治体から運営受託

2013年
4月
佐賀県武雄市から施設運営を受託
2022年
4月
熊本県宇城市から施設運営を受託
2022年
8月
福岡県福岡市から施設運営を受託
2014
11月

Tマネーの開始

2016
5月

枚方T-SITEを開業

2017
10月

TSUTAYAプレミアムの開始

定額サービスとして「TSUTAYAプレミアム」のサービス提供を開始

2020

Tポイントの加盟店離脱が加速

2022

増田宗禄氏がCFOに就任

2024
4月

SMBCと提携・Vポイントを開始

2025 (c) Yutaka Sugiura, Author
売上
CCC:売上高
■単体 | ■連結 (単位:億円)
528億円
売上高:2024/3
利益
CCC:売上高_当期純利益率
○単体 | ○連結 (単位:%)
43.1%
利益率:2024/3
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