1998年に神奈川県藤沢市内にて、江口新氏がIT受託会社として創業。翌1999年に新宿の初台に本社を移転するとともに、人員の積極採用によって業容を拡大した。
2004年時点の業務内容は「ビジネスソリューション(コンサルティング)」「ネットワークソリューション(ネットワークの提案・構築・保守運用)」「RDBソリューション(DBの提案・構築・チューニング)」であり、ITを中心としたコンサルティングおよび構築を担う独立系のSIerであった。
各企業ともコストを水ぶくれさせることには慎重です。IT投資一つをとっても、ハードウェアやソフトウェアの進化と自社の経営環境を照らし合わせ、どのタイミングでシステム投資を行うのか、非常に難しい判断を迫られています。そうした状況に対し、ビジネスとITとに対する知見の両面を活かしながら解決策を提案するのが、私たちの仕事です。
大手企業向けのITコンサルティング事業を本格化するために、選任部署を発足して採用活動を開始。ピーシーワークスがSIからコンサルティング会社を目指す第一歩となる組織改編
コンサルティング事業の展開のために、優秀な人材を確保するために「車内独立制度(パートナー募集)」を運用した。この制度は、フルコミッションによる社内独立を支援する仕組みであり、シニアパートナーでモデル年収900万円、エグゼクティブパートナーでモデル年収1500万円を提示。営業力のある外資系コンサルティングファーム出身者を採用するための措置であった。
中途採用および新卒採用の積極化により、2006年までに従業員数400名を突破。2006年2月期には売上高45.5億円を計上した。社員一人あたりの年間売上高は推定約1100万円であり、人月単価90万円〜100万円のレンジの仕事請け負っていたと推定。
当社はWEBシステム開発とネットワーク基盤サービスを事業領域として創業しました。創業当初は数名からスタートして現在社員数400名を超える企業規模に成長する事ができました。厳しい経営環境にもかかわらず、創業以来増収増益で成長を続ける事ができた要因としましては、WEBシステムやデータベース関連などの分野で実績が認められてきた事などがあげられますが、最も大きな要因は、優秀な社員の採用と育成に力を入れてきた事です。
付加価値の高い上流工程に進出するため、商号を「ベイカレント・コンサルティング」に変更。Strategy、Business Process、ITの3を軸として、コンサルティング事業を展開する方針を公表した。このため、2007年の時点でITを1つの軸としたコンサルティング会社を志向したことを意味する。
2007年時点のベイカレントが実施したプロジェクトは下記の通り(公開情報)。
企業名 | 内容 | PM |
大手地方銀行 | 情報システムの構築支援 | - |
社団法人自動車技術会 | 論文校閲システムの構築 | - |
大手食品メーカー | 営業担当システムのサーバー強化 | - |
大手飲料メーカー | 販売管理システムの改善 | 岡俊宏 |
パナソニック | webサイトの改善 | - |
企業は常に変革を迫られ、経済構造の変化や情報化社会の流れの中で、我々に求められる要求も年々高度化・多様化しています。だからこそ、私たちはより多くのクライアントに本当に価値のあるサービスと深いご満足を提供したいと思います。そんな決意を込めて、2007年、私たちは「株式会社ベイカレント・コンサルティング」へと社名変更いたしました。
ベイカレントの競争優位性は、提供するすべてのソリューションが、クライアントに対する総合的な理解に根ざしていること。その上で、問題解決に向けた戦略の立案から、それを具現化するためのITシステムの構築、運用、保守などのアウトソーシング領域まで、トータルでプロフェッショナルなサービスを提供できること。そしてそれを強力に裏打ちしているのが、ベイカレントのプロフェッショナル集団です。真に顧客本位であるからこそ、ベイカレントのコンサルタントは、スキルや経験だけでなく人間力も同等に重視します。そして何より、クライアントより得ている高い評価こそが、さらなるハイクオリティーを実現してきたのです。
リーマンショック後のコンサルティング需要の減少により、ベイカレントコンサルティングの売上成長が低迷。
2012年に創業者の江口新氏は社長を退任し、萩平和巳氏がベイカレントの新社長に就任。萩平和巳氏はマッキンゼー・アンド・カンパニーの日本共同代表を務めており、ITにおけるコンサルティングの知見があったことから、ベイカレントに経営者として招かれる形となった(2011年5月に入社)。
2014年にベイカレント・コンサルティングは経営体制の刷新のため、MBOの実施を決断した。創業者である江口氏による資本面における影響が低下する大規模な資本政策の変更であった。
2014年4月にバイロン・ホールディングスを設立し、第三者割当増資によって88.4億円の資金を調達。出資者はSunrise Capitalを中心に、創業者の江口新氏、ベイカレントの当時社長であった萩原氏も出資者に加わった。
同年6月にバイロンHDがベイカレント・コンサルティングの株式100%を取得し、MBOを成立させた。同年10月にバイロンHDは旧ベイカレント・コンサルティングを吸収合併し、合併後の商号を「ベイカレント・コンサルティング」に変更することで、ベイカレントは2代目となる法人で経営される方式をとった。
MBOの実施によって、2代目ベイカレント・コンサルティングは多額の負債を背負う形となった。旧ベイカレントの買収価格は210億円(のれん188億円を計上)であり、第三者割当増資による資金調達(88.4億円)より超過する額は、金融機関からの長期借入(推定110億円)によって捻出した。
このため、2015年2月末時点のベイカレントの自己資本比率は37.7%であり、MBOによって発生した無形固定資産が多額に計上される財務体質となった。
2016年に東証マザーズへの上場を実施。資金調達ではなく、既存株主(投資ファンド)による株式売却を中心とした上場を選択した。株式上場後(2017年2月末時点)の筆頭株主は、創業者の江口新氏であり、同市の資産管理会社を合わせると16%を保有していた。このため、創業者は経営からは退いたものの、大株主としてベイカレントに対して一定の発言力を持つ存在であった。
株式上場後の業績低迷を受けて、経営陣の刷新を決定。2016年12月に阿部義之氏がベイカレントの新社長に就任した。