更新日2025年61

日本M&Aセンターの歴史

1991年創業。会計事務所と地銀を組織化することでM&Aの情報ネットワークを構築。強力な営業体制により中小企業の事業承継問題の解決に貢献するが、2021年に不正会計が発覚。
1966
分林保弘が日本オリッベティに入社
1966 分林保弘が日本オリッベティに入社
1991
日本エム・アンド・エー・センターを設立
1991 日本エム・アンド・エー・センターを設立
1992
日経新聞に一面広告を出稿
1992 日経新聞に一面広告を出稿
1999
分林保弘が『「中小企業」M&Aの時代が来た! : 後継者問題、相続対策を一挙に解決』を執筆
1999 分林保弘が『「中小企業」M&Aの時代が来た! : 後継者問題、相続対策を一挙に解決』を執筆
2000
全国金融M&A研究会を発足
2000 全国金融M&A研究会を発足
2002
商号を日本M&Aセンターに変更
2002 商号を日本M&Aセンターに変更
2003
本社を東京丸の内1丁目に移転
2003 本社を東京丸の内1丁目に移転
2006
東証マザーズに株式上場
2006 東証マザーズに株式上場
2007
東京証券取引所第一部に株式上場
2007 東京証券取引所第一部に株式上場
2008
矢野経済研究所を持分法適用関連会社化
2008 矢野経済研究所を持分法適用関連会社化
2012
M&Aシニアエキスパート認定制度を開始
2012 M&Aシニアエキスパート認定制度を開始
2013
バンクオブザイヤーの表彰制度を開始
2013 バンクオブザイヤーの表彰制度を開始
2013
名古屋支社設置
2013 名古屋支社設置
2016
シンガポール・オフィス設置
2016 シンガポール・オフィス設置
2016
企業総合評価研究所を設立
2016 企業総合評価研究所を設立
2019
インドネシア駐在員事務所開設
2019 インドネシア駐在員事務所開設
2020
マレーシア駐在員事務所開設
2020 マレーシア駐在員事務所開設
2020
株式会社スピアを株式譲受により完全子会社化(現連結子会社)
2020 株式会社スピアを株式譲受により完全子会社化(現連結子会社)
2021
持株会社制に移行
2021 持株会社制に移行
2021
不正会計が発覚
2021 不正会計が発覚
2024
竹内直樹が代表取締役社長に就任
2024 竹内直樹が代表取締役社長に就任
2024
株式会社日本サーチファンドを設立
2024 株式会社日本サーチファンドを設立
2025
決断
減収決算を発表
不正会計の後遺症に悩む
業績を見る
日本M&Aセンター:売上高 売上
■単体 | ■連結 (単位:億円)
440億円
売上高:2025/3
日本M&Aセンター:売上高_当期純利益率 利益
○単体 | ○連結 (単位:%)
24.7%
利益率:2025/3
業績を見る
区分 売上高 利益※ 利益率
2005/3 売上高 / 当期純利益 14億円 2億円 19.8%
2006/3 売上高 / 当期純利益 20億円 3億円 18.6%
2007/3 売上高 / 当期純利益 26億円 5億円 21.2%
2008/3 売上高 / 当期純利益 34億円 9億円 26.3%
2009/3 売上高 / 当期純利益 40億円 8億円 21.7%
2010/3 売上高 / 当期純利益 36億円 7億円 21.3%
2011/3 売上高 / 当期純利益 50億円 12億円 24.0%
2012/3 売上高 / 当期純利益 60億円 16億円 26.6%
2013/3 売上高 / 当期純利益 72億円 20億円 28.7%
2014/3 売上高 / 当期純利益 105億円 33億円 31.8%
2015/3 売上高 / 当期純利益 122億円 39億円 32.3%
2016/3 売上高 / 当期純利益 147億円 48億円 32.9%
2017/3 売上高 / 当期純利益 190億円 61億円 32.4%
2018/3 売上高 / 当期純利益 246億円 81億円 33.0%
2019/3 売上高 / 当期純利益 284億円 88億円 31.1%
2020/3 売上高 / 当期純利益 320億円 102億円 31.8%
2021/3 売上高 / 当期純利益 347億円 106億円 30.5%
2022/3 売上高 / 当期純利益 404億円 114億円 28.2%
2023/3 売上高 / 当期純利益 413億円 98億円 23.7%
2024/3 売上高 / 当期純利益 441億円 107億円 24.2%
2025/3 売上高 / 当期純利益 440億円 109億円 24.7%
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2025
3月

