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歴史概要 — 現在に至るあゆみ 主要な意思決定と帰結のまとめ

創業地神奈川県相模原市
創業年1990
上場年2018
創業者坂本孝
現代表-
従業員数1,838

商法・モデル革新で差別化独立系・個人創業1990年5月、坂本孝氏が相模原に第1号店を開いた。当時の古書店は、初版や装丁の状態を目利きが鑑定して1冊ずつ値付けする業態で、買取も販売も経験を積んだ専門家しか担えない閉じた市場だった。坂本氏はその鑑定文化を捨て、定価の10%で買い取り50%で売る、磨き直して新刊同様に整える、売れ残りは百円棚で回す、という3つの原則だけで運営した。中身ではなく汚れ具合で値を決める方式にしたことで、アルバイトでも査定でき、1991年に始めたフランチャイズ展開で全国へ複製していった。

多角化・事業拡張技術・ブランドによる差別化/多角化誰でも査定できる買取の仕組みを、本以外の商材へ次々と広げた。1994年に中古CD・ビデオ、2000年前後には衣料やホビーまで取扱品目を増やし、本・CD・衣料を1店舗に集めた複合店も開いた。定価があり磨き直せる商品ならすべて対象にする発想は、2004年の東証二部上場へつながった。一方で2007年に坂本創業者がリベート受領問題で退任し、その後の新刊書店事業は赤字で撤退が続いた。中古を核とする総合リユースという拡張路線は、商材を広げるほど不採算店の整理も抱える構造になっていった。

ブックオフグループホールディングス:売上高の内訳と営業利益率(PL 分解 × 営業利益率)
営業利益(億円)販管費(億円)売上原価(億円)営業利益率(%)
歴代社長
FY01
FY03
FY05
FY07
FY09
FY11
FY13
FY15
FY17
FY19
FY21
FY23
FY25
FY27
FY29
堀内康隆
代表取締役社長
歴代社長
FY18
FY19
FY20
FY21
FY22
FY23
FY24
堀内康隆
代表取締役社長
ブックオフグループホールディングス:投資CF(M&A・設備投資ほか/事業施策と紐付き)
投資CF(億円)
カザフスタン共和国で合弁会社J&K TRADINGを設立2024
ブックオフグループHDを単独株式移転で設立2018

歴史詳細 - 3つの時代区分で読み解く

1990年〜2007年 中古本のチェーン化と東証一部上場

売上高と利益率の推移
売上高(億円

古書店業界の慣行を破った「素人でも買い取れる」買取モデル

1990年5月、坂本孝氏が神奈川県相模原市に第1号店「BOOKOFF相模原・古淵店」を開業した[1][2]。当時の古書店業界は、書籍の希少性・初版・装丁の状態などを目利きが鑑定し、1冊ごとに値付けする業態が主流で、買取・販売とも経験を積んだ専門家が担う閉じた市場だった。坂本氏は古書業界の鑑定文化を破り、「定価の10%で買い取り、定価の50%で売る」「磨き直して新刊同様の見た目に整える」「百円均一棚で滞留在庫を回転させる」という3つの原則だけで運営する業態を作った[3]。書籍の中身ではなく汚れ具合で値付けする方式により、アルバイトでも買取査定ができる仕組みを実現した。

1991年8月、中古本の仕入・販売を目的として相模原市に㈱ザ・アール(資本金10百万円)を設立し[5]、同年10月から「BOOKOFF」の全国フランチャイズチェーン展開を開始した[4][6]。チェーン展開の速度は1990年代の小売業界としては突出した水準で、フランチャイズ加盟希望者に対して買取マニュアル・店舗運営マニュアル・POSシステム・物流網を一括提供する仕組みが整備された。1992年6月には商号をブックオフコーポレーション㈱に変更した[7]。フランチャイズ展開と直営店展開を並走させ、店舗数は1990年代後半に全国800店舗超まで拡大した[8]

取扱商材の拡張とITバブル期の急成長

1994年10月、中古CD(コンパクトディスク)・中古ビデオの仕入・販売を開始した[9]。書籍に限らず「定価のあるパッケージ商品で、磨き直しで再販可能なもの」を対象とする業態拡張は、1990年代後半のCDレンタル市場縮小と中古ソフト市場拡大の波に乗った判断だった。1997年7月、形式上の存続会社であるブックオフコーポレーション㈱(旧㈱橘屋)と合併し、1990年代の急拡大期にあわせて法人構造を整理した[10]。1999年4月には中古子供用品の取扱いを開始し、[11]10月にはアメリカ合衆国での「BOOKOFF」店舗運営を行うBOOKOFF U.S.A. INC.を設立して海外進出を果たした[12]

