1917
10月

横浜護謨製造株式会社を設立

古河財閥とグッドリッチにより合弁設立

1917年に古河財閥(古河合名会社)は、横浜電線製造(古河電工)における多角化を意図して、自動車・自転車向けのタイヤ製造に新規参入することを決定。ゴム製造の技術が確立されていなかったため、米国のB・F・グッドリッチ社との共同出資により「横浜護謨製造株式会社(現・横浜ゴム)」を設立した。

会社設立に際して、グッドリッチが技術支援、古河財閥が経営を担う分担で経営する覚書を締結。設立時の資本金は250万円であり、古河合名会社が50%、グッドリッチ社が50%の株式を保有した。

初代横浜工場の新設・関東大震災による全壊

1919年11月に横浜市内(平沼1-40)において横浜工場を新設。翌1920年5月からは、グッドリッチ社から技術者の派遣を受け入れてゴム製品の製造準備を開始し、1921年3月までに「ベルト、ホース、パッキング、コードタイヤ」の製造を開始した。

ところが、1923年9月の関東大震災により横浜工場が全壊(工場従業員24名が死亡)し、生産不能の状態に陥った。このため、横浜ゴムはグッドリッチ社から輸入した製品の販売に従事し、製造停止を余儀無くされた。

2代目横浜工場の新設・空襲による全焼

1928年に横浜ゴムは鶴見区平安町に2代目となる横浜工場を新設して、タイヤを含めたゴム製品の製造を再開した。この結果、1931年までに日本フォード、日本GMに対して新車用タイヤの納入に成功した。

横浜ゴムは自動車の普及に対応するため、1934年に横浜工場の増設を決定。竣工時比較で3倍の生産能力を確保した。ところが、戦時中の1945年に横浜工場は空襲を受けて全焼。生産再開の目処が立たないまま。1945年8月の終戦を迎えた。

1917年
10月
横浜護謨製造株式会社を設立
米グッドリッチの出資比率 50 %
1919年
11月
横浜工場の新設(横浜市平沼)
1923年
9月
横浜工場の全壊(関東大震災)
1928年
4月
横浜工場を新設(横浜市鶴見区)
1934年
6月
横浜工場で増産投資
1943年
8月
三重工場を新設(三重県)
1946年
3月
三島工場を新設(静岡県)
1945年
4月
横浜工場の全焼(空襲)
1949年12月
財閥解体により古河電工が株式放出
1950年4月
東京証券取引所に株式上場
1952年8月
平塚総合ゴム工場を新設

戦時中の2代目横浜工場の全焼を受けて、横浜ゴムは同工場の再建を諦めて新工場の新設を決定。終戦後は関東圏に小規模な工場が点在していたため、神奈川県平塚に「総合工場」を新設して生産体制を集約する方針を打ち出した。

1950年8月に横浜ゴムはGHQに対して、平塚の8万坪の敷地(大蔵省保有・アメリカ第8軍が管理)の使用許可を申請し、許可を取得。1952年8月から平塚工場として本格稼働を開始した。生産品目は「タイヤ・ビニール」など複数の製品であり、ゴム製品の製造を担った。

決算
横浜ゴムの業績
1952年12月期(単体)
売上高
71
億円
1960年3月
事業部制を導入

ゴム製品の総合メーカーを志向して事業部制を導入。全6部門(タイヤ事業部・工業品事業部・合成品事業部・雑貨事業部・部品事業部・海外事業部)から構成された。

決算
横浜ゴムの業績
1960年12月期(単体)
売上高
219
億円
1961年1月
本社ビル「浜ゴムビル」を竣工
1963年10月
商号を「横浜ゴム株式会社」に変更
1964年6月
新城工場を新設(愛知県)

自動車用タイヤの量産のために、愛知県に新城工場を新設。しかしブリヂストンは1960年から東京工場を新設して量産体制を確立しており、横浜ゴムによる自動車用タイヤの量産は出遅れが鮮明となった。この結果、自動車用タイヤ業界において、後発参入企業であるブリヂストンの台頭を許した。

決算
横浜ゴムの業績
1964年12月期(単体)
売上高
343
億円
1969年11月
米国に現地法人を新設・タイヤ販売を開始
1973年7月
ホース関係の金属部門を分離
1974年10月
尾道工場を新設(広島県)
1978年12月
2期連続で最終赤字転落
1989年1月
冬用タイヤ専用テストコースを新設(北海道上川郡)
1989年10月
米モホーク社を買収(タイヤ製造)
2001年12月
中国に合弁会社を設立
2009年7月
国内の販社19社を統合・ヨコハマタイヤジャパンを設立
2013年5月
米国に現地生産子会社を設立
2016年7月
Alliance Tireを買収(産業用タイヤ)
2017年3月
愛知タイヤ工業を買収(産業用タイヤ)
2021年11月
ハマタイト事業を売却
2021年3月
本社ビル「浜ゴムビル本館」を売却

資産圧縮のために、2021年3月に本社ビル「浜ゴムビル本館(東京都港区新橋5-36-11・1961年竣工)」の売却を決定。都心部におけるビルであり、固定資産売却益として209億円を計上した。なお、売却先は非開示。

本社ビルの売却を受けて、2023年に横浜ゴムは本社を神奈川県平塚(平塚製造所内)に移転した。

2021年
3月
本社ビル「浜ゴムビル本館」を売却
2023年
3月
本社を平塚市に移転
決算
横浜ゴムの業績
2021年12月期(連結)
売上収益
6708
億円
当期利益
655
億円
従業員数
27222
営業CF
683
億円
投資CF
-44
億円
財務CF
-551
億円
2023年5月
山石社長を週刊文春がスクープ

2023年5月に週刊文春は「山石社長のプライベート」に関するスクープ記事を掲載した。

これに対して、2024年3月28日の横浜ゴムの株主総会において、山石社長(代表取締役)の選任賛成比率は96.3%となり可決。横浜ゴム株主は、業績数値を残す山石社長の続投を支持した。

参考:https://bunshun.jp/articles/-/54211

2023年
5月
山石社長を週刊文春がスクープ
2024年
3月
山石社長の続投
選任賛成比率 96.3 %
決算
横浜ゴムの業績
2023年12月期(連結)
売上収益
9853
億円
当期利益
672
億円
従業員数
33617
営業CF
1597
億円
投資CF
-3440
億円
財務CF
2057
億円
2023年5月
Trelleborg社を買収(産業用タイヤ)
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