キーエンス の歴史

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滝崎武光氏の三度目の起業とリード電機

沿革

1972〜2025年 1972年に滝崎武光氏が兵庫県伊丹市で創業した自動線材切断機の事業が起源。1973年にトヨタ自動車向けに金属板の二枚重ねを検出する装置を開発し、顧客が得る効果で値を決める方針を定めた。直販とファブレスでセンサなどを販売する機器メーカーで、営業利益率は51%、海外比率は67%に達する。

沿革

1972年に滝崎武光氏が兵庫県伊丹市で創業した自動線材切断機の事業が起源。

1973年にトヨタ自動車向けに金属板の二枚重ねを検出する装置を開発し、顧客が得る効果で値を決める方針を定めた。直販とファブレスでセンサなどを販売する機器メーカーで、営業利益率は51%、海外比率は67%に達する。

1972年〜創業期リード電機の創業と切断機撤退によるセンサー専業への転換

  1. 滝崎武光氏がリード電機を創業
  2. 交流磁界センサに参入
  3. リード電機を設立
  4. 光学センサーの販売を開始
  5. センサに集中投資。切断機から事業撤退
  6. 商号をキーエンスに変更
キーエンス売上高1986年3月期60.88億円

1987年〜成長期大阪証券取引所第2部上場と低採算事業を切る高付加価値路線

  1. 大阪証券取引所第2部に株式上場
  2. 「利益率2割の事業も捨てた」——低採算事業を切り高付加価値へ集中する経営を確立
  3. 営業利益を賞与で還元
  4. 新本社・研究所を竣工
キーエンス売上高1991年3月期262億円

1995年〜安定成長期滝崎武光の「センサーメーカーは仮の姿」と直販・ファブレスモデル

  1. 滝崎武光氏が「センサーメーカーは仮の姿」と発言
  2. 直販とファブレスによる高粗利モデルを説明
  3. 大幅な減収減益へ
  4. 佐々木道夫氏が代表取締役社長に就任
  5. リーマンショックにより大幅減益へ
  6. ジャストシステムの株式取得
キーエンス売上高2009年3月期1,653億円

2010年〜安定成長期山本晃則体制での海外直販の本格展開とIR姿勢への批判

  1. 山本晃則氏が代表取締役社長に就任。グローバル展開を本格化
  2. IRの開示姿勢が投資家から不評
キーエンス売上高2018年3月期5,268億円

2019年〜安定成長期中田有・中野鉄也体制での過去最高益

  1. 中田有氏が代表取締役社長に就任
  2. 中田有社長の再任賛成比率80%
  3. 過去最高益を達成
  4. 中野鉄也氏が代表取締役社長に就任
キーエンス売上高2026年3月期11,693億円
長期業績の推移 1982〜2026年

業績

キーエンス:歴代社長と長期業績の推移売上高(億円)純利益率(%)
1982年3月期〜2026年3月期

第1章 1972年〜 リード電機の創業と切断機撤退によるセンサー専業への転換自動線材切断機からFAセンサーへ

筆者考察y.sugiura, author

かつて2度会社を潰したキーエンスの創業者が、三度目の起業で選んだビジネスは、売れる市場ではなく、値段を自分で決められる市場だった。リード電機(現キーエンス)の祖業である自動線材切断機は営業利益率20%を出していたが、創業者の滝崎武光氏は1982年に事業を売却。黒字の事業を捨てられたのは、主力事業に育った金属板二枚送り検出器の高収益を優先したためであった。数億円の金型を守るセンサーに「8万5000円」のプライシングは、原価は値段の根拠にならない。買い手が避けられる損失の大きさが販売価格の根拠になり、その差額がそのまま利益率として残る。こうして、高収益体質のキーエンスが、1980年代の創業期に確立された。

値付けを自分で握るには、二つのものをやめる必要があった。一つは代理店である。他社に無い製品の価値を説明できるのは作った側だけだという理屈から、創業の時点で直販を選んだ。もう一つは工場で、ノウハウの要る25%だけを子会社クレポに残し、残る75%は協力会社へ出し、ファブレスを志向した。そして、付加価値の高い開発と営業の2工程だけを手元に置き、残りは外注を主体とした。1986年3月期に売上高営業利益率39.4%という水準に達した理由は、取捨選択がビジネスとして結実した結果であった。

