長野県で算出する石灰石を原料とし、豊富な水力発電を生かして肥料を製造するために「信越窒素肥料株式会社」が地元の財界人によって設立された。初代社長には小坂順造氏が就任。設立当時は信越地方のローカル企業であり、肥料製造ではイビデン・日本窒素などと競合した。
半導体材料であるシリコンの製造に関する特許実施権を獲得。すでに直江津工場で金属ケイ素を製造していたが、高純度のシリコンを製造するための技術を習得した
米ロビンテック社と合弁で塩ビ生産会社シンテックを設立。ただし塩ビ相場の暴落を受けてロビンテックが撤退を表明したため、1979年に信越化学はシンテックを完全子会社化した
1990年以降、長らく信越化学の経営に従事。金川千尋氏は三井物産を経て1962年に入社。1990年から2010年まで20年にわたって代表取締役社長を歴任。2010年以降は代表取締役会長を歴任。2023年に96歳で逝去
主力事業(半導体向けシリコン・塩ビ・シリコーン)への投資を決断。5年間で4500億円の投資計画を策定し、1000億円をワラントで調達。特に、半導体メーカーによる300mmウエハーの実用化を前に、信越化学は300mm口径のシリコンウエハーの量産を決定
基本的には研究開発力と財務体質が勝負です。言い換えれば総合力。そして基礎体力がなければ負ける。半導体事業は投資リスクの勝負ですから、とことん投資をし続ける。やらなければ勝てない。(略)投資の重点は何にどれだけ投資するかの絶対額、最新の技術を使っているか、そして適地生産という点です。国内にこだわった投資は間違いです。今、半導体シリコンは日本のほか、米国、マレーシア、英国、塩ビは米国で生産しているが、原則は市場の成長力、そしてコストの安さです。
塩ビなどの化学品に加えて、半導体向けシリコンウエハーの好調で増収増益を記録
特に半導体向けの投資がストップ。シリコンウエハーが打撃に