林郁氏(当時35歳)と伊藤穰一氏(当時29歳)の2名が共同で「株式会社デジタルガレージ」を創業した。インターネットの普及を予見してビジネスを展開。1995年というい早い時点で伊藤穰一氏は「次に登場するのは、ネット上での電子決済手段の確立だ」という方向性を見通した。
現在、インターネットのビジネス利用といえば企業の広告が主流だが、これはほんの一段階に過ぎない。次に登場するのは、ネット上での電子決済手段の確立だ。僕もこの点には強い関心を持っている。というのも、いろいろな意味で大きな影響が予想されるからだ。
例えば、日本ではクレジットカード会社は、商品売り上げの7%程度をマージンとして得ている。競争の厳しい米国の場合、これは2%にすぎない。電子決済ができるということは、インターネットを利用したショッピングであれな、日本の小売店でも米国のクレジットカード会社を使った買い物だってできる。そうなれば国内のクレジット会社にとっては死活問題となるかもしれない。こんなことが至る所で起きるはずだ。
Infoseek社(1994年創業)の日本展開のために、共同事業としてInfoseekのサービス提供を開始。デジタルガレージが日本語対応した。その後、1999年に米Infoseekは日本法人を100%子会社にする意向を伝え、デジタルガレージはInfoseekの日本事業の株式を売却。デジタルガレージはInfoseekの株式売却益6.8億円を計上した。
ローソンが通販サイト「@LOWSON」を開設するために、決済システムの構築を東洋情報システム(TIS)とデジタルガレージに依頼した。
TISはJCB向けのクレジットカードシステムを構築しており、デジタルガレージと組むことでネット通販におけるクレジットカード決済の仕組みを実現した。デジタルガレージとしては、ローソンと組んだことで決済代行として台頭するきっかけを掴んだ
2000年6月期におけるデジタルガレージの全社売上高の38%がローソン向けであり、大口顧客となった。
インキュベーション事業(株式投資)として、カカクコムの株式45%を取得した。カカクコムの創業者である槙野光昭氏は引退を考えており、デジタルガレージは株式の大量取得を実施。2003年にカカクコムは株式上場を果たしたことで、デジタルガレージは莫大なリターンを手にした。
デジタルガレージが株式44%を保有していたイーコンテクスト(当時、大阪証券取引所ヘラクレスに上場)の合併を決定。合併比率は(デジタルガレージ:イーコンテクスト)=(1 : 0.61)とし、イーコンテクストは上場廃止へ。コンビニ決済に注力する方向へ
自己資本比率改善のため、カカクコムの株式をカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に20.3%売却。160億円の特別利益を計上した。デジタルガレージによるカカクコムの保有比率は連結対象ではなくなり、持分法による投資利益の計上のみとなった。この結果、デジタルガレージはカカクコムの売上計上がなくなり、大幅減収となった。