終戦直後の1948年11月に東京都大田区雪谷大塚にて、片岡電気株式会社を設立。創業者は片岡勝太郎氏であり、片岡家の一族が出資。創業時の従業員数は23名であった。起業の経緯は、元上司の不遇であった。片岡勝太郎氏は、戦時中はに野無線隊に所属しており、終戦に伴って東芝で勤務した。しかし、信頼していた上司が亡くなってしまい、片岡勝太郎氏はこれにショックを受けて、独立を決意したという。
創業時の製品は電子部品のロータリースイッチであリ、創業翌年の1949年にはバリコンの製造を開始した。主な販売先は秋葉原の電気街であり、ラジオ部品などに利用された。
アルプス電気は戦後に創業された後発の電子部品メーカーであったが、終戦直後のラジオの普及により販売を拡大。需要に応じて生産体制を増強し、1952年には従業員数100名を突破。ラジオ市場の勃興とともに、急速に成長を遂げた。
1959年から米国の大手家電メーカーであるモトローラ社との取引交渉を開始。アルプス電気としては、モトローラが米国で自動車向けラジオで40%のシェアを確保している点に着目し、ラジオ部品の供給を目論んだ。1962年にアルプス電気はモトローラ社に対してチューナー17万台を納入し、取引を開始した。