2000年1月に中古スポーツ用品、4月に中古衣料・中古アクセサリー等へ取扱品目を拡大し、[13][14]12月には複合店「BOOKOFF中古劇場多摩永山」(現「BOOKOFF SUPER BAZAAR 多摩永山」)をオープンした[15]。本・CD・ビデオ・子供用品・スポーツ用品・衣料を1店舗で扱う複合店は、それまでの書籍特化型店舗とは異なる業態として位置付けられた。2002年2月には商品・備品の供給及び保管管理を行うブックオフ物流㈱(2014年4月にブックオフコーポレーションに吸収合併)を設立し、[16]全国チェーンを支える物流網を整備した。本社・FC・直営の三者間で在庫を融通する仕組みが、店舗数の拡大と取扱品目の多様化を支えた。

2004年東証二部上場と2007年坂本創業者退任

2004年3月、ブックオフコーポレーションは東京証券取引所市場第二部に株式を上場した[17]。1990年の1号店開業から14年目、フランチャイズ展開開始から13年目での上場である。2005年3月には東証市場第一部に指定替えとなり、リユース業界初の一部上場企業となった[18]。上場時の連結売上高は500億円超で、フランチャイズ店舗運営による加盟料・ロイヤリティ収入と直営店売上が業績の二本柱を形成していた[19]。同時期、創業期からパート社員として現場を支えてきた橋本真由美氏が2006年6月から社長COOに就任し、坂本創業者がCEOを担う併任体制が組まれた[20]

2007年4月、プラモデル・フィギュア等の中古ホビー商材の取扱いを開始し、[21]8月には子会社ブックオフオンライン㈱がインターネット上のリユースショップ「BOOKOFF Online」運営を開始した[22]。実店舗とECサイトの並走は、買取・販売の両面で顧客接点を多層化する施策だった。一方、同年6月、坂本創業者は会長辞任後に退任した。背景には複数の取引先からのリベート受領問題があり、創業者の退任でガバナンス上の幕引きを図った[23]。坂本氏は退任後、外食事業「俺のイタリアン」を創業し、別業態でのチェーンビジネスへ転じた[24]

坂本創業者の退任後、マッキンゼー出身で1997年入社の佐藤弘志氏が2007年6月に社長へ就任した[25]。佐藤社長は「中古複合店舗による第二の創業」を掲げ、複合店「BOOKOFF SUPER BAZAAR」展開と新刊事業への進出(2008年11月、洋販ブックサービス㈱より「青山ブックセンター」「流水書房」を運営する新刊事業を譲受)を進めた[26]。中古に新刊を組み合わせる業態拡張は、書籍小売業界の再編期において「リユース総合商社」を目指す方針への転換を意味した。

2008年〜2018年 業態拡張とヤフー提携・持株会社化

売上高と利益率の推移
売上高(億円

LOVE USED ブランドの確立と新刊書店事業の苦戦

2009年11月、「BOOKOFF SUPER BAZAAR」の屋号として初の複合店「BOOKOFF SUPER BAZAAR 鎌倉大船」がオープンした[27]。中古本・CD・ゲーム・衣料・スポーツ用品・ホビー商材を1店舗で扱う1,000坪超の店舗は、それまでの中型店中心の展開とは異なる業態として位置付けられた[28]。2010年10月にはグループの障がい者雇用促進を目的としてビーアシスト㈱を設立し、同年12月に厚生労働省より特例子会社として認定を受けた[29]。社会的雇用責任とリユース業の現場作業を結びつける施策だった。

2011年6月、佐藤社長が退任し、日本興業銀行出身で1995年入社の松下展千氏が4代目社長に就任した[30]。松下社長は「LOVE USED」をブランディングの中核に据え、中古品流通の総合事業者としてのブランド統一を進めた[31]。2011年12月には中古携帯電話の取扱いを開始し、リユース対象を電子機器へも拡張した[32]。2013年1月にはフランチャイズ加盟店である㈱ブックオフウィズの株式を一部譲り受けて子会社化、4月には店舗型ビジネスに限定しないリユース業を運営する㈱ハグオールを設立した(2018年3月ブックオフオンライン㈱に吸収合併)[33]

新刊書店事業の収益貢献は限定的で、2014〜2015年にかけてTSUTAYA事業(31店舗)の日本出版販売への譲渡、直営20店舗を含む22店舗の閉鎖・撤退といった事業整理が続いた。FY14(2015年3月期)の決算で直営20店舗を含む22店舗を当期閉鎖し撤退損失を計上、FY15で来期も6店舗追加閉鎖を予告するなど、不採算店舗の整理を継続的に実施した[34]。販売促進手法・セールやサービス券のあり方を抜本見直しし、個店販促から全体販促への切替を進めたが、利益率の改善には時間を要した。

