アマダの直近の業績・経営課題と展望

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アマダの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望

2025/3売上高3,967億円YoY▲1.7%
2025/3売上総利益1,724億円YoY▲1.6%
2025/3販売費及び一般管理費1,247億円YoY+4.7%
2025/3営業利益491億円YoY▲13.2%
2014/3経常利益207億円YoY+127.9%
2025/3親会社株主に帰属する当期純利益324億円YoY▲20.3%
2025/3自己資本比率79.2%YoY+2.1pt
2025/3有利子負債合計110億円前年比+2,718億円
2025/3現金同等物期末残高1,048億円YoY+12.2%
経営トップ山梨貴昭代表取締役社長執行役員
2025/3従業員数8,997前年比▲8人
2025/3平均給与735万円前年比+38万円
歴史的背景1946年、創業者の天田勇氏が東京都豊島区で天田製作所を個人創業し、1955年に国産ハンドソー1号機を完成させて以来、「人のやっていないもの」を経営原則に置いてきた。1973年の園池製作所取得以降、不振メーカーの取り込みで国内板金加工機械業界を統合し、2003年就任の岡本満夫社長はレーザー投資とエンジニアリング営業に経営資源を寄せた。
経営課題FY23は売上収益4,035億円・営業利益565億円と過去最高益を記録したが、FY24は売上3,967億円・営業利益491億円へ減益した。中国市況悪化・欧州景気減速・北米関税環境の不確実性が同時に重なり、過去最高益はFY23の1期で折り返した。
経営方針山梨貴昭社長は既存事業の再編と進化による成長路線を掲げ、2024年4月にアマダウエルドテックを吸収合併して2013年取得の溶接事業を本体へ統合した。同年10月にはAMADA Technical Education Centerを開設し、技術者教育を自社内拠点に移した。
主な投資2025年5月、アマダはカナデビアからエイチアンドエフの全株式を取得した。1973年の園池製作所取得以来の不振メーカー買収では最大規模の案件である。国内シェア3位のアマダプレスシステムと4位のエイチアンドエフ合流でプレスシステム業界国内首位を取りに行く一方、半導体・新素材向け加工機市場への参入を兼ねる。

最高益の揺り戻しと、半導体・新素材加工への参入

1946年、創業者の天田勇氏が東京都豊島区で天田製作所を創業し、1955年に国産ハンドソー1号機を完成させた。1965年から自社直販へ切り替え、1973年の園池製作所、1978年のワシノ機械、1986年の仏プロメカム取得で不振メーカーを取り込み、国内板金加工機械業界を統合した。2003年就任の岡本満夫社長は「エンジニアリングのアマダ」を掲げ、加工機単体販売から顧客工場全体の提案へ営業形態を切り替えた。FY23(2024年3月期)は売上収益4,035億円・営業利益565億円と過去最高益を記録したが、中国市況悪化・欧州景気減速・北米関税不確実性が重なり、FY24は売上3,967億円・営業利益491億円へ減益、最高益はFY23の1期で折り返した。

2022年6月、山梨貴昭氏が第6代社長に就任し、コロナ禍からの回復期を担った。岡本社長・磯部任社長の2代で積み上げたエンジニアリング路線とグローバル展開を土台に、山梨社長は既存事業の再編と進化による成長路線を掲げる。2024年4月、アマダウエルドテックを吸収合併し、2013年に取り込んだ溶接事業を本体へ統合した。2015年の持株会社移行から2020年に事業会社へ戻した流れの延長で、分離運営していた事業を本体に集約する整理である。同年10月にはAMADA Technical Education Centerを開設し、次世代技術者教育を自社内の専用拠点で行う体制に移した。

2025年5月、アマダはカナデビアからエイチアンドエフの全株式を取得した。1973年の園池製作所取得以来の不振メーカー買収では最大規模の案件であり、国内シェア3位のアマダプレスシステムと4位のエイチアンドエフ合流でプレスシステム業界国内首位を取りに行く。2018年のオリイメック取得で始めたプレス領域強化を一段先へ運ぶ案件である。狙いはプレス再編にとどまらず、レーザー主軸の新素材加工の確立にある。EV・航空機・半導体向けアルミ・ハイテン材・銅材で板金機械と工作機械の境界が薄れたいま、アマダは1955年ハンドソー以来の「人のやっていないもの」発想を、半導体製造装置向け加工機市場という空白領域に向けた。

