1996年〜 米国から借りたブランドで始めたポータルと、集客を換金する二つの実験
LINEヤフーの業績推移
- 1996年 ヤフーを設立
- 1996年 検索サービスYahoo! Japanのサービス開始
- 1997年 株式を店頭登録
- 1999年 ヤフーのYahoo!ショッピング・Yahoo!オークション同時展開と分かれたECの明暗 同じ集客基盤から出した二事業が、なぜ対照的な軌跡をたどったのか
- 2000年 ピーアイエム(電脳隊)を吸収合併
- 2001年 「Yahoo!オークション」で本人確認と補償制度を有料化
- 2001年 ヤフーのYahoo! BB参入とモデム販売収入への傾斜 広告で稼ぐ高収益ポータルは、なぜソフトバンクのADSL賭博で低採算のハード販売を抱え込んだのか
ソフトバンクと米Yahooの合弁による設立とポータルの立ち上げ
1996年1月、インターネット上の情報検索サービスを日本で提供することを目的に、東京都中央区日本橋浜町でヤフー株式会社が設立された[1]。出資比率はソフトバンクが60%、米Yahooが40%[2]で、設立時に取締役として加わったソフトバンク出身の井上雅博氏が同年7月に代表取締役社長へ就任した[3]。米Yahooとのライセンス契約で「Yahoo!」商標の独占使用権を確保した一方、ブランドの使用は日本国内に限られた[4]。同年4月には日本語での情報検索サービス「Yahoo! JAPAN」を開始し[5]、1997年11月には店頭登録銘柄として株式を公開した[6]。
- LINEヤフー 有価証券報告書 第30期(2025年3月期)【沿革】
- [1]1996年1月 東京都中央区日本橋浜町にヤフー㈱を設立
- [5]1996年4月 日本語での情報検索サービス「Yahoo! JAPAN」を開始
- [6]1997年11月 店頭登録銘柄として株式を公開
- [2]設立時の出資比率 ソフトバンク60%・米Yahoo40%
- ヤフー 有価証券報告書 第7期(2002年3月期)【役員の状況】
- [3]井上雅博氏 1996年1月取締役・同年7月代表取締役社長
- 週刊東洋経済 2016年7月2日号「巻頭特集 ヤフージャパン 21年目の再始動」
- [4]米Yahooとのライセンス契約でブランド使用は日本国内に限定
Yahoo! JAPANは人力で分類したディレクトリ型の検索を軸に、ニュースや天気などの外部コンテンツを取り込んで総合ポータルへ広げた[7]。1日あたりのページビューは1997年7月に500万、2000年7月に1億へ達し[8]、日本のインターネット利用者の7割以上が月に1度以上トップページを訪れた[9]。集めた閲覧を広告在庫として売る事業の規模はなお小さく、1999年3月期の売上高は19億円、経常利益は4億円だった[10]。それでも1999年4月に株価は6000万円まで上がり、時価総額は8000億円を超え、株価収益率は850倍に達した[11]。
- 週刊東洋経済 2004年11月6日号「熱いぞ!ネット企業 ヤフー、楽天、グーグルのすべて」
- [7]ニュース・天気などの外部コンテンツを取り込み総合ポータルへ拡張
- ヤフー 有価証券報告書 第7期(2002年3月期)
- [8]1日のページビュー 1997年7月500万・2000年7月1億
- 週刊東洋経済 1999年6月12日号「高株価ヤフーの行方 “ヤフー”の一寸先は闇」
- [9]日本のインターネット利用者の7割以上が月1回以上トップページを訪問
- [10]1999年3月期 売上高19億円・経常利益4億円
- [11]1999年4月 株価6000万円・時価総額8000億円超・株価収益率850倍
- LINEヤフー 有価証券報告書 第30期(2025年3月期)【沿革】
- [1]1996年1月 東京都中央区日本橋浜町にヤフー㈱を設立
- [5]1996年4月 日本語での情報検索サービス「Yahoo! JAPAN」を開始
- [6]1997年11月 店頭登録銘柄として株式を公開
- [2]設立時の出資比率 ソフトバンク60%・米Yahoo40%
- ヤフー 有価証券報告書 第7期(2002年3月期)【役員の状況】
- [3]井上雅博氏 1996年1月取締役・同年7月代表取締役社長
