ビジネスパーソンに長期視点を普及する
updated:

ZOZOの歴史

前澤友作(ZOZO・創業者)
前澤友作(ZOZO・創業者)
illustration by @yusugiura
1998年

有限会社スタートトゥデイを設立

バンドマンであった前澤友作は、趣味でもあった輸入CDの販売を本格化させるために、東京都江戸川区にスタートトゥデイ(現ZOZO)を設立した。創業当時は前澤友作のバンド関係の友人の合計3名でCDのカタログ通販を作成し、月商は500万円程度だったという。

前澤友作の発言(ZOZO・創業者)
前澤友作の発言(ZOZO・創業者)

最初は音楽から始まりました。僕が欲しいレコードがどこを探しても見つからない。「じゃあ、自分でやっちゃえ」ということで、輸入レコードなどの通信販売を始めました。洋服もそんな感じで、好きなショップの服をまとめて手軽に買えたらと始めたんです。

2008/7/7日経ビジネス「スタートトゥデイ・流行を運ぶ物流の新星」
2000年

カタログ通販から撤退し、ネット通販に前面移行

前澤友作は事業に専念するために2000年にバンド活動を休止し、従来の輸入CDのカタログ販売(月間流通2万部)から撤退し、前面的にネット通販に移行した。また、加えて取り扱い商品の幅を広げるため、アパレルの取り扱いを開始してECサイト「EPROZE」を立ち上げてネット上のセレクトショップをオープンした。なお、ネット通販サイトの開始にあたって、前澤友作がデータベースのテーブル設計に携わっている。

前澤友作の発言(ZOZO・創業者)
前澤友作の発言(ZOZO・創業者)

(筆者注:web技術の)フロント部分は技術革新とともに新しいものが出てくるので、そこはアップデートしながら追随していけばいい。でもデータベース設計はそうそう変わるものじゃない。すべての基礎だと思っているので、そこは自分たちで作ります。それに私はデータベースが好きなんですよ。(中略)大切なのは、その人のセンス。先を見越して設計できるかが大事なんです。特にデータベースはそう。洋服のセンスは関係ないですよ(笑)

2014/3/6日経コンピューター「前澤友作氏」
筆者のエンジニアリングmemo
筆者のエンジニアリングmemo

2000年頃から、ZOZOTOWNにつながるデータベースの運用が開始され、前澤友作自身が将来の大規模化を見越したテーブル設計を行っている。2010年代前半頃までは前澤社長は一部のテーブル設計をレビューするなどシステム面の開発にも関わっていたという。前澤友作が社長でありながらもデータベースマニアだったことが、2005年から2015年頃までのZOZOTOWNの急成長を支える原動力となったと言える。ただし、オンプレが前提だったアーキテクチャーを維持したため、その後のクラウド化の潮流の中でシステムのリプレイスに遅れてしまった側面もある。このため、2018年頃からZOZOはシステムのリプレイスに膨大なリソースを投下している。

2001年

本社を千葉県千葉市美浜区に移転

2004年

ZOZOTOWNを開設

ファッション分野の取り扱い品目を拡大するために、従来のwebのサイトを大幅なリニューアルを決定。2004年12月にセレクトショップを集積したECサイト「ZOZOTOWN」のサービスを開始し、自社で展開した17のセレクトショップのブランドを廃止した。なお、立ち上げ当初は、他社のブランドの誘致に苦戦しており、外部のブランドは3つしか取り扱うことができなかったという。

筆者のエンジニアリングmemo
筆者のエンジニアリングmemo

2004年時点のZOZOTOWNの技術構成は、VBScript + Windows Server(IIS) +SQLServer。基本的には2020年までこのアーキテクチャーを踏襲しており、テストコードは書かずにデバック(QA)を活用し、人海戦術で品質を担保してきたものと推察される。

2005年

ユナイテッドアローズがZOZOTOWNに出店

ZOZOTOWNに店舗を誘致するために、セレクトショップを運営するユナイテッドアローズとの交渉を開始。ユナイテッドアローズの創業者である重松理は、前澤友作と直接会った際に前澤氏がファッション好きであることを高く評価し、ZOZOTOWNに出店することを決断した。当時、著名なセレクトショップが無名のネット企業に出店することは前代未聞であったが、ZOZOTOWNのファッションECサイトとしての格を高める布石となった。以後、2011年までにZOZOTOWNは、ビームス、シップス、アクアガールなどとも取引を開始する。

前澤友作の発言(ZOZO・創業者)
前澤友作の発言(ZOZO・創業者)

地道な営業に尽きます。メーカーやブランドさんを回って、ウチで扱わせてくださいと正面からお願いするわけです。最初はほとんど断られましたね。でも、そこから何度も何度も通って粘り強く交渉するんです。声をかけるところは僕が好きなブランドばかりだったので、苦ではありませんでした。

