SCREEN HDの直近の業績・経営課題と展望

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SCREEN HDの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望

2025/3売上高6,253億円YoY+23.8%
2025/3売上総利益2,353億円YoY+28.9%
2025/3販売費及び一般管理費996億円YoY+12.7%
2025/3営業利益1,357億円YoY+44.1%
2025/3経常利益1,383億円YoY+46.7%
2025/3親会社株主に帰属する当期純利益995億円YoY+40.9%
2025/3自己資本比率62.7%YoY+7.7pt
2025/3有利子負債合計15億円前年比▲550億円
2025/3現金同等物期末残高1,985億円YoY+1.6%
経営トップ廣江敏朗取締役社長
2025/3従業員数6,415前年比+151人
2025/3平均給与1,063万円前年比+38万円
歴史的背景1868年に創業者の石田才次郎氏が京都で銅版印刷の石田旭山印刷所を起こし、1934年に独自開発した蝕刻法を経て1975年にウエハー腐食機で半導体に参入、1994年に電子工業向け売上が印刷を上回り、2022年で洗浄装置のバッチ式48%・枚葉式33%の世界シェアを確保している。
経営課題2026年3月期は中国顧客関連の約200億円規模の案件が今期から来期へ繰延となる(装置自体は出荷済みで会計ルール上のずれ込み)。中国向け売上比率を30%台後半に意図的に抑えており、同社は来期上期スロースタート・下期本格立ち上がりの業績カーブを見込む。
経営方針2025年6月就任の後藤正人社長体制で「現場の声を重視し高収益体質にしていく」を掲げ、来期営業利益率25%確保を明言した。プロダクトミックス悪化や原材料高・地政学リスクへの備えも完了し、好況期に体質を強化する方針を維持する。
主な投資2025年度中にニコンからNyon直描露光機の技術と後工程向け製品ラインを事業譲受し、今期約30億円・上市までに追加50〜60億円を投じる。LeVina直描露光機・LemotiaのPLPコータが後工程事業の主力製品となり、後工程売上は今期2桁億円後半から来期3桁億円台へ拡大する見込みである。

1868年創業以来の精密エッチング技術と、ニコン事業譲受で前工程偏重を補う後工程進出

1868年に創業者の石田才次郎氏が京都で銅版印刷の石田旭山印刷所を起こして以来、2代目の石田敬三氏が20年かけて取り組んだ1934年の蝕刻法独自開発、戦後のソニー共同のシャドーマスク、そして1975年のウエハー腐食機による半導体参入まで、同社は精密エッチング技術で銅版印刷・シャドーマスク・半導体洗浄装置と3度主力市場を交代させてきた。1994年に電子工業向け売上が祖業の印刷を上回って業態転換を完了し、1997年に石田明社長が不況期に断行した300mm対応の先行投資は中堅競合の追随投資を止め、2022年時点で洗浄装置のバッチ式48%・枚葉式33%の世界シェアにつながった。一方で収益基盤は半導体前工程に偏り、後工程装置のラインナップは持たず前工程依存が続いていた。

2025年6月に後藤正人氏が社長に就任し、「現場の声を重視し高収益体質にしていく」を掲げて来期の営業利益率25%確保を明言した。2026年3月期は中国顧客関連の約200億円規模の案件が会計ルール上の理由で今期から来期へ繰延となり、装置自体は出荷済みのまま売上計上のみがずれ込む。AI関連投資が中心の補完案件が下期へスライドしたため、同社は来期上期スロースタート・下期本格立ち上がりを見込む。プロダクトミックス悪化や原材料高、地政学リスクへの備えはすでに完了しており、好況期に体質を強化する方針を維持する。

2025年度中にはニコンからNyon直描露光機の技術と後工程向け製品ラインを事業譲受し、今期約30億円・上市までに追加50〜60億円を戦略投資予算内で計画的に投じる。LeVina直描露光機とLemotiaのPLPコータが後工程事業の主力製品となり、後工程売上は今期の2桁億円後半から来期は3桁億円台へ拡大する見込みである。グラフィックアーツでは北米中心のPOD・リカーリングで関税影響を価格転嫁し、ディスプレー装置はアドバンスドパッケージ等の新規領域へ中心領域を移し、プリント基板関連機器は韓国を中心に受注が戻り通期黒字を見込む。

