富士フイルム の歴史

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創業 1934年
創業地 神奈川県足柄上郡
創業・決断・現況・競合について
創業
1934年1月、大日本セルロイドが写真フィルム部の事業一切を分離継承させる形で、資本金300万円の富士写真フイルムが発足した。神奈川県足柄上郡の足柄工場を引き継ぎ、フィルムベースから製品までの一貫生産が国内で初めて実現する。輸入依存を断つ国策として資本金の4割の助成金を受けたが、乳剤の性能は舶来品に及ばず、1936年には量産化でつまずいて累積36万円の赤字を計上した。国策に守られた市場で時間を稼ぐあいだに、乳剤の化学と精密塗布という他社が短期には習得できない技術を積み上げたことが、後年の転身の元手になる。
決断
本業が消える前提に立ち、手持ちの技術の使い道を先に探してきた。1962年に英ランク・ゼロックスと折半出資で富士ゼロックスを設立し、写真以外の収益源を得た。売上の約6割・利益の3分の2を占めた写真感光材料の需要が2000年にピークを打つと、2004年に"VISION75"で構造改革へ踏み切り、約5,000人を削減しつつ研究開発費は年約2,000億円を保って技術の棚卸しを進めた。2007年にはアスタリフトで化粧品へ、2008年には富山化学工業を買収し治療へ参入する。守るものを製品ではなく技術と定めたことが、祖業が消えても会社が残る条件になった。
現況
写真で磨いた塗布と量産の技術を、ヘルスケアとエレクトロニクスへ配り直した4事業の構造である。2026年3月期の売上高は3兆3,569億円、営業利益3,666億円。前期のセグメント別ではビジネスイノベーション1兆1,985億円とヘルスケア1兆225億円が 2 大事業で、祖業に連なるイメージングは5,420億円と2割に満たない。成長の中心は2011年に創薬ではなく製造受託を選んだバイオ医薬品CDMOで、細胞培養槽を約5倍の75万リットル強へ広げ、2030年度にこの事業だけで売上高7,000億円を掲げる。祖業の量産技術は、他社の薬をつくる黒子の設備として生き延びた。
競合
この会社の歴史は、米コダックに追いつく半世紀だった。1961年には舶来品との品質格差が残り、翌年に迫る輸入自由化を前に国産各社は戦々恐々だった。1973年の店頭価格は国産500円に対し海外製1200円と安さでしか対抗できず、1977年に超高感度のフジカラーF-II 400を950円で出して価格の優位を保ったまま感度で並んだ。1985年には国内シェア70%強で独走してコダックを3位に押し込む。優位に立った市場はデジタル化で消え、国内で競った小西六写真工業を継ぐコニカミノルタとは現在診断や材料で相対する。事務機は米ゼロックス買収の破談後に富士ゼロックスを完全子会社化し、合弁を解消して自社の裁量を取り戻した。
長期業績の推移 1949〜2026年
富士フイルム:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
1997年3月期2026年3月期

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歴史年表 1934〜2025年

富士フイルムの沿革1934〜2025年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1934〜1961年写真フィルム国産化の使命と、専業メーカーとしての確立浅野修一国策助成金を得ての写真フィルム専業会社としての出発

1934年1月、大日本セルロイドが写真フィルム部門を分社する形で、資本金300万円の富士写真フイルム株式会社が神奈川県足柄上郡(現南足柄市)の足柄工場で発足した。米コダック・独アグファに依存する年1500万円規模の輸入構造を国産で置き換える国策の枠で、政府は資本金の40%にあたる助成金を交付し、専業会社として乳剤化学と精密塗布の習得に着手させた。初代社長には大日本セルロイド出身の春木栄氏が就任した。

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★★★
浅野修一足柄工場を建設
浅野修一量産化に失敗し累積36万円の赤字を計上★★
浅野修一医療用X線フィルムを国産化★★
浅野修一小田原工場を建設
浅野修一写真感光材料製造事業法により国家管理品目に指定★★
春木栄榎本光学精機製作所を買収
春木栄終戦時の従業員が約8000名に到達
春木栄天然色写真を設立
春木栄東京・大阪の各証券取引所に上場
春木栄国産初の長編劇映画用カラーフイルムを完成★★
1962〜1989年輸入自由化とコダック迎撃、非写真事業の助走小林節太郎ランクゼロックスとの合弁で富士ゼロックスを設立★★
小林節太郎富士宮工場を建設
小林節太郎Fuji Photo Film U.S.A.を設立
小林節太郎通商産業省がカラーフィルムの輸入自由化の方針を決定★★
平田九州男吉田南工場を建設
平田九州男「フジカラF-II 400」を発売★★
大西實大西實氏が社長に就任★★
大西實X線画像診断システム「FCR」を発売★★
大西實写真フィルムの国内シェアが70%強★★
大西實Fuji Photo Film, Inc.を設立
大西實国内の写真関連製品市場が1兆1521億円でピーク
大西實コダックが米通商法301条に基づき通商代表部へ提訴★★
宗雪雅幸次世代フィルム規格APSを業界共同で開発★★
大西實株主資本利益率が5.8%に低下
宗雪雅幸宗雪雅幸氏が社長に就任
宗雪雅幸米通商代表部が日本を世界貿易機関へ提訴★★
宗雪雅幸カラーフィルムの国内出荷がピーク★★
宗雪雅幸日米フィルム紛争が勝訴で決着★★
古森重隆写真フィルムの世界需要がピーク★★
古森重隆古森重隆氏が社長に就任★★
古森重隆富士ゼロックスを子会社化★★
古森重隆古森重隆氏がCEOに就任★★
2004〜2025年VISION75と第二の創業——ヘルスケアへの再配置古森重隆本業の消失を前提に据えた構造改革と、事業の組み替え