売上高(単体) 1975年3月期・1985年3月期・1986年3月期(億円)

0.12 75.3 42.25 85.3 60.88 86.3
  • 棒はすべて単体。連結の開示は無い。
  • 1975年3月期は日経ビジネス 1991年6月24日号の会社概要欄が掲げた株式会社化後の初年度売上高1200万円。1985年3月期と1986年3月期は証券 1990年2月号「新規上場会社紹介 株式会社キーエンス」の最近5年間の業績(4,225百万円・6,088百万円)。
  • 1976年3月期から1984年3月期の売上は分からない。

1972年〜二度の倒産を経た三度目の起業による自動線材切断機事業の立ち上げ

滝崎武光氏は1945年に生まれた。1964年に兵庫県立尼崎工業高校を卒業した後、外資系のプラント制御機器メーカーで電子制御を学んだ。最初に独立して興した電子機器メーカーは解散に追い込まれ、次いで興した、機械を組み立てる下請け会社も立ち行かなくなった。それでも1972年3月、27歳で三度目となる起業に踏み切り、兵庫県伊丹市でリード電機を個人創業して自動制御機器と電子応用機器の開発・製造・販売を始めた。手始めの製品は電線メーカー向けの自動線材切断機で、電子制御によって小型化した点を差別化要因に、古河電工や住友電工など尼崎周辺の電線メーカーへ供給した。

  • 証券 1990年2月号
    • [1]滝崎武光氏 1945年生まれ・1964年 尼崎工業高校卒業
  • 日経ビジネス(1989年5月22日)
    • [2]1964年 兵庫県立尼崎工業高校卒、外資系プラント制御機器メーカーなどを経て1972年にリード電機を創業
    • [3]独立して創業した電子機器メーカーは解散、続いて設立した機械関係の組み立て下請け会社も倒産
    • [6]祖業は電線メーカー向けの自動線材切断機
    • [7]電子制御による小型化で古河電工・住友電工など尼崎周辺の電線メーカーへ納入
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [4]1972年3月 兵庫県伊丹市においてリード電機を創立
    • [5]創業時の事業目的は自動制御機器・電子応用機器の開発、製造販売

祖業の自動線材切断機は電線メーカーの製造現場で使う地味な産業用機械だったが、営業利益率は20%に達した。1973年4月には工場自動化用の各種センサを開発し、製造販売を開始した。1974年5月、滝崎武光氏は『産業界の合理化、省力化に対する非常に大きな需要に応えるため、株式会社組織に改組』(証券アナリストジャーナル 1987年12月号)し、兵庫県尼崎市にリード電機株式会社を設立した。個人創業から株式会社化までは2年2カ月を要した。会社を潰さず永続させるにはどうすればよいかという問いから、滝崎武光氏は最小の資本と人で最大の付加価値を上げる合理性の追求へ行き着き、売上規模の拡大よりも利益率を優先する判断基準を据えた。

  • 日経ビジネス(1989年5月22日)
    • [8]切断機は電線メーカー向けの地味な産業機械で売上の約1割
    • [9]自動線材切断機(祖業)の営業利益率 20%
    • [14]会社を永続させる問いから最小の資本と人で最大の付加価値を上げる合理性の追求へ
    • [15]売上規模の拡大より利益率を最優先する判断基準(2度の失敗の教訓)
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [10]1973年4月 工場自動化用の各種センサを開発、製造販売開始
    • [12]1974年5月 株式会社に改組し兵庫県尼崎市にリード電機株式会社を設立
    • [13]個人創業1972年3月から株式会社化1974年5月まで2年2カ月
  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
    • [11]滝崎武光氏の発言(株式会社組織への改組の理由)

株式会社としての初年度にあたる1975年3月期の売上高は1200万円にとどまり、翌年度に黒字へ転じた。創業当時の経営目標は、まず会社を潰さずに続けることであり、与えられた経営資源から最高の結果を引き出すことを滝崎武光氏は自らの務めとした。年商が1億円に達するまでには設立から5年を要したが、続く5年で10億円の水準へ乗り、さらに次の5年で100億円を超えた。5年で10倍という階段を三度上り、設立15年で年商1200万円の企業が100億円規模へ達した。伸び率は設立後13年間を通じて年1.5倍から1.8倍で推移し、増収増益は13期連続に及んだ。倒産を二度経験した創業者が最初に据えたのは成長の速度ではなく、下振れしても潰れない損益の形だった。

