2012年に東京都中央区にて株式会社フランジア・ジャパンが創業された。創業者は平井誠人と藤本一成の2名であり、日本とアジアを軸とした事業展開を目論んで「from Asia(フランジア)」という社名を付けたという。
なお、経営体制の大きな変更が2017年に実施された。2017年にサンアスタリスクの代表取締役に小林泰平(後述するベトナム事業の立役者)が就任し、創業者の一人である平井氏は取締役として経営に関与する体制に変化している。
アジアにおける事業展開を行うためにベトナム法人を設立し、小林泰平がベトナムに移住して海外事業にコミットする。
詳細な経緯は不明だが、サンアスタリスクはベトナムの一流大学の学生に着目し、大学と提携することでプログラミングの講義を行い、卒業生の一部がサンアスタリスクに入社するように促すことでエンジニアを確保した。このため、ベトナムにおける産学連携が、サンアスタリスクの生命線であった。
なお、サンアスタリスクは基幹システムの保守改修は手掛けずに、webサービスの開発にこだわって受託開発の体制を構築した。この結果、レガシーなシステムではなく、当時としてはモダンなweb技術(2010年代のRuby on Rails)を採用したため、最新のweb技術を習得したい学生の囲い込みにも成功した。
結果として、ベトナム現地の学生からも評判となり、サンアスタリスクは受託開発事業における採用面で優位に立つ。2020年時点におけるベトナムでの年間のエンジニア応募数は約1000名に対し、実際に採用するのは10名程度であり、ポテンシャルの高いエンジニアの確保に成功している。
すぐにベトナムで法人をスタートさせ、まずは現地で優秀な人材を集めて育成するところから始めました。当時のベトナムにはコスト削減の目的でオフショア開発拠点が多くあったのですが、新しいサービスをゼロから作るような仕事はありませんでした。才能あふれるエンジニアほどスタートアップに特化した我々の取り組みに注目をしていただき、順調にエンジニア集団は立ち上がっていきました。このような経緯から、創業3年目の2015年にベトナム法人の代表に就任しています。
現地大学の新卒を大量採用し、ベトナム現地法人で数百名の開発体制を整備
ベトナム事業が好調に立ち上がったことを受けて、サンアスタリスクの創業者である平井氏は、2017年に小林泰平がサンアスタリスクの代表取締役に任命した。
なお、サンアスタリスクには社長の役職がなく、代表取締役が実質的な経営のトップを意味する。このため、2017年以降のサンアスタリスクは小林泰平を中心とした経営体制に移行し、東証マザーズへの株式上場を目指した。
サンアスタリスクの顧客は費用を抑えつつwebシステムを開発したい日本のベンチャー企業(ユーザベース、マネーフォワードなど)であった。これらのベンチャー企業は国内におけるエンジニアの確保に難航しており、オフショアの活用を選択した。
なお、サンアスタリスクは、口コミ(飲み会やFacebookにおけるつながり)などによってこれらの顧客を獲得していったという。
我々にとって転機となったのは2017年です。当社のクライアントが1年間に5社ほど上場を迎えました。まだ起業間もないエンジニアチームもなかったような時から並走してきたスタートアップが一つのマイルストーンを迎えるのを相次いで目撃したのです。また、彼らも「スタートアップで開発をお願いするならサンアスタリスクがいい」という口コミを形成してくれました。5年目を迎え、我々自身も多くのことが共通化できてきたという実感もありました。