2004年、写真フィルムの世界需要が2000年をピークに急減するなか、富士写真フイルムの古森重隆社長兼CEOが、創立75周年の2009年度を目標年とする中期経営計画"VISION75"を発表し、徹底的な構造改革と成長分野への資源再配分に踏み切った経営判断。

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★★★
古森重隆写真フィルムの売上高比率が7.9%に低下
古森重隆4大特約店の制度を廃止★★
古森重隆Arch Chemicals の Microelectronic Materials 部門を買収
古森重隆化粧品市場に参入★★
古森重隆イメージング事業で約5000人の人員削減を発表★★
古森重隆持株会社の富士フイルムHDに移行★★
古森重隆写真技術の化粧品への転用と、スキンケアブランドによる新市場への進出

2008年3月期、エイジングケアを目的としたスキンケアシリーズ「ASTALIFT(アスタリフト)」を発売した。前の期にあたる2007年3月期に機能性スキンケア化粧品「エフスクエアアイ」と機能性体内ケア食品「エフキューブアイ」を開発してヘルスケア分野へ参入しており、アスタリフトはその延長に置いた本格ブランドである。 同じ期にマルチサプリメント「メタバリア」「オキシバリア」も発売し、肌と体内の両面からエイジングケアを扱う品揃えとした。事業はインフォメーション ソリューション部門のライフサイエンス事業に属する。

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★★★
古森重隆買収を足がかりにした医薬事業への進出

2008年、富士フイルムが医薬品メーカーの富山化学工業を大正製薬と共同で買収し、増資の引受けと株式公開買付けで子会社に収めた経営判断。普通株式の66%を総額978億円で取得し、画像診断(診断)に偏っていた医療事業を医薬品(治療)へ広げ、ヘルスケアを全社の主力事業に据える転換となった。

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★★★
古森重隆医薬品の受託生産という新領域に向けた生産能力への集中投資

2011年3月、富士フイルムは写真フィルム事業の消失を受けて再編したヘルスケア事業の主力として、バイオ医薬品の製造受託(CDMO)を選んだ。米国Merck & Co., Inc.の受託製造子会社2社を269億5,900万円で買収して参入し、2019年8月には米Biogenのデンマーク製造子会社を962億4,600万円で取得して大量生産に対応する拠点を加えた経営判断。

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古森重隆SonoSite Inc.を買収
中嶋成博中嶋成博氏が社長兼COOに就任★★
中嶋成博抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠200mg」の製造販売承認を取得★★
中嶋成博Cellular Dynamics International Inc.を買収
助野健児東芝メディカルシステムズの買収に応札
助野健児助野健児氏が社長兼COOに就任★★
助野健児ニュージーランド・豪州の販売子会社で判明した不適切な会計処理と、第117〜120期に及ぶ連結決算の訂正

富士ゼロックスの海外販売子会社であるFuji Xerox New Zealand LimitedとFuji Xerox Australia Pty. Ltd.で、不適切な会計処理及び取引が判明した。第三者委員会が全容の解明にあたり、特定した必要な修正はすべて連結財務諸表へ反映された。 2017年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は、開示すべき重要な不備があるため有効でないと評価されている。第117期から第120期までの連結決算が訂正され、第121期の有価証券報告書の提出は2017年7月31日となった。

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助野健児富士ゼロックスの海外子会社で利益の過大計上が発覚★★
助野健児和光純薬工業を子会社化
助野健児ゼロックス株の50.1%取得と経営統合を公表★★
助野健児ニューヨーク州の裁判所が統合の差し止めを命令★★
助野健児ゼロックスが統合契約を破棄★★
助野健児ゼロックスに損害賠償を求めて提訴
助野健児Biogen (Denmark) Manufacturing ApSを買収★★
助野健児持ちかけた買収構想の破談と、その後に選んだ持分の全量取得

2018年1月、富士フイルムホールディングスは、米ゼロックスが合弁会社の富士ゼロックスを完全子会社としたうえで、その第三者割当増資を引き受けてゼロックス株式の50.1%を取得する契約を締結した。しかし同年5月に相手方から契約終了の通知を受け、統合構想は実現しなかった。2019年11月、富士フイルムはゼロックスが保有する富士ゼロックス株25%を239,633百万円で取得して合弁契約を解消し、完全子会社とした経営判断。既に75%を持つ子会社の追加取得であり、企業結合ではなく資本取引として処理された。

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助野健児日立製作所の画像診断関連事業の買収を発表★★
助野健児日立製作所の画像診断関連事業を子会社化★★
後藤禎一後藤禎一氏が社長兼CEOに就任★★
後藤禎一CMC Materials KMG Corporationを買収
後藤禎一バイオCDMOで細胞培養槽を約5倍に拡張する計画を公表★★
後藤禎一ヘルスケアの売上高1兆円を2年前倒しで達成★★
出典・参考

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