バンドマンであった前澤友作氏は、趣味でやっていた輸入CDの販売を本格化させるために、東京都江戸川区に有限会社として「スタートトゥデイ(出資金300万円)」を設立した。有限会社の設立以前にも、前澤氏は自宅(千葉県鎌ヶ谷)を拠点にして、カタログ通販事業を営んでおり、有限会社化はビジネスに本腰を入れる意味合いもあったと推察される。
創業当時は、前澤友作氏のバンド関係の友人の合計3名とともに、CD・レコードの輸入とカタログ販売に従事。ビジネスの規模は「月商は500万円」ほどであったという。
ファッション分野の取り扱い品目を拡大するために、従来のwebのサイトを大幅なリニューアルを決定。2004年12月にセレクトショップを集積したECサイト「ZOZOTOWN」のサービスを開始し、自社で展開した17のセレクトショップのブランドを廃止した。
後払い決済を導入。商品購入後の支払い期限が2ヶ月後に設定することが可能で、コンビニでの支払いに対応した決済方法。購入の機会損失を防止する目論みがあった。債権の回収業務はGMOペイメントサービスが請け負った。利用拡大のために、2017年3月からTV CMによるキャンペーンを展開。
物流拠点の拡張を発表。プロロジスパークつくば1から全フロアを賃貸。つくばにおける年間賃借料は12.3億円(FY2019)
商号をスタートトゥデイからZOZOに変更し、ブランド名と社名を一致させた。
2018年時点において、ZOZOのシステムは完全な内製化ではなく、外部の複数のベンダーに受託しており、AWSアカウントのコスト増加といったボトルネックになっていた。
また、データ分析基盤が整備されておらず解析が難しいといったことが問題視された。
そこで、2020年にZOZOはエンジニアの組織改革を実施。中途採用を積極化することでエンジニアリングの内製化の体制を整えつつベンダーを整理。また分析基盤にはBigQueryを導入するなど、技術的な負債を解消することを目論んだ。
2018年4月、当時ZOZOのエンジニアリング組織には非常に多くの課題がありました。(中略)ZOZOTOWNの主要アーキテクチャは16年前から現在まで一度も変わることなく運営されてきました。それらを構成する技術スタックはVBScript / IIS / SQLServer / オンプレミスとなっており、SQLServer上のストアドプロシージャに全てのロジックが記述されている状態でテストもなく、品質管理チームによる手動テストで品質を担保している状態でした。
ZOZOとしては初となる中計を策定
ZOZOは売上高を順調に伸ばしたものの、ZOZOSUITと海外事業からの撤退を決めた、2019年3月期で上場来初となる減益決算(経常利益257億円・前年同327億円)を計上した。
ヤフージャパンとLINEを主体とするZホールディングがZOZOの買収を決断。なお、2010年からZOZOはヤフーショッピングの連携でヤフージャパンと業務提携しており取引関係にあった。
ZOZOの創業者である前澤友作氏は社長兼CEOを退任して経営の一線から退き、後任には澤田宏太郎が社長兼CEOに就任した。
FY2020の売上高1747億円(YoY+17.4%)、営業利益441億円(YoY+58.3%)を計上。ペイペイモールでのGMVの伸びが寄与しており、ZHDとの競合効果が現れた