  • 日経ビジネス(1991年6月24日)
    • [16]初年度の1975年3月期の売上高 1200万円
    • [17]1976年3月期に黒字転換
  • 日経ビジネス(1995年1月16日)
    • [18]創業当時はまず会社を潰さずに続けることが第一で、与えられた経営資源で最高の結果を引き出すことを自らの務めとした
  • 証券アナリストジャーナル(1988年7月)
    • [19]設立以来 年間売上1億円に5年、次の5年で10億円、さらに次の5年で100億円超
    • [20]5年で10倍のペースで伸び、15年で年間1200万円の企業が100億円に達した
    • [22]設立以来13期連続の増収増益
  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
    • [21]会社設立後13年間の売上の伸び率はおおむね1.5倍から1.8倍
参考文献[1]-[22]
    • [1]滝崎武光氏 1945年生まれ・1964年 尼崎工業高校卒業
  • 日経ビジネス(1989年5月22日)
    • [2]1964年 兵庫県立尼崎工業高校卒、外資系プラント制御機器メーカーなどを経て1972年にリード電機を創業
    • [3]独立して創業した電子機器メーカーは解散、続いて設立した機械関係の組み立て下請け会社も倒産
    • [6]祖業は電線メーカー向けの自動線材切断機
    • [7]電子制御による小型化で古河電工・住友電工など尼崎周辺の電線メーカーへ納入
    • [8]切断機は電線メーカー向けの地味な産業機械で売上の約1割
    • [9]自動線材切断機(祖業)の営業利益率 20%
    • [14]会社を永続させる問いから最小の資本と人で最大の付加価値を上げる合理性の追求へ
    • [15]売上規模の拡大より利益率を最優先する判断基準(2度の失敗の教訓)
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [4]1972年3月 兵庫県伊丹市においてリード電機を創立
    • [5]創業時の事業目的は自動制御機器・電子応用機器の開発、製造販売
    • [10]1973年4月 工場自動化用の各種センサを開発、製造販売開始
    • [12]1974年5月 株式会社に改組し兵庫県尼崎市にリード電機株式会社を設立
    • [13]個人創業1972年3月から株式会社化1974年5月まで2年2カ月
    • [11]滝崎武光氏の発言(株式会社組織への改組の理由)
    • [21]会社設立後13年間の売上の伸び率はおおむね1.5倍から1.8倍
  • 日経ビジネス(1991年6月24日)
    • [16]初年度の1975年3月期の売上高 1200万円
    • [17]1976年3月期に黒字転換
  • 日経ビジネス(1995年1月16日)
    • [18]創業当時はまず会社を潰さずに続けることが第一で、与えられた経営資源で最高の結果を引き出すことを自らの務めとした
    • [19]設立以来 年間売上1億円に5年、次の5年で10億円、さらに次の5年で100億円超
    • [20]5年で10倍のペースで伸び、15年で年間1200万円の企業が100億円に達した
    • [22]設立以来13期連続の増収増益

1973年〜トヨタ自動車向け金属二枚送り検出器の開発とセンサー事業への本格参入

1973年、滝崎武光氏はプレス加工の現場で金型が破損する課題に着目し、磁気を利用して非接触で金属板の二枚送りを検出する金属板二枚送り検出器を開発した。数億円規模の金型を守るセンサーに8万5000円という単価を付け、原価積み上げではなく顧客が得る導入効果を基準に価格を決める付加価値価格の方針を据えた。製品はトヨタ自動車への採用を皮切りに、日産自動車、三菱自動車工業、本田技研工業など主要自動車メーカーへ広がった。1977年時点の品揃えは、この検出器のほか微小位検出スイッチ、D.F DETECTOR、金属片通過確認スイッチ、継目検出器で、いずれも金属を非接触で捉える用途に集中していた。滝崎武光氏は『他社にない製品なので、商社、代理店を通じてPRすると、当社製品の価値がうまく顧客に伝わらない』と述べ、創業時から最終ユーザーへ直接販売する体制を敷いた。

