2024/3 売上高14,453億円YoY+10.2%
2024/3 営業利益586億円YoY▲116.1%
2024/3 従業員7,496
創業19271950年上場)
創業地大阪府大阪市
創業者蘇我理右衛門

住友金属鉱山は1927年に住友別子鉱山として設立された。元禄期から236年にわたり住友本社が直営してきた別子銅山の事業を法人化したもので、住友財閥の原点事業を担った。戦後は国内鉱山の閉山を進め、1985年の菱刈金山開山と海外資源開発で成長路線に転じた。電子材料やニッケル系正極材にも展開し、資源開発から先端材料まで一貫する非鉄金属の総合メーカーとして事業を拡大している。

売上高分解(原価・販管・営利)億円
売上高利益率(粗利・営利など)%
営業利益率粗利率経常利益率純利益率
自己資本比率・現預金残高
自己資本比率現預金残高
歴代社長
FY01
FY02
FY03
FY04
FY05
FY06
FY07
FY08
FY09
FY10
FY11
FY12
FY13
FY14
FY15
FY16
FY17
FY18
FY19
FY20
FY21
FY22
FY23
FY24
FY25
FY26
FY27
FY28
FY29
FY30
福島孝一
代表取締役社長
家守伸正
代表取締役社長
中里佳明
代表取締役社長
野崎明
代表取締役社長
松本伸弘
代表取締役社長
歴代社長
FY05
FY06
FY07
FY08
FY09
FY10
FY11
FY12
FY13
FY14
FY15
FY16
FY17
FY18
FY19
FY20
FY21
FY22
FY23
FY24
福島孝一
代表取締役社長
家守伸正
代表取締役社長
中里佳明
代表取締役社長
野崎明
代表取締役社長
松本伸弘
代表取締役社長

歴史概略

1691年〜1973住友の原点事業と近代化

別子銅山の採掘と住友財閥の形成

1691年に住友家は愛媛県で別子銅山の採掘を開始した。別子銅山は住友家の中核事業として200年以上にわたり稼働し、鉱山機械(住友機械工業)・化学肥料(住友化学)・銅加工(住友電工)・植林(住友林業)・金融(住友銀行)など多岐にわたる事業分野に参入する資本供給源として機能した。明治時代には広瀬氏が中心となって機械化投資を推進し、西洋技術の導入で産出量を増加させた。

1927年7月に住友本社は236年の直営を改め、住友別子鉱山株式会社を設立して法人経営に移行した。住友家の事業で最も長い歴史を持つ原点事業の法人化であった。1937年に住友炭鉱と合併して住友鉱業となり、戦後の財閥解体により1950年に金属部門を分離して住友金属鉱山(別子鉱業)を発足させた。

有価証券報告書 沿革実業の世界 1924/11/1

国内鉱山の閉山と製錬事業への転換

1950年代以降、住友金属鉱山は国内事業の近代化を推進した。1956年に子会社日向製錬所を設立し、1965年に中央研究所を設置、1967年には青海工場を新設して電子金属事業に参入した。1970年に新居浜ニッケル新工場、1971年に東予製錬所を新設し、製錬技術の高度化を図った。

一方で1962年以降は国内鉱山の閉山を本格化させ、1973年3月に住友の原点である別子鉱山を閉山した。元禄期から282年にわたる別子銅山の歴史に区切りをつけた。閉山後の住友金属鉱山は、採掘から製錬・加工へと事業の重心を移し、海外からの原料調達と国内製錬所での付加価値創出を柱とする事業構造への転換を進めた。

有価証券報告書 沿革

1985年〜2016菱刈金山の開山と海外資源開発

菱刈鉱山の発見と国内唯一の金山

1969年に住友金属鉱山は鹿児島県の菱刈鉱区をわずか1000万円で取得した。経営陣は消極的であったが、国内鉱山閉鎖で消沈気味であった技術陣が前向きな姿勢を示し取得に至った。自社での探査が進まない中、金属鉱業事業団が1980年からボーリング調査を実施し、全18本が金鉱脈に到達する結果を得た。1985年7月に出鉱を開始し、年間約6トンの金を産出する国内唯一の商業生産鉱山となった。

