三菱為替店の倉庫施設を譲受する形で、東京倉庫会社(1918年3月に三菱倉庫株式会社に商号変更)を設立した。創業地は東京深川小松町であり、運河物流が集積する地区において倉庫業務(荷物の保管など)に従事した。
貿易港である神戸に本格進出するため、1902年に日本貿易倉庫を買収して「保税倉庫・通関業務」に参入。国際貿易港であった神戸で倉庫業務を開始した。
日本綿花同業会と提携し、神戸港における綿花荷役の取扱を開始。神戸・和田岬港において「海陸一貫取扱施設」を新設した。
終戦による財閥解体を受けて、三菱本社は三菱倉庫の株式を売却。持株会社整理委員会によって株式が保有され、1949年に三菱倉庫が株式上場したことで三菱財閥から資本面において独立した。
横浜駅東口から徒歩3分の三菱倉庫保有地について再開発を決定。投資予定額は合計400億円で「商業施設・オフィス・マンション」の複合的な開発を実施した。
なお、高層オフィスは横浜ダイヤビル、超高層分譲マンショはナビューレ横浜タワーレジデンス、商業施は横浜ベイクォーターをそれぞれ新設した。
3PLおよび半導体・電子・精密における物流事業を強化するために、富士物流を買収。富士物流は富士電機の物流部門として発足したが、物流部門を非注力事業としたため三菱倉庫への売却を決定した。
買収直前の2010年3月時点の大株主は、富士電機HD(27%)・豊田自動織機(26%)・富士通(5%)であり、富士電機および富士通とは取引関係があると推察され、半導体や電機などの取り扱いに特色があった。
三菱倉庫は老朽化していた「江戸橋倉庫ビル」の建て替えを決定。2007年に江戸川倉庫ビルは「東京都選定歴史的建造物」に指定されていたため、旧来の建築を生かして、ビルを新設する方針とした。このため、外壁の7割と躯体の4割を残し、その内部で高層ビルの新設を行う特殊な工事を実施した。
なお、東京日本橋(最寄りはメトロ日本橋駅)であり、立地条件に恵まれた場所に存在した。このため、地下1階・地上18階建てのオフィスビルとして新設し、不動産事業による「オフィス賃料収入」の確保を狙った。
2014年に三菱倉庫は「日本橋ダイヤビルディング」を竣工。建設による投資額は138億円であった。
名鉄と三菱倉庫の共同で、名古屋駅前に「名駅ダイヤメイテツビル」を竣工
三菱倉庫が保有する名古屋駅前の土地(名古屋市中村区名駅3-616)について、2020年7月にJR東海に売却を決定。リニア中央新幹線計画の推進に協力する姿勢を示し、保有地の売却を決定した。2021年3月期に三菱倉庫は売却による譲渡益として366億円を計上した。