  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [23]1973年4月 工場自動化用の各種センサを開発、製造販売開始
  • 証券 1990年2月号
    • [24]金属板二枚送り検出器は磁気を利用し非接触で金属板の二枚送りを検出。プレス加工で金型を壊すことを防ぐ用途
    • [30]創業時から最終ユーザーへ直接販売
  • 日経ビジネス(1989年5月22日)
    • [25]金属2枚送り検出器の単価 約8万5000円
    • [26]原価積み上げではなく顧客が得る導入効果を基準に価格を決める付加価値価格
    • [27]トヨタ採用を皮切りに日産・三菱自工・本田技研など主要自動車メーカーへ拡大
  • 自動化技術 9巻6号(1977年6月)広告
    • [28]1977年時点の主な製品は微小位検出スイッチ・金属板2枚送り検出器・D.F DETECTOR・金属片通過確認スイッチ・継目検出器
  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
    • [29]滝崎武光氏の発言(代理店を通すと製品価値が顧客に伝わらない)

金属板二枚送り検出器が拠って立ったのは、N極とS極が高速で入れ替わる交流磁界を用いて金属が1枚か2枚かを読み取る原理であり、滝崎武光氏はこの一つの原理から派生する磁気センサーを年に一つか二つの割合で発表し続けた。標準品を全量見込みで量産し、注文を受けてから作る生産はまったく取らないという方針のもと、同社は後発の商品でも業界最多の生産と販売を重ねてシェア首位を得た。最初に採用したのはトヨタ自動車の主力である元町工場だった。約1年後には工場指定を受け、他の主力工場にも広がった。設立以来5年間で積み上げた磁気応用センサーの中から、ミクロン単位の精度をもつ変位センサーを業界で初めて売り出したことが、成長を一段押し上げるきっかけになった。

  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
    • [31]金属板二枚送り検出器の原理は交流磁界(N極とS極が高速に入れかわる磁界)で金属の厚みを測り2枚送りを検出するもの
    • [32]交流磁界を応用した磁気センサーを年間1つないし2つの割合で開発
    • [33]受注生産を一切行わず、すべて見込み生産
    • [34]後発商品でも原則としてその製品を一番多く量産しシェア1位を目指す姿勢
  • 証券アナリストジャーナル(1988年7月)
    • [35]トヨタ自動車の主力元町工場でまず採用され、1年後に全工場で使われるようになった
    • [36]設立からの5年間の磁気応用センサーのうちミクロン単位の精度を出す変位センサーを業界初で発売し、大きく伸びる契機をつかんだ

1982年、滝崎武光氏は営業利益率20%の祖業だった自動線材切断機の製造・販売権を他社へ譲渡した。切断機は売上の約1割を占める黒字事業だったが、商品内容が異なるため開発に無駄が生じる点と、営業利益率40%のFAセンサーへ集中した方が収益力が強まる点を理由に事業から撤退した。翌1983年にかけては、1社で売上の3割近くを占めた大口の機械メーカー向け受注も、経営の安定を損なうとして意図的に絞った。二度の業容縮小はセンサーの商品開発の幅を広げ、取引先は3万5000社に達した。1981年3月期以降、同社は売上高経常利益率35%以上を保った。

  • 日経ビジネス(1989年5月22日)
    • [37]1982年 祖業の切断機事業から撤退しセンサに集中投資
    • [38]自動線材切断機の製造・販売権を他社へ譲渡
    • [39]切断機は売上の約1割を占める黒字事業
    • [40]売却理由は商品内容の相違による開発の無駄と、営業利益率40%のFAセンサーへの集中
    • [41]1983年にかけて1社で売上の3割近くを占めた大口の機械メーカー向け受注を意図的に絞る
    • [42]2度の業容縮小で商品開発の幅が広がり取引先 3万5000社
    • [43]1981年3月期以降 売上高経常利益率 35%以上
参考文献[23]-[43]
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [23]1973年4月 工場自動化用の各種センサを開発、製造販売開始
    • [24]金属板二枚送り検出器は磁気を利用し非接触で金属板の二枚送りを検出。プレス加工で金型を壊すことを防ぐ用途
    • [30]創業時から最終ユーザーへ直接販売
  • 日経ビジネス(1989年5月22日)
    • [25]金属2枚送り検出器の単価 約8万5000円
    • [26]原価積み上げではなく顧客が得る導入効果を基準に価格を決める付加価値価格
    • [27]トヨタ採用を皮切りに日産・三菱自工・本田技研など主要自動車メーカーへ拡大
    • [37]1982年 祖業の切断機事業から撤退しセンサに集中投資
    • [38]自動線材切断機の製造・販売権を他社へ譲渡
    • [39]切断機は売上の約1割を占める黒字事業
    • [40]売却理由は商品内容の相違による開発の無駄と、営業利益率40%のFAセンサーへの集中
    • [41]1983年にかけて1社で売上の3割近くを占めた大口の機械メーカー向け受注を意図的に絞る
    • [42]2度の業容縮小で商品開発の幅が広がり取引先 3万5000社
    • [43]1981年3月期以降 売上高経常利益率 35%以上
    • [28]1977年時点の主な製品は微小位検出スイッチ・金属板2枚送り検出器・D.F DETECTOR・金属片通過確認スイッチ・継目検出器
    • [29]滝崎武光氏の発言(代理店を通すと製品価値が顧客に伝わらない)
    • [31]金属板二枚送り検出器の原理は交流磁界(N極とS極が高速に入れかわる磁界)で金属の厚みを測り2枚送りを検出するもの
    • [32]交流磁界を応用した磁気センサーを年間1つないし2つの割合で開発
    • [33]受注生産を一切行わず、すべて見込み生産
    • [34]後発商品でも原則としてその製品を一番多く量産しシェア1位を目指す姿勢
    • [35]トヨタ自動車の主力元町工場でまず採用され、1年後に全工場で使われるようになった
    • [36]設立からの5年間の磁気応用センサーのうちミクロン単位の精度を出す変位センサーを業界初で発売し、大きく伸びる契機をつかんだ

