DOWAの直近の動向と展望
DOWAの直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望をまとめたページです。
セグメント構成や中期的な論点を、現経営陣の発信と有価証券報告書の記述をもとに整理しています。
直近の動向と展望
PCB処理終了を補う難処理廃棄物の受け皿戦略
2027年3月のPCB廃棄物処理期限を目前に控えた2025年度から2026年度にかけては環境リサイクル部門で一時的な利益減少が避けられない状況が見込まれており、DOWAエコシステムの矢内執行役員から示された中期計画2027の見通しによれば、2025年度と2026年度は環境リサイクル事業の利益が段階的に減少し、2027年度以降に再び利益拡大を目指すという計画が明確化されている。補填策として難処理廃棄物の増処理、溶融・再資源化事業の拡大、食品リサイクル事業の収益化、LIB(リチウムイオン電池)やPV(太陽光パネル)リサイクルなど新規事業の立ち上げを組み合わせる形で、2024年度を超える利益水準の達成を目指す構想が示された。後年の経営判断にも強く影響を及ぼすこととなった。 製錬部門では使用済み排ガス浄化触媒の集荷量が期初計画の前提を上回るPGM価格上昇を背景として計画を十%以上も上回る水準で推移している一方、日本ピージーエムにおける一部工程の大型定修を今期実施する関係で処理量は集荷量に見合う形では増加しない見通しが示された。2026年度以降にフル操業体制が整う段階で、増集荷分が本格的に利益増加に直結する形で反映される見込みとなっている。小坂製錬では2026年度に計画していた設備補修の一部を2025年度上期に前倒しで完了しており、2026年度からの操業体制の充実に向けた布石が着々と進められている状況が浮き彫りになっている。
- IR 中間期経営戦略説明会 QA 2025/11/21
- IR 中間期QA 2025/5
- DOWA プレスリリース 中期計画2027
中国太陽光銀粉からの撤退と電子材料の立て直し
電子材料部門では太陽光パネル向け銀粉事業について、中国市場における銀地金の価格差の構造的な不利からシェア挽回は非常に困難な状況であるという経営判断のもとに、中国市場でのシェア挽回を追わない方針への大幅な見直しが決定される形となった。太陽光パネルの生産の一部を中国以外にシフトする動きが業界で出始めていることを踏まえ、中国国外での品質優位性を活かした拡販を新たな事業戦略として打ち出す方針が電子材料部門を担う鈴木執行役員から明確に示されている。銀価格の歴史的な高騰と銀資源量の限界という外部環境を背景として、導電粉の省銀化や原料代替のニーズが業界内で段階的に拡大しており、新規導電粉の上市に向けた営業戦力の拡充と開発リソースの集中が並行的に進められている。
中期計画2027における電子材料部門の利益目標に対しては銀粉事業の収益挽回が占める割合が大きいという経営上の課題を抱えており、太陽光パネル向け銀粉の方針見直しを踏まえた場合の利益目標の達成時期は2028年度以降にずれ込む可能性もあるとの見方が経営陣から示された。銀粉事業の新たな施策や他事業の拡大を含む総合的な挽回策の詳細については、2026年度計画の公表とあわせて段階的に開示していく方針が明確化されている。近赤外LED・PDや燃料電池向け複合酸化物粉、ナノ銀など電子材料部門全体で多様な製品を揃えており、銀粉事業の収益減少を補填する構造の確立が中期的な経営課題として明確に位置づけられている。
- IR 中間期経営戦略説明会 QA 2025/11/21
- IR 中間期QA 2025/5
- DOWA プレスリリース 中期計画2027