ロート製薬の直近の動向と展望

/

ロート製薬の直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望をまとめたページです。

セグメント構成や中期的な論点を、現経営陣の発信と有価証券報告書の記述をもとに整理しています。

直近の動向と展望

東南アジア生産投資と「健康の総合企業」への転換

2010年前後からロート製薬は東南アジアへの生産投資を積極化した。販売拠点の拡張にとどまらず、需要地に近い場所に製造拠点を設けることで輸送コストと為替リスクを抑え、各国の規制や消費者の嗜好に即した製品開発を速める体制を組んだ。販売だけでなく生産までを需要地に寄せる方針は、アジア事業を為替変動に左右されにくい構造に組み替える狙いを伴った。1991年の中国合弁に始まったアジア戦略が、販売網の拡張段階から現地生産の段階へと質を変えた時期にあたる。山田邦雄は経営改革を進める過程で「人材の可能性を引き出すのは経営の責務」(日経ビジネス 2018/12/27)と語り、同族経営下でも社員の自発性を引き出す仕組みづくりを経営の中心課題に据えた。

国内では2016年に社外チャレンジワーク制度を導入し、上場企業として異例の早さで社員の副業を容認した。2018年には吉野俊昭社長が急逝し、山田邦雄が会長兼社長に復帰した。2019年6月、武田薬品子会社出身の杉本雅史が同社初の社外出身社長として就任し、「健康の総合企業に」(日本経済新聞 2019/07/30)という方針を掲げた。2022年3月期には国内とアジアでの販売促進費の抑制によって3期連続で利益率を改善し、広告費を積み増す高投資型から収益性重視への経営転換を進めた。創業から125年を超え、山田家5代にわたる同族経営のもと、医薬品とスキンケアを主軸とする総合ヘルスケア企業の事業構造が形成されている。胃腸薬・目薬・メンソレータム・スキンケアと収益源を継ぎ足しながら、産業全体の成熟期に合わせて収益モデルそのものを作り替えた経路である。

参考文献
  • 有価証券報告書
  • 日経ビジネス 2018/12/27
  • 日本経済新聞 2019/7/30

参考文献・出所

有価証券報告書
日経ビジネス
財界
週刊日本経済
ロート製薬 公式IR 株主通信
日経ビジネス 2018/12/27
日本経済新聞 2019/07/30
日本経済新聞