計画策定の背景
協和キリンは、協和発酵とキリンファーマの統合以降、非中核事業の売却と医薬品事業への集中を進め、日本発のグローバル・スペシャリティファーマ(GSP)としての基盤構築を進めてきた。2010年代後半には、Crysvita、Poteligeo、Nourianzといったグローバル戦略品の上市により、海外売上比率の上昇と収益構造の転換が進展した。
一方、製薬業界では、医療費抑制政策の強化、患者起点医療への転換、デジタル技術の進展など、事業環境が大きく変化している。規模とスケールメリットで競争するメガファーマと、高付加価値製品で存在感を示すスペシャリティファーマへの二極化が進む中、協和キリンは後者としての戦略を明確化する必要に迫られた。
こうした環境認識の下、同社は2025年までの中期経営計画をGSPとしての成長加速フェーズと位置づけ、その先にある2030年を見据え、単なる医薬品提供にとどまらないLife-changingな価値の継続的創出を新たなビジョンとして掲げた。
ビジョンの目的
本ビジョンは、協和キリンが日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、満たされていない医療ニーズ(UMN)に応え続ける存在となることを目的としている。抗体技術を中核としつつ、多様なモダリティやデータ駆動型創薬を組み合わせ、他社が代替できないOnly-one valueを持つ医薬品・サービスを創出する。
また、患者さんを起点とした医療ニーズへの対応、社会からの信頼獲得、高品質な医薬品の安定供給を通じて、長期的に持続可能な事業基盤を構築することを狙いとする。これにより、成長性・収益性・資本効率を同時に高め、2030年以降も継続的に企業価値を創出できる経営モデルへの転換を完了させる。