2014年ヤフー資本提携と純粋持株会社化

2014年4月、ヤフー㈱との資本業務提携契約を締結した。ヤフーは第三者割当による新株式・転換社債型新株予約権付社債を引き受け、ブックオフはヤフーのリユース・C2Cプラットフォーム(ヤフオク・ヤフーショッピング)との連携を模索した[35]。提携の狙いは、実店舗で買い取った商品をオンラインに流す逆方向のリユースを含む、店舗・EC統合型のリユースビジネスを構築することにあった。2015年5月にはフランチャイズ加盟店㈱ブックレットの全株式を譲り受けて子会社化し、国内での「BOOKOFF」店舗運営を目的として㈱ブックオフ沖縄を設立した[36]

2016年1月、国内ブックレビューコミュニティサイト運営の㈱ブクログの全株式を譲り受けて子会社化し、[37]7月にはマレーシアでのリユース店舗運営を目的とした㈱コイケとKOIKE MALAYSIA SDN.BHD.との3社で締結された株主間契約に基づき、KOIKE MALAYSIA SDN.BHD.が設立したBOK MARKETING SDN.BHD.に出資して子会社化した[38]。11月にはマレーシアで子会社BOK MARKETING SDN.BHD.がリユース店舗Jalan Jalan Japan OneCity店を運営開始し、海外展開はアジア市場へ拡張した[39]。2017年4月にはフランチャイズ加盟店㈱マナスの全株式を譲り受けて子会社化し、フランチャイズ網の本部直営化を継続した[40]

2017年4月、松下社長は退任し、堀内康隆氏が社長に昇格した[41]。堀内社長就任初年度のFY17は、減損損失と繰延税金資産取り崩しに伴う法人税等調整額計上で2期連続最終赤字となった[42]。堀内社長は方針として、ハグオール事業の抜本改革・買取チャネルの選択と集中・物流センター縮小・不採算店舗撤退の4本柱を提示した。FY18(2019年3月期)にはハグオール事業の抜本的改革を中期経営方針の柱に据え、ブックオフオンライン事業との物流統合を進行、リユース店舗事業で直営12店舗を撤退し撤退判断基準を明文化した[43]。2018年10月、ブックオフグループホールディングス㈱が単独株式移転によりブックオフコーポレーション㈱の完全親会社として設立された[44]。同時にヤフー㈱との資本業務提携契約を解消し、新株予約権付社債を償還、自己株式取得を実施した。約4年続いたヤフー資本提携は、店舗・EC統合型リユース構想が想定通りには進まなかったことから、堀内社長体制で清算された[45]。ハグオール催事販売「東京古着」撤退や不採算店舗閉鎖を継続し、赤字事業の整理を続けた。

2019年〜2025年 ひとつのBOOKOFF構想と海外事業の本格展開

売上高と利益率の推移
売上高(億円

決算期変更と M&A による事業ポートフォリオの再編

2019年1月、子会社ブックオフコーポレーション㈱が子会社ブックオフオンライン㈱を吸収合併した[46]。9月には㈱ジュエリーアセットマネジャーズ(2022年6月にブックオフコーポレーション㈱に吸収合併)とAidect Hong Kong Limited(2023年4月清算完了)の全株式を取得し、宝飾品リユース事業へ参入した[47]。FY19(2020年3月期)の決算では「ひとつのBOOKOFF」構想を掲げ、店舗・EC間のオムニチャネル化を本格化させ、JAM社(ジャパンマーケットエンタープライズ)株式取得・完全子会社化も実行した[48]

2020年6月、決算期を毎年3月31日から毎年5月31日に変更した。決算期変更の経過期間となる2021年5月期は14ヶ月決算となり、[49]FY20(2021年5月期)の連結売上高は935億円、営業利益19億円、純利益1億円とコロナ禍の影響を受けつつも黒字確保を維持した[50]。決算期変更の狙いは、新生活需要期(4〜5月)に発生する繁忙期の業績を年度内に取り込み、年度跨ぎ案件のずれを最小化することにあった。同時期、緊急事態宣言下の店舗休業と子会社のれん・固定資産減損損失600百万円計上で前年は赤字となったが、中期経営方針内の経常利益30億円目標は維持された[51]