藤崎章社長は「九州の鉱区だけは捨てるな」と言い続けてきたと述べ、菱刈鉱山の収益は多角化部門の研究開発に投じる方針を明示した。推定埋蔵量250トンを擁する菱刈鉱山は、住友金属鉱山の安定的な収益源であると同時に、海外鉱山の開発・運営に不可欠な技術者育成の拠点としても機能し続けている。

有価証券報告書 沿革日経ビジネス 1982/8/9

海外資源開発の拡大とシエラゴルダの損失

1986年に米モレンシー銅山の権益を取得し、1988年にはPTインターナショナルニッケルインドネシアの株式を取得するなど、海外資源開発を加速させた。2006年には米ポコ金山の生産を開始し、2009年にフィリピンのNickel Asia Corporationにも資本参加した。

一方で2011年に住友商事と共同で取得したチリのシエラゴルダ銅鉱山は、2015年の操業開始が銅価格の急落と重なり、2016年に689億円の持分法投資損失を計上した。2017年3月期には最終赤字185億円に転落した。その後、2021年に豪South32へ権益を売却して745億円の売却益を計上し、操業期間中の損失と売却時の回収が対照的な結果となった。

有価証券報告書 沿革

資源と材料の両輪経営(2017〜現在)

大型資源プロジェクトの推進

2022年2月に住友金属鉱山は中期経営計画を公表し、電池材料(ニッケル系正極材)の増産とともに海外資源開発の大型プロジェクトを推進する方針を打ち出した。インドネシアのポマラプロジェクト、チリのケブラダブランカ銅鉱山、カナダのコテ金鉱山が注力案件として位置づけられた。2023年10月にケブラダブランカ銅鉱山が開山し、2024年8月にはコテ金鉱山で商業生産を開始した。

コテ金鉱山については2017年に権益30%弱を215億円で取得した後、金価格低迷で着工を延期していたが、2020年の金価格上昇を受けて着工を決定した。運営子会社への貸付は2024年3月末時点で1330億円に達しており、住友金属鉱山にとって大型の資金投入を伴うプロジェクトとなっている。

有価証券報告書 沿革

電池材料と直近の業績

電池材料分野では、電気自動車向けニッケル系正極材の増産投資を進めている。住友金属鉱山はニッケルの製錬技術を起点に正極材の製造に参入しており、フィリピンやインドネシアでのニッケル原料調達と国内外の製錬拠点を組み合わせたサプライチェーンを構築している。EV市場の拡大に伴い、正極材事業は中長期の成長分野として位置づけられている。

2024年3月期の連結売上高は1兆4453億円・当期純利益586億円であった。資源開発・製錬・電子材料・電池材料と多面的な事業を展開し、元禄期から続く鉱山事業の技術的蓄積を活かしつつ、先端材料分野への展開を加速している。菱刈金山に象徴される資源事業と、正極材に代表される材料事業の両輪が、住友金属鉱山の現在の事業構造を形成している。

有価証券報告書 沿革

沿革

沿革一覧
4
住友別子鉱山株式会社を設立
元禄以来236年の直営を法人化した原点事業の転換点
4
菱刈鉱山を開山(鹿児島県)
1000万円の鉱区が国内唯一の金山に化けた構造的背景
4
シエラゴルダ銅鉱山で損失計上
操業と市況下落の同期が招いた689億円の減損処理
3

重要な意思決定

19277
住友別子鉱山株式会社を設立

住友家の事業は1691年の別子銅山開山を起点としており、鉱山事業は住友財閥の中で最も古い歴史を持つ。1927年の法人化は、236年にわたり住友本社が直轄で経営してきた原点事業を独立法人に移管する判断であった。別子銅山は単なる一事業ではなく、化学・電工・林業・金融など多角化の資本供給源として機能していた。原点事業の法人化は、住友家の経営を個人直営から法人を介した仕組みへと変える構造的な転換であった。

