1973年
ヤマダ電化サービスを創業

日本ビクターの前橋工場に勤務していた山田昇は、電気製品の販売を行うために独立開業を決め、群馬県前橋市に街の電気屋としてヤマダ電機サービスを開業した。創業当時の店舗面積はわずか8坪で、山田夫婦による経営だったが、開業時から「創造と挑戦」というスローガンを掲げており、事業意欲の強い街の電気屋であった。

1983年
株式会社ヤマダ電機を設立

チェーンの本格展開を開始するために株式会社化によりヤマダ電機を設立。前橋南店を新設して、群馬県を中心としたチェーン展開を開始。

証言
山田昇(ヤマダ電機創業者)の発言

系列メーカーだけでなく、他メーカーの製品も扱う混売店に以降する過程で、系列メーカーから全ての面において排除されるようになりました。そのメーカーはトップメーカーでしたらから、ほかのメーカーもその施策に追随します。つい最近までずっとそれが続いてきました。ですから常に仕入れ条件は悪いと言ったハンディを前提とした経営を試行せざるを得なかった。事業展開する際も、常に先を見ていかなければならなかったのです。その中で我々がやることは、すべてがメーカーにとってはマイナスになるんです。例えば、自前の物流センターは大きな改革でしたが、これをやると今までのメーカーの仕組みを全部否定することになります。だから、メーカーは絶対に賛成するはずはない。しかし、うちはそれをやり遂げないと、逆に生きていけない。それでやれるメーカーからやっていこうということで、事実を積み上げながら今の仕組みになっているのです。

2000/12日経情報ストラテジー「トップインタビュー・山田昇氏」
1984年
群馬県朝倉町に物流センターを新設

群馬県における配送効率を高めるために、群馬県朝倉町に物流センターを新設。以後、ヤマダ電機は物流センターを中心として、北関東(群馬・高崎・茨城)の郊外ロードサイドに店舗展開することにより業容を拡大する

1989年
株式を店頭登録

上々準備のために、株式を店頭登録

1992年
日本政府が大店法を改正

日本政府は小売業における規制緩和を行う方針を決め、従来の大店法で定められた最大店舗面積の制限を緩和。大店法の改正によって、日本でもショッピングセンターなどの大型店舗が運営できる時代に突入した。

1992年
九州地区に1号店を進出。以後、全国展開を積極化

大店法の改正を受けて、ヤマダ電機は積極的な全国展開を決断。全国の地方都市における郊外ロードサイドに「大規模な量販店」を相次いで新設することによって、従来の量販店業界のトップ企業であった第一家庭電機の追い落としにかかる。第一弾として、ヤマダ電機は九州地区の宮崎県に進出し、全国展開を本格化させる

1995年
東北地区に進出(仙台市泉区)

ヤマダ電機は東北地区に進出するため、仙台市泉区に「テックランド仙台泉店」を開業

1997年
中京地区に進出(愛知県日進市)

ヤマダ電機は愛知・名古屋地区に進出するため、愛知県日進市に「テックランド日進店」を開業

1997年
近畿地区に進出(兵庫県姫路)

ヤマダ電機は近畿地区に進出するため、兵庫県姫路市に「テックランド姫路店」を開業

2005年
売上高1兆円突破

1990年代を通じてヤマダ電機は全国のロードサイドに大量出店することで業容を拡大し、2005年に売上高1兆円を突破。家電量販店業界のみならず専門量販店では歴史上初めてとなる売上高1兆円越えを記録した。

2010年
売上高2兆円突破

2000年代を通じてエコポイントや、地デジ化といった大型テレビへの買い替え需要が高まり、プラズマテレビや液晶テレビ販売における特需的な状況が生じた。この結果、家電量販店業界の業績は向上し、2010年にヤマダ電機は売上高2兆円を突破する。

2011年
エスバイエルを子会社化(スマートハウス)

スマートハウス事業を強化するために、エスバイエルを74億円で子会社化する方針を発表

2012年
2期連続減収。全役員の降格

2011年の時点でヤマダ電機の売上高のうち24%がテレビ関連であったが、液晶テレビ特需が終焉するとヤマダ電機の業績は伸び悩みに転じた。この結果、2012年3期に売上高1.8兆円、2013年3期には売上高1.7兆という2期連続の減収となり、当時のヤマダ電機の全役員が降格処分となった。

2013年
創業者・山田昇が社長復帰

減収決算を受けて、2013年に山田昇(ヤマダ電機創業者)がヤマダ電機の社長に復帰。2016年まで社長を務め、2016年以降は再び代表取締役会長に就任した

2015年
大量閉店へ

年間新規出店数15に対して、60店舗の閉店を決定。不採算店舗の見直しを本格化

2019年
2期連続の減益

ヤマダ電機の競合である「ビックカメラ」や「ヨドバシカメラ」は都心部に大型店を展開して訪日需要を獲得して業績を伸ばす一方、郊外路面店を中心とするヤマダ電機は家電量販店として苦戦を強いられた。ECではアマゾンなどが台頭し、顧客にとってヤマダ電機の魅力が低下したため、2018年と2019年の2期連続の減益決算(経常利益)となった。

転載禁止・スクリーンショット不可