2011/5/3日経アソシエ「前澤友作」
大石亜紀子の発言(ZOZO・元取締役)
大石亜紀子の発言(ZOZO・元取締役)

2004年に『ZOZOTOWN』を立ち上げた当時は、“ネットで服が売れるわけない”、“ネットでの洋服販売は安売りのイメージを与える”という障壁があったため、出店の営業は苦労が続きました。そんな折、業界大手のユナイテッドアローズさん(以下、UA)との取引が決まりました。この奇跡的な出会いは、トップ同士が価値観や想いの部分で通じあえたことで叶いましたが、その後、「UAさんが出店しているなら」と他社大手アパレルブランドも出店してくださるようになり、これがその後の『ZOZOTOWN』の出店ブランド増加に影響したのは言うまでもありません。

2006年

千葉県習志野市に物流拠点ZOZOBASEを新設

ZOZOTOWNの運営にあたって、ECサイトの構築から、物流拠点の設置まで、全て内製化を実施。物流機能を強化するために、千葉県に物流拠点ZOZOBASEを新設し、入荷から最短1日以内に商品撮影・採寸(他社基準をZOZOTOWN基準に変換する作業)・データ入力・サイト掲載を完了し、注文があった場合に出荷できる体制を実現した。

前澤友作の発言(ZOZO・創業者)
前澤友作の発言(ZOZO・創業者)

(筆者注:内製化する理由について)自分たちでできることは、自分たちでする。これは当たり前のことだと思います。できないならば、ビジネスに取り入れることが間違いとさえ思います。それに自分たちの手で作業を行うと商品への愛着が深まるという利点だってあります。だから逆に、アウトソーシングを重視している企業に聞きたいんですよ。自分たちでできることを、なぜ外部に任せるのかと。シビアな話をすれば、アウトソーシングは外注先の利益が乗っかるから、結果として価格が高くつきやすい面もあると思います。

2011/5/3日経アソシエ「前澤友作・今の若者は'ぬるい'し、危機感がない」
2007年

東証マザーズに株式上場

2010年

ZOZOTOWNアプリをリリース

スマホの普及を受けて、ZOZOTOWNのスマホアプリをリリース

2012年

東証1部に株式上場

2013年

Twitter炎上を受けて配送料無料化

送料無料化の背景には、前澤友作氏のTwitterでの炎上事件が関係している。ZOZOの顧客と思われる人物がTwitterで「1050円なくせに送料手数料入れたら1750円とかまじ詐欺やろ〜」と指摘ことに対して、前澤友作は「ヤマトの宅配会社の人がわざわざ運んでくれている」「感謝のない人間は二度と注文しなくていい」と応戦してしまい、批判の的となった。これを受けて、ZOZOTOWNでは従来から準備していた送料無料化を打ち出す。

2018年

商号をZOZOに変更

2018年

時価総額1兆円を突破

筆者のエンジニアリングmemo
筆者のエンジニアリングmemo

時価総額1兆円の企業の主力技術がオンプレベースのVBScript。当然、分析基盤も満足に動かせていない。この事実は「新技術はすごい」「データは大事」と評価しがちなエンジニアにとって、耳が痛い話でもある

2018年

システムリプレイスに注力

2018年時点において、ZOZOのシステムは完全な内製化ではなく、外部の複数のベンダーに委託しており、AWSアカウントのコスト増加といったボトルネックになっていた。また、データ分析基盤が整備されておらず解析が難しいといったことが問題視された。そこで、2020年にZOZOはエンジニアの組織改革を実施。中途採用を積極化することでエンジニアリングの内製化の体制を整えつつ、ベンダーを整理。また分析基盤にはBigQueryを導入し、するなど、技術的な負債を解消することを目論んだ。

今村雅幸の発言(ZOZO・執行役員CTO)
今村雅幸の発言(ZOZO・執行役員CTO)

2018年4月、当時ZOZOのエンジニアリング組織には非常に多くの課題がありました。(中略)ZOZOTOWNの主要アーキテクチャは16年前から現在まで一度も変わることなく運営されてきました。それらを構成する技術スタックはVBScript / IIS / SQLServer / オンプレミスとなっており、SQLServer上のストアドプロシージャに全てのロジックが記述されている状態でテストもなく、品質管理チームによる手動テストで品質を担保している状態でした。

2019年

ZホールディングスがTOBにより50.1%のZOZO株を取得

ヤフージャパンとLINEを主体とするZホールディングがZOZOの買収を決断。ZOZOの創業者である前澤友作は社長兼CEOを退任して経営の一線から退き、後任には澤田宏太郎が社長兼CEOに就任した。

関連する企業

競合企業や同じ業種の会社など