| 期 | 区分 | 売上高 | 利益※ | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 2005/3 | 売上高 / 当期純利益 | 14億円 | 2億円 | 19.8% |
| 2006/3 | 売上高 / 当期純利益 | 20億円 | 3億円 | 18.6% |
| 2007/3 | 売上高 / 当期純利益 | 26億円 | 5億円 | 21.2% |
| 2008/3 | 売上高 / 当期純利益 | 34億円 | 9億円 | 26.3% |
| 2009/3 | 売上高 / 当期純利益 | 40億円 | 8億円 | 21.7% |
| 2010/3 | 売上高 / 当期純利益 | 36億円 | 7億円 | 21.3% |
| 2011/3 | 売上高 / 当期純利益 | 50億円 | 12億円 | 24.0% |
| 2012/3 | 売上高 / 当期純利益 | 60億円 | 16億円 | 26.6% |
| 2013/3 | 売上高 / 当期純利益 | 72億円 | 20億円 | 28.7% |
| 2014/3 | 売上高 / 当期純利益 | 105億円 | 33億円 | 31.8% |
| 2015/3 | 売上高 / 当期純利益 | 122億円 | 39億円 | 32.3% |
| 2016/3 | 売上高 / 当期純利益 | 147億円 | 48億円 | 32.9% |
| 2017/3 | 売上高 / 当期純利益 | 190億円 | 61億円 | 32.4% |
| 2018/3 | 売上高 / 当期純利益 | 246億円 | 81億円 | 33.0% |
| 2019/3 | 売上高 / 当期純利益 | 284億円 | 88億円 | 31.1% |
| 2020/3 | 売上高 / 当期純利益 | 320億円 | 102億円 | 31.8% |
| 2021/3 | 売上高 / 当期純利益 | 347億円 | 106億円 | 30.5% |
| 2022/3 | 売上高 / 当期純利益 | 404億円 | 114億円 | 28.2% |
| 2023/3 | 売上高 / 当期純利益 | 413億円 | 98億円 | 23.7% |
| 2024/3 | 売上高 / 当期純利益 | 441億円 | 107億円 | 24.2% |
| 2025/3 | 売上高 / 当期純利益 | 440億円 | 109億円 | 24.7% |
不正会計後の運用変更は、案件の品質確保と引き換えに、成約までの摩擦を増やしやすい。受託件数などの先行指標が伸びても、審査・説明・意思決定が長期化すれば売上計上は遅れ、減収が起きる。仲介モデルでは、量よりも案件の進行設計が業績を規定する局面に入った。
不正会計の公表以降、同社は案件の品質管理と審査体制を強め、営業現場の運用も見直してきた。ただ、顧客の心理や意思決定プロセスは変化し、説明負荷の増加や慎重化により、案件が成約へ至るまでの時間が伸びやすくなっていた。
外部環境でも、業界のルール整備や報道の影響、金利上昇による買い手側の審査厳格化が重なり、案件の進行が鈍化しやすい条件がそろった。先行指標が一定の水準でも、成約の落ち込みが売上に直結する局面となり、減収決算の背景として説明が求められた。
日本M&Aセンターは、2025年3月期に減収を含む決算(および業績見通し)を開示し、成約件数の減少と案件化期間の長期化を主要因として位置づけた。対策として、顧客に寄り添う時間の創出、案件分析の標準化、教育強化などを掲げ、営業活動の質を上げる方針を前面に出した。
一方で、短期に売上を押し上げる施策は示しにくく、回復の道筋は「正常な達成サイクルを取り戻す」ことに置かれた。先行指標の改善を成約へ結び付ける設計が課題となり、組織運用の転換を続けながら、投資家への説明の一貫性も同時に問われた。
減収決算により、先行指標の伸びと売上のズレが明確になった。受託が積み上がっても成約へ至るまでの時間が延びれば、売上計上が後ろ倒しになり、期中の下振れが発生しやすい。業績は、案件の質とスピードの両立が難しい局面にあることを示した。
この局面は、不正会計後の信頼回復と市場環境の変化が同時に進んだ転換点でもある。ルールや審査が厳格化するほど、成約までの摩擦は増える。仲介モデルが「量」から「運用設計」へ移る中で、どの指標を先行管理し、どのタイミングで収益化できるかが継続的な論点となった。
競合環境も変化しています。M&A支援機関は増加傾向にあり、特にここ数年での起業が激増しました。現在、M&A支援機関は約3,000社、そのうちM&A仲介専門会社は約700社が中小企業庁に登録されています(2025年9月22日現在)。この700社の多くはブティックと呼ばれる小規模なM&A仲介専門会社であり、案件の紹介を受けるネットワークを持たないため、ダイレクトメール(DM)やテレアポ、広告営業によって新規受託を獲得しようと奮闘しています。
しかし、健全なガバナンス体制のない会社は次第に誤解を招くような営業手法を用いるケースが見受けられ、結果的に業界全体の業務品質やモラルが疑問視されるような状況となりました。また、多くの仲介会社からのダイレクトマーケティングにより、中堅・中小企業経営者にM&Aの浸透が進んだ一方で、経営者は日々届く多くのDMに対して疲弊しており、反応率は低下しています。同時に不適切な譲受け企業に関する報道によって経営者は慎重になっています。ダイレクトマーケティングしか案件獲得手法を持たない仲介会社は、今後非常に厳しい環境になると考えられます。