コナミグループの直近の動向と展望
コナミグループの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望をまとめたページです。
セグメント構成や中期的な論点を、現経営陣の発信と有価証券報告書の記述をもとに整理しています。
直近の動向と展望
1タイトル3領域 ── 「遊戯王」が示すIP多面収益化
東尾公彦社長のもとでコナミはeスポーツを重点領域に据えている。esports銀座studioでの大会開催やeBASEBALLプロリーグの運営により、自社タイトルをeスポーツの文脈で使うモデルを組み立てている。「遊戯王」はカードゲーム・デジタルゲーム・eスポーツ大会の3領域で収益を生むシリーズへ育ち、1つのタイトルあたりの収益化手段が複線にわたることがコナミの競争力の源泉となっている。ゲーム以外のメディアミックスも含めてタイトルとの接点を増やす方向が続いており、既存シリーズの認知度を活かした横展開が今後の収益拡大の軸となる見通しで、新規IPへの依存を抑える布陣となる。
「eFootball」はFree to Playモデルで世界向けにサービスを提供し、「メタルギアソリッド」シリーズのリメイクも進行中である。家庭用ゲームの大型タイトルとモバイルゲームの運用収益を組み合わせ、単年のヒットに頼らない安定した収益構造を目指している。コナミクリエイティブフロント東京ベイが稼働すれば開発体制はさらに厚くなり、新規タイトルの創出と既存シリーズの横展開の両面で制作能力が試される段に入る。銀座・有明・大阪の3拠点が揃うことで開発の並行性と多様性が高まり、複数の大型タイトルを同時に進めつつ市場の変化に即応できる布陣が整いつつある。
- 有価証券報告書
- 日本経済新聞 2020年
4事業のバランスと今後の成長の方向性
FY24の事業別構成は、デジタルエンタテインメントが売上高の59%・事業利益の87%を占め、利益の集中度が高まっている。ゲーミング&システム事業は売上高396億円・事業利益62億円と北米カジノ市場の回復のもと安定した貢献が見込まれる。スポーツ事業は売上高473億円・事業利益23億円とコロナ禍からの黒字転換を遂げたが、利益率の改善が中長期の課題として残る。アミューズメント事業は売上高249億円・事業利益51億円で、eスポーツとの組み合わせによる施設価値の引き上げが新たな成長の鍵を握る。デジタルエンタテインメントへの利益集中が一段と進むなかで、他の3事業がどのような役割を果たすかがグループ経営の焦点となっている。
上月景正が1969年に大阪で修理業を始めてから50年超、コナミはアーケード、家庭用、モバイルとプラットフォームの変化を乗り越えるたびに知的財産を軸として事業を組み替えた。自己資本4818億円、有利子負債598億円という財務基盤のもと、開発拠点の拡充とタイトルへの投資を続ける体力を備えている。銀座・有明・大阪の3拠点が整い、デジタルエンタテインメントを中核に、ゲーミングとスポーツとアミューズメントの4事業で収益を分散させる布陣となった。次の変化がどのプラットフォームで起きるにせよ、半世紀をかけて蓄えた知的財産とそれを複数の事業で収益化する仕組みがコナミの適応力の基盤である。
- 有価証券報告書
- 日本経済新聞 2020年