1974年5月
リード電機株式会社を設立
1980年
光学センサーの販売を開始
1982年
センサに集中投資。切断機から事業撤退

1982年の時点でキーエンスの祖業であった「自動線材切断機」は営業利益率が20%(1989/5/22日経ビジネス)の高収益事業であったが。しかし、創業者の滝崎武光氏はセンサ事業(営業利益率40%)よりも収益性が低いことを理由に撤退を決断。

また、顧客の一極集中によるリスクを防ぐために、当時、キーエンスの売上高の20%を占めていた某機械メーカーとの取引縮小を決断するなど、値下げ圧力を回避する方向にビジネスを変えた。

1983年
電子部品業界向け光学センサの販売を開始
1984年11月
本社を大阪府高槻市に移転
1985年9月
クレポ株式会社を設立(製造子会社)

製造子会社としてクレボを設立し、全製品のうちノウハウが鍵を握る25%の製品を子会社で生産。残りの75%はファブレスとして協力会社に製造を委託した。キーエンスは製品開発・企画・販売に注力し、採算が悪化する受注生産はせずに、標準品を販売することで利益率の確保を目論んだ。なお、生産量の目安は月産50個〜1万個とレンジが広いが、他社比較で「より多く量産できる個数」を生産量として定義していた。

決算
キーエンスの業績
1986年3月期(単体)
売上高
61
億円
当期純利益
11
億円
1986年
半導体レーザーによるセンサの販売を開始
1986年
商号をキーエンスに変更
1987年
プログラマブルコントローラの販売を開始
1994年8月
大阪市に新本社・研究所を竣工
1999年3月
大幅な減収減益へ

不況により主要顧客である国内製造業の設備投資がストップ。キーエンスも販売不審へ

決算
キーエンスの業績
1999年3月期(連結)
売上高
651
億円
税引利益
131
億円
2000年12月
佐々木道夫氏が代表取締役社長に就任

創業者の滝崎武光氏は会長として経営に従事。以後、キーエンス出身者が社長を歴任する体制へ

決算
キーエンスの業績
2001年3月期(連結)
売上高
1011
億円
税引利益
274
億円
2009年3月
リーマンショックにより大幅減益へ

リーマンショックによる経済不況で、企業の設備投資がストップ。設備投資動向に業績が依存するキーエンスは減収減益に至った。

決算
キーエンスの業績
2009年3月期(連結)
売上高
1653
億円
当期純利益
419
億円
2009年4月
ジャストシステムの株式取得

経営不振に陥っていたジャストシステムを救済するため、第三者割当増資により株式44%を45億円にて取得。異業種ながらも、キーエンスはジャストシステムの開発力を評価して出資を決めた。

2009年
4月
ジャストシステムに出資(45億円)
2012年
12月
小学生向け通信教育「スマイルゼミ」の提供開始
2013年
8月
同社社長に関灘恭太郎氏が就任(キーエンス出身)
2016年
7月
営業支援クラウドサービスJUST.SFAの提供開始
2017年
7月
医療向けデータウェアハウスJUST DWHの提供開始
2018年
3月
業績好調(売上高227億円・経常利益50億円)
決算
キーエンスの業績
2010年3月期(連結)
売上高
1361
億円
当期純利益
376
億円
2015年5月
IRの開示姿勢が投資家から不評

2015年ごろのキーエンスは株主との対話を避ける上場企業として投資家から問題視された。特に余剰となった現金の使い道に関する不透明さが不評を買った。

決算
キーエンスの業績
2016年3月期(連結)
売上高
3792
億円
当期純利益
1371
億円
2021年6月
中田社長の再任賛成比率80%

高収益を確保する一方で、用途がない資金が株主に還元されないこと受けて、海外の機関投資家を中心にキーエンスの経営陣に対する不信感が増大。2022年6月の株主総会において、中田社長に対する取締役の再任賛成比率は80.88%、名誉会長(創業者)である滝崎武光氏の取締役の再任賛成比率は86.69%であり、投資家からの信頼を喪失しつつある。

決算
キーエンスの業績
2022年3月期(連結)
売上高
7551
億円
当期純利益
3033
億円
2023年3月
過去最高益を達成

海外展開の好調で過去最高益へ

決算
キーエンスの業績
2023年3月期(連結)
売上高
9224
億円
当期純利益
3629
億円