- 週刊東洋経済 2016年7月2日号「巻頭特集 ヤフージャパン 21年目の再始動」
- [4]米Yahooとのライセンス契約でブランド使用は日本国内に限定
- 週刊東洋経済 2004年11月6日号「熱いぞ!ネット企業 ヤフー、楽天、グーグルのすべて」
- [7]ニュース・天気などの外部コンテンツを取り込み総合ポータルへ拡張
- ヤフー 有価証券報告書 第7期(2002年3月期)
- [8]1日のページビュー 1997年7月500万・2000年7月1億
- 週刊東洋経済 1999年6月12日号「高株価ヤフーの行方 “ヤフー”の一寸先は闇」
- [9]日本のインターネット利用者の7割以上が月1回以上トップページを訪問
- [10]1999年3月期 売上高19億円・経常利益4億円
- [11]1999年4月 株価6000万円・時価総額8000億円超・株価収益率850倍
同じ月に始めたショッピングとオークションで分かれた明暗
1999年9月、ヤフーは「Yahoo!ショッピング」と「Yahoo!オークション」を同じ月に開始した[12]。総合モール型のショッピングでは、井上社長が集客力も絶対日本一でなければならないと述べ、オフィスには「打倒楽天」の垂れ幕が掲げられた[13]。しかし出店者への営業支援で先行する楽天と、物流へ投資するアマゾンに対し、ポータルの集客だけでは差を詰められず、2000年代を通じて劣勢が続いた[14]。それでも二事業を同時に立ち上げた時期の単体売上高は、1999年3月期の19.14億円から2000年3月期に56.95億円、2001年3月期に130億円へ伸びた[15]。
- LINEヤフー 有価証券報告書 第30期(2025年3月期)【沿革】
- [12]1999年9月 「Yahoo!オークション」「Yahoo!ショッピング」を開始
- 日経ビジネス 2000年10月16日号「ヤフー・ジャパン独走 ポータルサイト、阻むはケータイか」(日経BP社)
- [13]井上社長「ショッピングの集客力も絶対日本一でなければならない」・オフィスに「打倒楽天」の垂れ幕
- 週刊東洋経済 2016年7月2日号「巻頭特集 ヤフージャパン 21年目の再始動」
- [14]モール型ECで楽天・アマゾンの後塵を拝し10年以上低迷
- ヤフー 有価証券報告書(単体)
- [15]単体売上高 1999年3月期19.14億円→2000年3月期56.95億円→2001年3月期130億円
Yahoo!オークションは開始から参加費を無料に据え[16]、出品者と落札者が互いを呼ぶ関係を先に作った。2000年末には出品数で競合を30倍から70倍引き離し[17]、利用者数と落札金額でも他社を上回った。2001年5月にはサービスの安全性確保を目的として、本人確認と補償制度の提供を骨子とした有料化を始め[18]、本人確認費用は1人月額280円だった[19]。有料化に踏み切っても利用者は離れず[20]、2002年4月には出品システム利用料の課金も始まり[21]、連結売上高は2002年3月期の314億円から2003年3月期に590億円へ伸びた[22]。
- 週刊東洋経済 2003年11月22日号「YAHOO!の人事大研究 ヤフー時価総額3兆円 強さの秘密」
- [16]オークションは参加費無料で開始
- [19]本人確認費用 1人月額280円
- [20]有料化後も利用者は離れず課金モデルが定着
- 日経ビジネス 2000年12月18日号「e革命の勝ち組サイト ヤフー!オークションが断然リード、出品数で30〜70倍の差」(日経BP社)
- [17]オークションの出品数は競合の30〜70倍、利用者数・落札金額でも他社を上回る
- LINEヤフー 有価証券報告書 第30期(2025年3月期)【沿革】
- [18]2001年5月 本人確認と補償制度提供を骨子とした有料化を開始
- [21]2002年4月 出品システム利用料の課金を開始
- ヤフー 有価証券報告書(連結)
- [22]連結売上高 2002年3月期314億円→2003年3月期590億円
- LINEヤフー 有価証券報告書 第30期(2025年3月期)【沿革】
- [12]1999年9月 「Yahoo!オークション」「Yahoo!ショッピング」を開始
