三井系の化学メーカーである三井東圧と三井石油化学は、低迷する化学製品の国内需要に対応すべく、1996年に両社の合併について合意。1997年10月に三井東圧と三井石油化学の合併により、三井化学株式会社を発足した。合併比率は、三井東圧0.6に対して、三井石油化学1.0であり、収益力が相対的に高い三井石油化学に有利な条件で合併した。
なお、同じ三井系の化学メーカーとして「東レ」も合併に参画するかどうかが焦点になったが、東レは単独で収益を確保していたため合併からは距離を取る形となった。
化学を軸としつつ、48の事業を運営する総合化学メーカーとなったが、不採算部門も多く抱えていた。このため、合併翌年の1998年に策定された「中期経営計画」においては、注力分野として17領域に絞り込むなど、事業領域の選定を経営課題に据えた。
1994年に三菱グループにおいて「三菱化成と三菱油化」が合併して三菱化学を発足していた。このため、三井グループとしても化学事業の統合検討が進み、三菱対比で2年遅れで業界再編に追随した。