2021年12月、国内でのトレーディングカード専門店「Japan TCG Center」店舗の運営を目的として㈱BOチャンスを設立した[52]。トレーディングカードゲーム(TCG)市場の拡大を捉えた専門業態の立ち上げで、2022年8月にはグループ初のトレーディングカードやゲームソフトなど遊べるアイテムを揃えた専門店「あそビバイオンモール和歌山店」を出店した[53]。2022年4月には東京証券取引所の市場区分見直しにより、市場第一部からプライム市場に移行し、上場企業としての持続的成長要件への対応も継続した[54]

海外多店舗展開とプレミアムサービス事業の整備

2022年10月、グループ初となるカザフスタン共和国での出店(FC加盟店Jalan Jalan Japan Zhetysu Semirechye店)を実現した[55]。マレーシアに続く海外展開で、新興国市場での日本中古品需要を捉える業態を確立した。2023年1月にはECサイト「ハグオールファッション」を機能拡充させ、ブランド商材やファッション・コレクティブ商材を扱うECサイト「rehello(リハロ)」をオープンした[56]。同年8月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明、11月にはグリーンローンフレームワークの策定及びリユースチェーン初となるグリーンローンによる資金調達を実施した[57]

2024年4月、グループ初となるカザフスタン共和国での合弁会社J&K TRADING LLCを設立し、同年7月にカザフスタン共和国で合弁会社J&K TRADING LLCがグループ初となる直営店出店(Jalan Jalan JapanAksai店)を実現した[58]。FC加盟店から直営店への移行で、海外事業のグループ収益への直接寄与を高める段階に入った。FY24(2025年5月期)の連結売上高は1,192億円、営業利益34億円、純利益21億円と、コロナ禍前のFY18(売上808億円・営業利益16億円)の1.5倍水準に達した[59]。海外事業の売上はFY22の40億円からFY24の62億円へ拡大し、プレミアムサービス事業(旧ハグオール・アイデクト系を統合)は売上72億円・営業利益4億円とFY22から微増した[60]

2024年不正発覚と中期経営方針2年目の進捗

2024年8月、子会社運営の複数店舗で従業員による架空買取・在庫不適切計上等の不正の発覚(社内調査の進捗)を公表し、2024年10月15日に特別調査委員会の調査報告書(公表版)を公表した[61]。調査の結果、組織的不正は認められず影響額は限定的との結論となったが、特別調査費用550百万円を計上した[62][63]。堀内社長は中期経営方針2年目として、国内ブックオフ事業の積極出店と海外(米国・JJJマレーシア・カザフスタン合弁)拡大を継続する方針を維持した。同時に2028年5月期を最終年度とする新中期経営方針を策定し、「最高のリユース体験を提供する」を旗印にM&Aによる事業ポートフォリオ変革を経営テーマに据えた[64]

FY25(2025年5月期)も継続して海外12店舗出店計画を提示し、米国BOOKOFF事業・JJJ事業(マレーシア)・カザフスタン合弁会社設立で海外多店舗展開を継続した。同時に3,230百万円の自己株式取得を実施し、期末配当は5円増配の30円を予定するなど、株主還元を強化した[65]。前期発覚の不正事案に関する特別調査費用550百万円が剥落する一方、店舗減損損失は継続した[66]。中期経営方針の経常利益目標を据置きつつ、戦略事業領域のトレカ専門店・生活支援事業の収益化に注力する方針を示した。

ブックオフGの2025年時点の事業構造は、国内ブックオフ事業(売上1,043億円・利益53億円)、プレミアムサービス事業(売上72億円・利益0.4億円)、海外事業(売上62億円・利益7億円)の3軸で構成される[67]。1990年に相模原で「定価10%買取・50%販売」というシンプルな業態から始まったチェーンビジネスは、35年を経て店舗・EC・海外・専門業態を抱える複合型リユース企業へ業態転換した[68]。創業者退任のガバナンス危機(2007年)、ヤフー提携の不発(2014〜2018年)、不正発覚(2024年)といった3度の経営節目を経たうえで、フリマアプリ・C2C市場との競合のなかで「店舗を持つリユース」の優位をどう確立できるかが、堀内社長体制の中期的な論点として残っている。

出典

決算説明会 2015年度
決算説明会 2017年度
流通ニュース 2017年04月10日
決算説明会 2019年度
日経ビジネス 日経BP 2019年02月03日
決算説明会 2020年度
テレビ東京 カンブリア宮殿 2023年03月02日
決算説明会 2024年度
決算説明会 2026年度

API for AI Agents — 静的アセットのJSONで取得可能。API実行の認証不要

Method Path 概要 ブックオフグループホールディングス(証券コード9278)のURL API仕様書
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