19852
菱刈鉱山を開山(鹿児島県)

菱刈鉱山の開発には、経営陣が消極的な中で技術陣が鉱区を維持し、自社で探査資金を捻出できない期間を金属鉱業事業団の調査が埋めたという構造がある。1000万円で取得された未開発の鉱区が、18本のボーリング全数が金鉱脈に到達するという結果を経て、推定埋蔵量250トンの国内最大の金鉱山に転じた。鉱山事業において鉱区の保有を継続する判断と、公的機関による探査支援が組み合わさることで事業化が実現した事例である。

20162
シエラゴルダ銅鉱山で損失計上

シエラゴルダ銅鉱山は、資源開発における市況タイミングの影響を端的に示す案件である。2015年のフル操業移行が銅価格の急落期と重なり689億円の減損に至った一方、2020年に非鉄金属市況が反転すると権益価値が上昇し、売却により745億円の益を計上した。操業期の採算悪化と売却時の市況好転が対照的な結果をもたらしており、資源開発の収益が市況循環に依存する構造を浮き彫りにしている。

全社の業績指標

売上高(長期)売上高(2025/3)14,453億円
純利益(長期)当期利益(2025/3)586億円
売上高分解(原価・販管・営利)億円
売上高利益率(粗利・営利など)%
営業利益率粗利率経常利益率純利益率
特別利益・特別損失億円
特別利益特別損失
キャッシュフロー億円
営業CF投資CF財務CF
自己資本比率・現預金残高
自己資本比率現預金残高
業績データ一覧
全社業績
FY01FY02FY03FY04FY05FY06FY07FY08FY09FY10FY11FY12FY13FY14FY15FY16FY17FY18FY19FY20FY21FY22FY23FY24
2002/32003/32004/32005/32006/32007/32008/32009/32010/32011/32012/32013/32014/32015/32016/32017/32018/32019/32020/32021/32022/32023/32024/32025/3
JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結JGAAP・連結IFRS・連結IFRS・連結IFRS・連結IFRS・連結IFRS・連結IFRS・連結IFRS・連結
売上高億円3,3023,5524,0214,8466,2569,66811,3247,9387,2588,6418,4798,0858,3059,2138,5547,8619,3359,1228,7269,26112,59114,23014,45415,933
売上原価億円---4,0175,0547,6369,3427,3696,1997,2537,1566,6797,0577,4717,4156,6397,7647,8567,6317,75210,01311,72912,79315,348
売上総利益億円---8291,2012,0321,9815691,0601,3881,3231,4071,2481,7431,1391,2231,5711,2661,0951,5092,5782,5011,661585
販売費及び一般管理費億円---350374405428464397428438449494485541459469493491463527640676744
営業利益億円---4798281,6261,5541056639608859587541,2585977641,1027736041,0462,0511,861985-159
営業外収益億円---158266536822399310389298285456563175190302210154230319294188561
営業外費用億円---929711019717994112959266788999691558979483086183180
経常利益億円-151462785459972,0532,1793268781,2371,0881,1501,1441,742-128-161,2498947901,2343,5742,299958314
特別利益億円---38132616632969413316613013-------
特別損失億円---448022301025332215204651333175204-------
当期純利益億円-66-121993706281,2611,378220540840652866803779-3-2909636686069462,8101,606586165
粗利率%---17.119.221.017.57.214.616.115.617.415.018.913.315.616.813.912.516.320.517.611.53.7
営業利益率%---9.913.216.813.71.39.111.110.411.89.113.77.09.711.88.56.911.316.313.16.8-1.0
経常利益率%-0.44.16.911.215.921.219.24.112.114.312.814.213.818.9-1.5-0.213.49.89.113.328.416.26.62.0
純利益率%-2.0-0.34.97.610.013.012.22.87.49.77.710.79.78.5--3.710.37.36.910.222.311.34.11.0
総資産額億円---5,7397,7269,29210,9178,8009,81510,52411,46813,51215,72417,40216,30816,85017,32317,97717,19718,86022,68827,07930,27730,686
自己資本億円---2,8393,7385,2896,4035,4736,2976,8417,2608,44510,19111,58910,76010,24110,29410,47610,01911,13914,45316,31717,85118,457
自己資本比率%---49.548.456.958.762.264.265.063.362.564.866.666.060.859.458.358.359.163.760.359.060.1
営業CF億円3342613234027089601,5741,2804421,0251,4501,1478001,2001,1974387861,1471,3659151,5951,2042,1071,496
投資CF億円-162-212-174-317-1,024-774-1,264-284-754-757-1,359-887-1,269-1,050-929-1,432-228-1,424-703-32498-1,855-2,989-1,389
財務CF億円-143-142-9361287-101557-741-193745032151-390-40704-898-29091-558-1,29649371-62

