ELasticの歴史は、2000年にShay Banonが個人開発を通じて検索基盤(全文検索)に関するオープンソースを公開したこと始まる。開発者のBanonの妻が料理学校に通っており、膨大なレシピを検索するために、個人開発を進めたのがきっかけであった。このオープンソース開発を通じて、Elasticsearchがリリースされた。
このように、Elastic社がオープンソースでの開発から誕生した企業であるという経緯から、現在もコードの透明性に気を使う会社でもある。経営方針として「Increase product adoption by improving ease of use and growing our open source community.」をミッションに掲げており、ソフトウェアの改善改良と、エンジニアコミュニティーの形成を重視する会社としても知られる。
Elasticsearchが顧客である開発エンジニアから支持されたことを受けて、2012年にElasticsearch Inc (現Elastic)をオランダにて設立した。オランダに本社を設置した理由は、2010年前後において、法人税率が安価であったためである。のちに、米国カリフォルニアとの2拠点制となった。
従来のElasticsearchの利用にはオンプレを前提としていたが、2015年にElasticはAWSにElasticsearchの機能を追加し、AWSの1つのサービスとしての展開を開始した。
これによって、ElasticsearchはAWSでも手軽に利用できるサービスとなり、顧客であるエンジニアからの支持を集めた。
サイト内検索サービスを手がけるSwiftype(2012年設立・創業者はQuin Hoxie氏)を買収。Swiftypeは、顧客サイトにJavascriptを埋め込むことで、検索結果を編集できるダッシュボードを提供し、顧客が検索結果をコントロールできるサービスを提供した。検索とコンバージョンがクリティカルな関係にあるEC企業を中心に導入された。Elasticとしては、BtoB向けの製品を強化するために買収を決定した。
AWSを中心としたクラウドの普及と、web業界における検索基盤のニーズの拡大によってElasticは業容を拡大。2018年までに5500の顧客を抱え、UberやSprintといった企業もElasticの顧客となった。
業容の拡大を受けて、2018年にElasticはニューヨーク証券取引所に株式上場を果たす。