- [18]2001年5月 本人確認と補償制度提供を骨子とした有料化を開始
- [21]2002年4月 出品システム利用料の課金を開始
- 日経ビジネス 2000年10月16日号「ヤフー・ジャパン独走 ポータルサイト、阻むはケータイか」(日経BP社)
- [13]井上社長「ショッピングの集客力も絶対日本一でなければならない」・オフィスに「打倒楽天」の垂れ幕
- 週刊東洋経済 2016年7月2日号「巻頭特集 ヤフージャパン 21年目の再始動」
- [14]モール型ECで楽天・アマゾンの後塵を拝し10年以上低迷
- ヤフー 有価証券報告書(単体)
- [15]単体売上高 1999年3月期19.14億円→2000年3月期56.95億円→2001年3月期130億円
- 週刊東洋経済 2003年11月22日号「YAHOO!の人事大研究 ヤフー時価総額3兆円 強さの秘密」
- [16]オークションは参加費無料で開始
- [19]本人確認費用 1人月額280円
- [20]有料化後も利用者は離れず課金モデルが定着
- 日経ビジネス 2000年12月18日号「e革命の勝ち組サイト ヤフー!オークションが断然リード、出品数で30〜70倍の差」(日経BP社)
- [17]オークションの出品数は競合の30〜70倍、利用者数・落札金額でも他社を上回る
- ヤフー 有価証券報告書(連結)
- [22]連結売上高 2002年3月期314億円→2003年3月期590億円
ネット不況下のYahoo! BB参入とモデム販売への傾斜
2000年から2001年にかけてのネット不況で、主力のインターネット広告による収入は急激に落ち込んだ[23]。親会社ソフトバンクの孫社長は2002年1月の中期経営計画説明会で、ソフトバンクがブロードバンドのナンバーワン企業になると宣言した[24]。増資や社債発行が事実上難しくなったソフトバンクにとって、巨額の営業キャッシュフローを稼げる可能性がある新サービスはYahoo! BBだけだ[25]と見られていた。2001年9月にブロードバンド関連の総合サービス「Yahoo! BB」の商用サービスが始まり[26]、通信インフラはグループ各社が出資するBBテクノロジーが担い、中核会社のヤフーがサービスを提供した[27]。
- 日経ビジネス 2002年2月11日号「巨額負債圧縮の切り札か ヤフーBBがつまずけば、事業売却=解体しかない」(日経BP社)
- [23]ネット不況でインターネット広告による収入が急落
- [25]増資・社債発行が困難ななか巨額の営業CFを稼げる新サービスはYahoo! BBのみ
- [27]BBテクノロジーが通信インフラ、中核会社のヤフーがサービスを提供
- 日経ビジネス 2002年2月11日号「特集 ソフトバンク宴の後始末」(日経BP社)
- [24]孫社長 2002年1月の中期経営計画説明会でブロードバンドのナンバーワン企業になると宣言
- LINEヤフー 有価証券報告書 第30期(2025年3月期)【沿革】
- [26]2001年9月 ブロードバンド関連の総合サービス「Yahoo! BB」の商用サービスを開始
ヤフーはソフトバンクが仕入れたモデムをスターターキットに仕立て、加入申込者を付けてBBテクノロジーへ卸し、1台ごとにマージンを取った[28]。井上社長は接続の保証を理由に他社モデムを認定せず、自社が用意したモデムを使ってもらう方針を明言した[29]。無条件にマージンが落ちる構造をヤフーの株価維持対策ではないかと指摘する向き[30]に対し、孫社長は、ヤフーがコストをかけて利用客を獲得している以上マージンは安いくらいだと反論した[31]。2002年4月にはモデム販売から加入者獲得インセンティブ等のモデルへ切り替え[32]、連結売上高は2005年3月期に1177億円、営業利益は601億円へ拡大した[33]。
- 日経ビジネス 2002年2月11日号「巨額負債圧縮の切り札か ヤフーBBがつまずけば、事業売却=解体しかない」(日経BP社)
- [28]モデムをスターターキットに仕立てBBテクノロジーへ卸し1台ごとにマージンを取る収益構造
- [29]井上社長 接続保証を理由に他社モデムを認定しない方針を明言
- [30]無条件にマージンが落ちる構造をヤフーの株価維持対策と指摘する声