減収決算を発表

2025/3期 売上高 440億円 当期純利益 109億円
不正会計の後遺症に悩む 概要

不正会計後の運用変更は、案件の品質確保と引き換えに、成約までの摩擦を増やしやすい。受託件数などの先行指標が伸びても、審査・説明・意思決定が長期化すれば売上計上は遅れ、減収が起きる。仲介モデルでは、量よりも案件の進行設計が業績を規定する局面に入った。

背景:不正会計後の信頼回復局面と環境変化

不正会計の公表以降、同社は案件の品質管理と審査体制を強め、営業現場の運用も見直してきた。ただ、顧客の心理や意思決定プロセスは変化し、説明負荷の増加や慎重化により、案件が成約へ至るまでの時間が伸びやすくなっていた。

外部環境でも、業界のルール整備や報道の影響、金利上昇による買い手側の審査厳格化が重なり、案件の進行が鈍化しやすい条件がそろった。先行指標が一定の水準でも、成約の落ち込みが売上に直結する局面となり、減収決算の背景として説明が求められた。

決断:有効策の即効性を示せないまま減収を開示

日本M&Aセンターは、2025年3月期に減収を含む決算(および業績見通し)を開示し、成約件数の減少と案件化期間の長期化を主要因として位置づけた。対策として、顧客に寄り添う時間の創出、案件分析の標準化、教育強化などを掲げ、営業活動の質を上げる方針を前面に出した。

一方で、短期に売上を押し上げる施策は示しにくく、回復の道筋は「正常な達成サイクルを取り戻す」ことに置かれた。先行指標の改善を成約へ結び付ける設計が課題となり、組織運用の転換を続けながら、投資家への説明の一貫性も同時に問われた。

結果:成約減が売上に波及し、低迷局面が可視化

減収決算により、先行指標の伸びと売上のズレが明確になった。受託が積み上がっても成約へ至るまでの時間が延びれば、売上計上が後ろ倒しになり、期中の下振れが発生しやすい。業績は、案件の質とスピードの両立が難しい局面にあることを示した。

この局面は、不正会計後の信頼回復と市場環境の変化が同時に進んだ転換点でもある。ルールや審査が厳格化するほど、成約までの摩擦は増える。仲介モデルが「量」から「運用設計」へ移る中で、どの指標を先行管理し、どのタイミングで収益化できるかが継続的な論点となった。

竹内直樹氏(日本M&Aセンター代表取締役社長) 証言

競合環境も変化しています。M&A支援機関は増加傾向にあり、特にここ数年での起業が激増しました。現在、M&A支援機関は約3,000社、そのうちM&A仲介専門会社は約700社が中小企業庁に登録されています(2025年9月22日現在)。この700社の多くはブティックと呼ばれる小規模なM&A仲介専門会社であり、案件の紹介を受けるネットワークを持たないため、ダイレクトメール(DM)やテレアポ、広告営業によって新規受託を獲得しようと奮闘しています。

しかし、健全なガバナンス体制のない会社は次第に誤解を招くような営業手法を用いるケースが見受けられ、結果的に業界全体の業務品質やモラルが疑問視されるような状況となりました。また、多くの仲介会社からのダイレクトマーケティングにより、中堅・中小企業経営者にM&Aの浸透が進んだ一方で、経営者は日々届く多くのDMに対して疲弊しており、反応率は低下しています。同時に不適切な譲受け企業に関する報道によって経営者は慎重になっています。ダイレクトマーケティングしか案件獲得手法を持たない仲介会社は、今後非常に厳しい環境になると考えられます。


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