SCREEN HDの直近の動向と展望

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SCREEN HDの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望をまとめたページです。

セグメント構成や中期的な論点を、現経営陣の発信と有価証券報告書の記述をもとに整理しています。

直近の動向と展望

AI関連需要の拡大とニコン事業譲受による成長領域の布石

2025年以降の最大のテーマは生成AI関連の設備投資が半導体製造装置市場全体を牽引する流れで、2026年のWFE成長率はAI関連ファウンドリーとDRAMの設備増強を主因として10〜20%の2桁成長が見込まれる。2nm・3nm先端ロジック向けとHBM中心のDRAM投資が成長の中心となり、新興ファウンドリー頼みではなく既存大手顧客の投資拡大が中心となる需要構造のなかで、SCREEN HDの得意領域が成長牽引役として浮かび上がる。中国向け売上比率は30%台後半を想定し、新興顧客への依存を意図的に抑えて既存大手ファウンドリー向けを中心に収益を確保する姿勢が貫かれている。2025年に社長に就任した後藤正人は「現場の声を重視し、高収益体質にしていく」(日本経済新聞 2025/02/28)と述べ、好況期に体質を強化する方針を明言した。

2025年度中にニコンから事業譲受でNyon直描露光機の技術と後工程向け製品ラインを取得する決断を下し、今期約30億円・上市までに追加50〜60億円を投じる戦略投資予算内での計画的な取り込みを進めた。LeVinaという直描露光機とLemotiaというPLPコータは現時点での後工程事業の中核を担う新商品で、後工程市場はCY2026からCY2027にかけて成長が本格化する見通しのなかで、SCREEN HDの後工程売上は今期の2桁億円後半から来期は3桁億円台への拡大を見込む。後工程での洗浄装置のTAM拡大と合わせて、半導体の前工程一本足から後工程を含む総合装置メーカーへ事業領域を広げる布石となった。1975年の半導体参入以来、同社の成長を支えてきた前工程偏重の構造を、後工程取り込みで補完する長期的な転換点である。

参考文献
  • 決算説明会 FY25通期
  • 決算説明会 FY26-1Q
  • 決算説明会 FY26-2Q
  • 決算説明会 FY26-3Q
  • 日本経済新聞 2025/2/28

営業利益率25%の確保と売上ペンディング案件の繰延

2026年3月期は中国顧客関連の約200億円規模の案件が今期から来期に繰り延べとなる事態に直面した。装置自体はすでに出荷済みで会計ルール上の売上計上のみが来期にずれ込む性質の問題で、返金対応を伴う据付未実施部分を除けば装置販売部分の計上は来期に実現する見通しが経営陣から示された。補完するアプリケーションはAI関連投資が中心で、上期から下期へスライドした案件と合わせて来期上期のスロースタートと下期からの本格的な立ち上がりという業績のカーブが想定される。来期はSCREEN HDが得意とする分野でWFEが伸びるため、成長度合いはWFE成長にほぼアラインする見通しである。

来期の営業利益率25%は確保可能だと経営陣が明言し、収益性改善の施策が数字として表れている。プロダクトミックスの悪化に対しても影響を受けにくい体質への転換が進み、原材料高と地政学リスクに起因するコスト増への備えも完了した状態にある。グラフィックアーツ事業は米国関税の影響を受けても価格転嫁と北米中心のPOD・リカーリングビジネスで想定範囲内に収まる見通しで、ディスプレー装置事業は中国家電買替補助金の反動を見越してアドバンスドパッケージ等の新規事業への転換を進めている。プリント基板関連機器事業は韓国を中心に引き合いが増えて通期黒字着地の見通しが示され、複数事業が同時に回復する段に入った。

参考文献
  • 決算説明会 FY25通期
  • 決算説明会 FY26-1Q
  • 決算説明会 FY26-2Q
  • 決算説明会 FY26-3Q
  • 日本経済新聞 2025/2/28

参考文献・出所

有価証券報告書
大日本スクリーン社史
日経産業新聞
プレジデント 2018/05/14
日経ビジネス 2021/01/29
決算説明会 FY25通期
決算説明会 FY26-1Q
決算説明会 FY26-2Q
決算説明会 FY26-3Q
日本経済新聞 2025/02/28
日本経済新聞