セグメント別の業績指標

セグメント別売上高億円
セグメント別利益億円
セグメント別利益率%
セグメント別ROIC%
業績データ一覧
セグメント業績
FY01FY02FY03FY04FY05FY06FY07FY08FY09FY10FY11FY12FY13FY14FY15FY16FY17FY18FY19FY20FY21FY22FY23FY24
セグメント別売上高
資源億円---2272965556785284736156326337287237047791,2171,0018007571,0971,1801,1341,411
金属及び金属加工億円---2,8433,9046,7157,9795,3464,864---------------
電子材料及び機能性材料億円---1,4801,7502,0952,3771,7591,702---------------
住宅・建材億円---153170170------------------
その他億円---142136133289304220---------------
製錬億円---------5,9066,0156,0246,1486,8436,2255,4316,3826,0545,7906,5658,92610,07410,13711,802
材料億円---------1,8861,6081,3961,3941,6101,5831,5991,6822,0302,0951,9002,5322,9333,1492,680
売上高(内訳なし)億円3,3023,5524,021---------------------
セグメント別利益
資源億円---100171335381177306704805661691538-443-5365604733806312,0857645281,018
金属及び金属加工億円---2774971,0961,08824345---------------
電子材料及び機能性材料億円---7311213682-10129---------------
住宅・建材億円---122122------------------
その他億円---244340376-1---------------
製錬億円---------4952564062918132533335154094835301,1481,179622-71
材料億円---------54-3331111296012115313853105276173-72-542
セグメント別利益率
資源%---43.957.860.456.233.464.6114.5127.4104.494.874.3-62.9-68.846.047.347.583.4190.164.846.672.2
金属及び金属加工%---9.712.716.313.60.57.1---------------
電子材料及び機能性材料%---4.96.46.53.5-5.81.7---------------
住宅・建材%---7.712.612.6------------------
その他%---17.231.330.412.71.9-0.6---------------
製錬%---------8.44.36.74.711.94.16.18.16.88.38.112.911.76.1-0.6
材料%---------2.9-0.22.47.98.03.87.59.16.82.55.510.95.9-2.3-20.2
セグメント別ROIC
資源%---15.513.623.521.611.118.139.932.422.519.813.4-12.9-11.411.86.66.29.826.96.83.86.7
金属及び金属加工%---10.414.224.020.90.66.5---------------
電子材料及び機能性材料%---6.48.59.05.3-9.62.4---------------
住宅・建材%---8.313.915.0------------------
その他%---5.08.78.15.90.9-0.2---------------
製錬%---------8.54.56.44.211.63.74.97.95.97.37.213.212.06.1-0.7
材料%---------4.7-0.32.57.37.23.05.96.55.42.34.39.75.1-2.3-19.9

出所