1991
5月

株式会社ボイスメディアを設立

1991年に株式会社ボイスメディア(現GMOインターネットグループ)を設立。創業者は熊谷正寿氏(当時28歳)であった。

熊谷社長は、創業時から株式上場を目標としており「35歳で上場する」ことを目標に据えた。このため、ビジネスは上場のための手段であり、GMOがコングロマリットを形成する原点となった。

事業としては、ダイヤルキューを活用した音声通信サービスの提供を開始した。当初の用途は電話会議を照準としたが、実際には「公の風紀を乱す用途」でも使用された。このため、GMOの創業期のビジネスについては、詳細が語られることは少ない。

この結果、ダイヤルキューによる事業展開の中止を決定。1996年時点のGMOの従業員数は1名であり、企業としての発展は限定的であった。

証言
熊谷正寿氏(GMOインターネット・創業者)

1991年5月、28歳で私はGMOインターネットの前身となる会社、ボイスメディアを創業します。いよいよ夢の実現に向けた、第一歩のスタートです。事業内容は、電話とパソコンの技術を組み合わせた、電話会議装置の開発でした。最初は話題となり儲かったのですが、この事業の先行きは明るくないと判断。撤退を決断しました。

1995
12月

インターネット関連サービスの提供を開始

ダイヤルキューのサービス提供から撤退し、将来性が期待されつつあったインターネットに着眼。GMOはインターネットの黎明期において「プロバイダー事業(interQ)・レンタルサーバーおよびドメイン登録事業(お名前.com)」に参入した。

いずれも月額利用額が必要な定額ビジネスであり、GMOはwebページを制作および公開したい顧客(個人・法人)に販売することで、経営を安定化させた。競合も存在したが、GMOがシェアを確保できた理由は、プロバイター事業においては「契約からネット設置に至る時間の短縮化」、ドメイン事業においては「月額単価を競合比較で安く設定」した点であり、後発の不利を挽回すべく差別化を図った。

ただし、GMOは解約導線を難解にしており(意図は不明)、この点は解約率の低下に寄与しているものと推定される。

1995年
12月
アクセス事業を開始
1997年
11月
サーバー事業を開始
1999年
9月
ドメイン事業を開始
証言
熊谷正寿氏(GMOインターネット・創業者)

インターネットの存在を知った私は、これまでの情報発信の常識がガラリと変わる、ものすごい産業になっていくと直感。同時に、一ユーザーとして「この回線を通して世界とつながることができるんだ」とすごく感動したんです。この素晴らしいメディアを、ひとりでも多くの方々に体験していただきたいと、インターネット・プロバイダー事業への進出を決断します。

1995年11月
インターキュー株式会社に商号変更
1997年11月
東京都渋谷区桜丘町に本社移転
1999年8月
ジャスダック市場に株式上場

1999年8月にジャスダック市場に株式を上場。インターネットバブルによってネット企業が注目を集めており、GMOにとって追い風となった。

ただし、上場時点における熊谷氏は36歳であり、創業時に掲げていた「35歳での上場」は未達となった。

2005年
6月
東証1部に株式上場
決算
GMOインターネットグループの業績
1999年12月期(単体)
売上高
37
億円
当期純利益
3.29
億円
2000年
連結子会社「まぐクリック」がヘラクレス市場に株式上場

インターネット広告(メール配信)を手がける連結子会社「まぐクリック」が株式を上場した。以後、GMOは子会社の株式上場を企業成長の手段として活用へ

決算
GMOインターネットグループの業績
2000年12月期(連結)
売上高
80
億円
当期純利益
12
億円
営業CF
-3.4
億円
投資CF
-20.4
億円
財務CF
57
億円
2001年4月
グローバルメディアオンライン株式会社に商号変更

2000年12月時点でGMOは従業員数138名となり、100名を特化したことを受けて組織体制の整備を実施した。

2001年に商号をインターキューから「グローバルメディアオンライン」に変更し、事業面においてはインターネット関連事業を手がける方針を打ち出した。

組織文化の面では「スピリットベンチャー宣言」を策定し、会議などの場で全員が唱和する風土が形成された。

これらの組織改編によって、熊谷社長としては「2001年以降、当社の組織力は一気に強まったと思っています」と述べる一方、インターネット業界におけるGMOは「特異な会社」というイメージが普及する要因となった。

2001年
「スピリットベンチャー宣言」を策定
証言
熊谷正寿氏(GMOインターネット・創業者)

2001年からは、GMOインターネッ トグループに関わるスタッフに一番大切にしてほしい「考え方」を記した、「スピリットベンチャー宣言」をつくり、グループ全社で共有しています。これは、 グループビジョン、哲学、行動原則などをA4の用紙3枚くらいに書き込んだものです。毎年、「これも入れよう、あれも必要だ」と、スタッフのアイデアも取 り入れた改訂版を発表しているので、どんどん長くなっているんですよ(笑)。これを社内の会議などあらゆる機会に、そこにいる全員が唱和するのです。10 分くらいかかりますが、2001年以降、当社の組織力は一気に強まったと思っています

決算
GMOインターネットグループの業績
2001年12月期(連結)
売上高
92
億円
当期純利益
-1.1
億円
営業CF
-1.6
億円
投資CF
-16.3
億円
財務CF
3.1
億円
2004年2月
東証2部に株式上場
2004年3月
ネット関連企業の買収を通じて多角化
2004年
3月
paperboy&co.(現GMOペパボ)を買収
2005年
2月
カードコマースサービスを買収(現GMOペイメントゲートウェイ)
2005年
10月
GMOインターネット証券を設立
2005年6月
商号をGMOインターネット株式会社に変更
2005年6月
オリエント信販を買収(貸金・クレジットに参入)

クレジットカードおよびローン事業に参入するためにオリエント信販を買収。買収価格は270億円であり、推定PERは24.5倍。FY2005におけるオリエント信販は「売上高93億円・経常利益20億円・当期純利益11億円」の高収益企業であった。

ただし、同社は水面下では貸金業法におけるグレーゾーン金利問題を抱えていた。

決算
GMOインターネットグループの業績
2005年12月期(連結)
売上高
372
億円
当期純利益
33
億円
営業CF
-1.5
億円
投資CF
-227.3
億円
財務CF
35
億円
2006年3月
買収防衛策を採用
2006年12月
金融事業で失敗。2期連続の最終赤字に転落

日本国内でグレーゾーン金利の違法性が認識されると、子会社であるオリエント信販は顧客に対する返金に対応するため、巨額の引当金の計上を決定。

GMOは、FY2006に利息返還損失関連費用として82億円、FY2007に貸倒引当金繰入として56億円を、それぞれ損失として計上した。また、事業が立ち行かなくなたため、金融事業からの撤退を決め、減損損失を47億円(FY2006)および同59億円を計上した。

この結果、FY2006からFY2007にかけて、特別損失を累計284億円を計上した。GMOの自己資本比率は6%台へと低迷し、債務超過寸前の危険水準に至った。

決算
GMOインターネットグループの業績
2006年12月期(連結)
売上高
508
億円
当期純利益
-120.9
億円
営業CF
45
億円
投資CF
-34
億円
財務CF
80
億円
2016年5月
あおぞら銀行・あおぞら信託銀行と提携
2017年12月
暗号資産マイニング事業に新規参入
2021年9月
ワイジェイFXを買収
2022年9月
GMOインターネットグループに商号変更