以上から、アマダの直近は最高益達成・FY23の1期での折り返し・1973年以降最大規模のM&Aによる新領域への資本集中が同時に動いた局面である。FY23の営業利益565億円は岡本社長以降約20年のレーザー投資と買収の積み上げが効いた到達点だが、中国・欧州・北米3市場の同時減速でアマダの売上は地域横断で同期して落ちた。山梨社長はその直後、エイチアンドエフ買収でプレスと半導体・新素材加工の合流に資本を集中する。1946年に大手が見送ったハンドソー市場へ食い込んだ町工場が、約80年後に半導体製造装置向け加工機という別の空白領域へ同じ発想で入ろうとする段階であり、創業期の空白領域参入の発想を新素材領域で再現できるかに山梨社長体制の評価が連動する。

アマダの業績推移直近10ヵ年・有価証券報告書をもとに作成(XBRLよりデータ取得)

項目単位FY152016/3連結 / IFRSFY162017/3連結 / IFRSFY172018/3連結 / IFRSFY182019/3連結 / IFRSFY192020/3連結 / IFRSFY202021/3連結 / IFRSFY212022/3連結 / IFRSFY222023/3連結 / IFRSFY232024/3連結 / IFRSFY242025/3連結 / IFRS
損益計算書 (PL)
売上高YoY億円3,040+6.1%2,788−8.3%3,007+7.8%3,385+12.6%3,201−5.4%2,504−21.8%3,127+24.8%3,657+17.0%4,035+10.3%3,967−1.7%
金属加工機械億円2,5082,2952,5002,7292,5712,0312,5593,0143,3463,302
金属工作機械億円515481504643617462555630676652
売上原価億円1,6781,5591,6901,9111,8671,5121,7902,0632,2832,243
売上総利益億円1,3621,2291,3271,4711,3359921,3361,5941,7521,724
販管費億円9479009371,0251,0028159441,0981,1921,247
営業利益YoY億円425+53.6%330−22.3%397+20.3%451+13.6%347−23.2%267−23.0%385+44.3%499+29.4%565+13.3%491−13.2%
金属加工機械億円346250320357275214312415484404
金属工作機械億円77767291653667767469
当期純利益YoY億円274+48.9%259−5.6%299+15.3%330+10.6%234−29.1%186−20.6%278+49.6%342+23.0%406+19.0%324−20.3%
貸借対照表 (BS)
自己資本比率%73.678.178.178.176.679.677.477.277.179.2
有利子負債比率%5.93.22.81.73.82.71.10.81.21.7
キャッシュフロー (CF)
営業CF億円527260324401325576569249476462
投資CF億円-218-180-270-311-209-87-79-133-15279
財務CF億円-248-280-172-319-189-229-223-204-381-424
従業員
連結従業員数7,9558,0058,2289,2569,5318,9068,7748,9589,0058,997
単体従業員数2012411792402572,6762,5542,5502,6492,875
平均年収(単体)万円788792753726728647635668697735

IR資料直近5ヵ年

アニュアルレポート / 統合報告書

年度経営の振り返り報告資料
FY26エイチアンドエフ買収(2025年5月、過去最大級M&A)を中核に整理。プレスシステム業界国内シェア3位+4位の合流でトップシェア足掛かり、レーザーを主軸に新素材加工技術を確立する方針を提示。

統合報告書

https://kitaishihon.s3.isk01.sakurastorage.jp/IrLibrary/6113_integrated_2025_1p8i.pdf
FY25売上3,967億円・営業利益491億円で減益局面。アマダウエルドテック吸収合併(2024年4月)で持株会社時代の分離事業を本体統合、AMADA Technical Education Center開設で人材育成強化。

統合報告書

https://kitaishihon.s3.isk01.sakurastorage.jp/IrLibrary/6113_integrated_2024_djyx.pdf
FY24過去最高益(売上4,035億円・営業利益565億円)を反映。販売のアマダ・エンジニアリングのアマダ路線が結実、2013年ミヤチテクノス買収以降の技術買収成果を整理。

統合報告書

https://kitaishihon.s3.isk01.sakurastorage.jp/IrLibrary/6113_integrated_2023_412c.pdf
FY23山梨貴昭体制初の統合報告書。長期ビジョン下の既存事業再編・進化路線、欧州・北米板金加工需要の取り込みを整理。

統合報告書

https://kitaishihon.s3.isk01.sakurastorage.jp/IrLibrary/6113_integrated_2022_rykv.pdf

参考文献・出所

有価証券報告書
商工経済 1963/3
あすを創る人 1963
カナロコ 2025
オール大衆 1971/12
ニュースイッチ 2019
日刊工業新聞 2025
カナロコ
日刊工業新聞