よって、同社の通史は1868年以来、銅版彫刻からガラスエッチング、シャドーマスク、半導体洗浄装置へと、位置決め・塗布・表面処理の精密エッチング技術を時代ごとに別の市場へ転用した連続である。1997年の不況期投資が前工程の寡占を生んだ反面、その成功体験ゆえに後工程装置の出遅れを併せ持つ。中国向け比率を意図的に30%台後半へ抑えて既存大手ファウンドリーで利益率25%を守りつつ、ニコンから引き受けた直描露光機とPLPコータを後工程の収益柱まで育てられるかが、後藤社長体制の経営フェーズを規定する。同社は前工程の世界寡占を守る守りと、後工程への進出という攻めを同時に走らせる構造転換期に入っている。

SCREEN HDの業績推移直近10ヵ年・有価証券報告書をもとに作成(XBRLよりデータ取得)

項目単位FY152016/3連結 / JGAAPFY162017/3連結 / JGAAPFY172018/3連結 / JGAAPFY182019/3連結 / JGAAPFY192020/3連結 / JGAAPFY202021/3連結 / JGAAPFY212022/3連結 / JGAAPFY222023/3連結 / JGAAPFY232024/3連結 / JGAAPFY242025/3連結 / JGAAP
損益計算書 (PL)
売上高YoY億円2,597+9.3%3,002+15.6%3,394+13.0%3,642+7.3%3,232−11.3%3,203−0.9%4,119+28.6%4,608+11.9%5,049+9.6%6,253+23.8%
SPE(半導体製造装置)億円2,5252,3052,3553,1943,7094,1775,195
GA(グラフィックアーツ機器事業)億円458532481455373433453475529
FT(ディスプレー製造装置および成膜装置事業)億円316381452493352347331258224328
PE(プリント基板関連機器事業)億円89121123101104133167145141
売上原価億円1,7872,0672,2982,6372,4672,3232,7753,0583,2243,900
売上総利益億円8109351,0951,0067668801,3441,5501,8252,353
販管費億円574598668709640635731786884996
営業利益YoY億円236+37.2%337+43.2%427+26.7%296−30.6%126−57.6%245+95.0%613+150.2%765+24.8%942+23.2%1,357+44.1%
SPE(半導体製造装置)億円2581612606287709701,370
GA(グラフィックアーツ機器事業)億円15311114516344343
FT(ディスプレー製造装置および成膜装置事業)億円27444638-2646-18-431
PE(プリント基板関連機器事業)億円8108-3821341911
経常利益YoY億円232+44.0%320+38.1%413+29.1%293−29.2%116−60.3%227+95.3%594+161.6%774+30.2%943+21.8%1,383+46.7%
当期純利益YoY億円188+55.2%242+28.5%285+18.0%181−36.7%50−72.3%152+202.7%455+199.9%575+26.4%706+22.8%995+40.9%
貸借対照表 (BS)
自己資本比率%44.347.546.747.050.054.553.953.354.962.7
有利子負債比率%8.55.03.05.78.72.62.40.00.30.2
キャッシュフロー (CF)
営業CF億円147490289-375118572818739963712
投資CF億円-26-59-112-190-113-62-100-125-435-218
財務CF億円-28-275-11536849-271-50-210-351-465
従業員
連結従業員数5,1825,4225,8356,0996,0745,9825,9435,9876,2646,415
単体従業員数414337314343381410398414497547
平均年収(単体)万円8858959138968568248239241,0251,063

IR資料直近5ヵ年

決算説明会資料

年度経営の振り返り報告資料
FY25中期経営計画「Value Up Further 2026」2年目の進捗を報告。次世代がん診断支援を手がける京ダイアグノスティクス株式取得(子会社化)、自己株式取得(上限400万株)を実施。連結配当性向30%以上方針のもと年間配当308円で過去最高更新。

決算説明会

https://www.screen.co.jp/ir/library/2025
FY24新中期経営計画「Value Up Further 2026」をスタート。10年後の売上高1兆円企業を見据え事業ポートフォリオ・サステナビリティ・人財の3戦略を提示。連結配当性向30%以上を株主還元方針として設定、株式分割(1→2株)後初の通期配当を提示。