- [31]孫社長 コストをかけて利用客を獲得している以上マージンは安いくらいだと反論
- LINEヤフー 有価証券報告書 第30期(2025年3月期)【沿革】
- [32]2002年4月 Yahoo! BBのビジネスモデルをモデム販売から加入者獲得インセンティブ等へ変更
- ヤフー 有価証券報告書(連結)
- [33]連結売上高 2005年3月期1177億円・営業利益602億円
2003年1月に国内初の個人間クレジットカード支払いサービス「Yahoo!ペイメント」を[34]、同年7月には有料会員制サービス「Yahoo!プレミアム」を開始した[35]。2003年10月、ヤフーは東京証券取引所市場第一部へ上場した[36]。当時の時価総額は3兆円で東証全体の1%を占め、22四半期連続の増収増益[37]を続けていた。従業員は約800人、平均年齢は31歳[38]で、評価期間を3か月で区切って四半期ごとに目標設定と評価を繰り返す人事制度[39]を敷いた。利用者数はインターネット利用者の8割にあたる約2100万人に達し、直近決算では楽天に売上高で6倍、営業利益で9倍の差[40]をつけていた。
- LINEヤフー 有価証券報告書 第30期(2025年3月期)【沿革】
- [34]2003年1月 国内初の個人間クレジットカード支払いサービス「Yahoo!ペイメント」を開始
- [35]2003年7月 有料会員制サービス「Yahoo!プレミアム」を開始
- [36]2003年10月 東京証券取引所市場第一部へ上場
- 週刊東洋経済 2003年11月22日号「YAHOO!の人事大研究 ヤフー時価総額3兆円 強さの秘密」
- [37]上場時の時価総額3兆円・東証全体の1%・22四半期連続の増収増益
- [38]従業員約800人・平均年齢31歳
- [39]評価期間を四半期で区切る目標管理制度
- [40]利用者約2100万人(ネット利用者の8割)・楽天比で売上高6倍・営業利益9倍
- 日経ビジネス 2002年2月11日号「巨額負債圧縮の切り札か ヤフーBBがつまずけば、事業売却=解体しかない」(日経BP社)
- [23]ネット不況でインターネット広告による収入が急落
- [25]増資・社債発行が困難ななか巨額の営業CFを稼げる新サービスはYahoo! BBのみ
- [27]BBテクノロジーが通信インフラ、中核会社のヤフーがサービスを提供
- [28]モデムをスターターキットに仕立てBBテクノロジーへ卸し1台ごとにマージンを取る収益構造
- [29]井上社長 接続保証を理由に他社モデムを認定しない方針を明言
- [30]無条件にマージンが落ちる構造をヤフーの株価維持対策と指摘する声
- [31]孫社長 コストをかけて利用客を獲得している以上マージンは安いくらいだと反論
- 日経ビジネス 2002年2月11日号「特集 ソフトバンク宴の後始末」(日経BP社)
- [24]孫社長 2002年1月の中期経営計画説明会でブロードバンドのナンバーワン企業になると宣言
- LINEヤフー 有価証券報告書 第30期(2025年3月期)【沿革】
- [26]2001年9月 ブロードバンド関連の総合サービス「Yahoo! BB」の商用サービスを開始
- [32]2002年4月 Yahoo! BBのビジネスモデルをモデム販売から加入者獲得インセンティブ等へ変更
- [34]2003年1月 国内初の個人間クレジットカード支払いサービス「Yahoo!ペイメント」を開始
- [35]2003年7月 有料会員制サービス「Yahoo!プレミアム」を開始
- [36]2003年10月 東京証券取引所市場第一部へ上場
- ヤフー 有価証券報告書(連結)
- [33]連結売上高 2005年3月期1177億円・営業利益602億円
- 週刊東洋経済 2003年11月22日号「YAHOO!の人事大研究 ヤフー時価総額3兆円 強さの秘密」
- [37]上場時の時価総額3兆円・東証全体の1%・22四半期連続の増収増益
- [38]従業員約800人・平均年齢31歳
- [39]評価期間を四半期で区切る目標管理制度
- [40]利用者約2100万人(ネット利用者の8割)・楽天比で売上高6倍・営業利益9倍