宇野正晃氏はコスモス薬品の経営に従事し、2023年時点でも会長職(ただし取締役は退任)を歴任。同社を大手ドラッグストアへの発展させた。
1972年に宇野正晃氏(当時26歳)は、東京薬科大学卒業し、地元の宮崎県延岡市にて薬局を創業した。ドラッグストアの本格展開は1983年ないし1993年以降であり、それまでは個人経営に徹していた。
大店法の改正を受けて、人口2万人の小商圏に大型ドラッグストアを展開。医薬品販売の利益で食品の値下げ原資を確保して低価格を志向。生鮮食品は取り扱わないことで、管理・販売コストを低減
九州への集中出店に合わせて大型物流拠点を新設
従業員の生産性を高めるために閉店時間の繰り上げを実施。2003年には20時の閉店に繰り上げる代わりに、来客の多い17時〜19時の店舗接客を充実させる方針を打ち出している(現在は21時閉店)。
コスモス薬品の宇野社長はポイント還元の廃止を決断。すでに2001年に日替わりによる特売を中止しており、2003年のポイント還元廃止によりEDLPを本格化させた。一時的に売上が低迷することが予想されたため、あえて上場前に廃止を決定。EDLP(Every Day Low Price)の小売路線を一層鮮明にした。
なかでも小売業の大先輩であるしまむらの藤原秀次郎会長には3~4カ月に1度はお会いし、「ご講義」いただいている。ポイント還元を廃止したのも、閉店時間を20時に繰り上げたのも、藤原会長の「お客様に公平であれ」「従業員の負担を減らせ」という教えに基づくところが大きい。年に1度は丸1日店を閉めて従業員の慰労会を開くのは、具体的にしまむらをまねしたものだ。九州各県の一流ホテルで合計1億円かけて従業員を労う。実はこの費用よりも、店を1日閉めることでの売り上げ減のほうがインパクトは大きい。だが藤原会長の「仕事は楽しくしようよ」という言葉に突き動かされた。
2004年11月にコスモス薬品は東証マザーズに株式を上場し、54億円を調達した。上場後も創業家の宇野家が株式の過半数を保持する資本政策を選択した。
有価証券報告書を提出して、商品区分を開示。売上構成において、医薬品や化粧品ではなく、食品が牽引していることが明らかにされた。コスモス薬品はドラッグストアでありつつも、需要の大きい食品を安く販売することで、集客を果たした。
本州・四国地区での店舗展開を開始。ドミナント出店を継続
柴田氏が社長就任するが業績の下方修正を発表。横山社長に交代。創業者の宇野会長の影響力か?