決算説明会

https://www.screen.co.jp/ir/library/2024
FY23中計「Value Up 2023」最終年度に向け増配(365円)と中間配当制度導入を発表、株式分割(1→2株)も決議。新工場S3-5着工など設備投資を継続、SPEを軸とする生産体制強化を継続。連結子会社の解散も実施し低収益事業の整理を継続。

決算説明会

https://www.screen.co.jp/ir/library/2023
FY22半導体製造装置の旺盛な需要に対応し新工場S3-4を彦根に増設、中計の経済的価値目標を1年前倒しで達成見込み。子会社の株式譲渡(Agfa-Gevaertへ)と関連サービス事業譲渡を発表、燃料電池部材で三菱商事RtMと提携。配当は322円へ増配。

決算説明会

https://www.screen.co.jp/ir/library/2022
FY21中期経営計画「Value Up 2023」初年度の進捗を報告。連結総還元性向30%以上方針の下で増配を継続、京都企業初のサステナビリティ・リンク・ローン契約を締結。低収益BUの構造改革と新工場S3-3稼働率向上で収益性改善を継続。

決算説明会

https://www.screen.co.jp/ir/library/2021

ファクトシート

年度経営の振り返り報告資料
FY26FY26通期の業績報告。特記すべき構造的トピックなし。

ファクトシート

https://www.screen.co.jp/download_file/b72b9e54-cc8b-4a0f-adf2-1394fc4675e3/439
FY25FY25通期の業績報告。特記すべき構造的トピックなし。

ファクトシート

https://www.screen.co.jp/download_file/b794c3b8-2c3b-466e-ae01-b23d760e9a8d/439
FY24FY24通期の業績報告。特記すべき構造的トピックなし。

ファクトシート

https://www.screen.co.jp/download_file/dd513999-5ad1-4981-8b47-3f348e5a6f0e/439
FY23FY23通期の業績報告。特記すべき構造的トピックなし。

ファクトシート

https://www.screen.co.jp/download_file/67fa1f09-029a-49bf-8adb-71abcab2b6d1/439
FY22FY22通期の業績報告。特記すべき構造的トピックなし。

ファクトシート

https://www.screen.co.jp/download_file/aa563ef7-05fb-4c65-b5a9-b033c1c04764/439

アニュアルレポート / 統合報告書

年度経営の振り返り報告資料
FY26中計「Value Up Further 2026」を中軸に、知的財産戦略・サステナビリティ戦略・人財戦略を加えた中長期成長戦略を体系化。10年後の企業価値向上に向けた成長戦略の取り組みを統合的に提示。

統合報告書

https://www.screen.co.jp/download_file/e9ab7c78-bcc6-4ce2-b248-5d9e10f5f28a/438
FY25新中期経営計画「Value Up Further 2026」スタート時点の長期戦略・成果指標・財務戦略・人財戦略を体系化。サステナビリティ中期計画と中長期的価値創造ストーリーを一体提示。

統合報告書

https://www.screen.co.jp/download_file/view/aa022943-4581-4d0f-893b-78baa9152375/438
FY24中計「Value Up 2023」進捗とマテリアリティ特定、ポートフォリオマネジメント・知財戦略を整理。10年後のありたい姿を見据えて事業の中長期方針を再定義。

統合報告書

https://www.screen.co.jp/download_file/view/86311295-6ddf-4855-9bd4-658c88456d65/438
FY23中計「Value Up 2023」進捗と見直しを開示、CEO廣江・CFO近藤による対話を収録。サステナブル経営・人的資本強化・安全衛生を一体的に提示。

統合報告書

https://www.screen.co.jp/download_file/view/5fa79514-94af-4547-a3d9-7b4ba21fd2c4/438
FY22中期経営計画「Value Up 2023」を中軸に、ビジョンと戦略・中長期的視点でのグループ活動を体系化。サステナビリティ・データブックを別冊化し開示の厚みを増した編集年。

統合報告書

https://www.screen.co.jp/download_file/view/2401ac70-0ca5-42d7-a50b-14bb79faef06/438

参考文献・出所

有価証券報告書
大日本スクリーン社史
日経産業新聞
プレジデント 2018/05/14
日経ビジネス 2021/01/29
決算説明会 FY25通期
決算説明会 FY26-1Q
決算説明会 FY26-2Q
決算説明会 FY26-3Q
日本経済新聞 2025/02/28
日本経済新聞