1983年〜直販体制と標準品特化、付加価値価格という三つの経営原則の確立

創業期に定めた三つの原則が以後の経営の根幹となり、第一は代理店を介さず営業担当が顧客の製造現場へ直接足を運ぶ直販、第二は個々の顧客向けの特注品ではなくニーズを集約した標準品に絞る品揃え、第三は原価ではなく顧客が得る導入効果を基準とする付加価値価格である。計測制御機器や自動化用測定機器の市場規模はそれぞれ数十億円程度と小さく、同社は各製品で市場を創造して高いシェアを占め、プライスリーダーの位置を占めた。1983年には『電子機器、計測器の大手企業をしのぐ競争力を持ち、とくにリードスイッチを応用したレベルセンサーでは30%のシェア』(日経産業新聞 1983年12月1日)を得て、国産レベルセンサーで首位に立った。

  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
    • [44]代理店を介さない直販(滝崎武光氏の発言で確認)
  • 証券 1990年2月号
    • [45]個々のユーザーのニーズに応じた製品ではなくニーズを集約化したものを製品化
    • [47]計測制御機器・自動化用測定機器の市場規模は数十億円程度で各製品が市場を創造しプライスリーダーの位置
  • 日経ビジネス(1995年1月16日)
    • [46]原価ではなく導入効果に見合う価格を付ける付加価値価格
  • 日経産業新聞(1983年12月1日)
    • [48]1983年 リードスイッチ応用レベルセンサーで30%のシェア・国産レベルセンサーの先頭
    • [49]1983年12月時点で国産レベルセンサーの先頭に立つ(記事見出し)

製品群の拡大は段階を追って進み、1980年4月に光電センサの分野へ参入した。1983年4月には電子部品業界や家電業界向けに光ファイバー式のセンサを開発して本格進出を果たし、磁気センサと光電センサという二本の主力を揃えた。1985年3月にはアメリカに現地法人KEYENCE CORPORATION OF AMERICAを設立し、同年9月には大阪府高槻市に製造子会社クレポ株式会社を設立した。ただし自社では具体的な生産を行わず、ノウハウが鍵を握る約25%の製品だけを子会社で作り、残る75%は協力会社へ委託した。1984年11月には本社を大阪府高槻市へ移し、1986年には半導体レーザーを応用したセンサ、1987年9月にはプログラマブル・コントローラーを開発した。

  • 証券 1990年2月号
    • [50]1980年(昭和55年)4月 光電センサの分野へ参入
    • [51]1983年(昭和58年)4月 電子部品業界・家電業界向けに初の光ファイバー式センサを開発し光電センサ分野へ本格進出
    • [52]この時期に主要製品群である磁気センサと光電センサが揃う
    • [55]同社は具体的生産を行わず、生産子会社を含めた外注先に生産を委託
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [53]1985年3月 アメリカに現地法人KEYENCE CORPORATION OF AMERICAを設立
    • [54]1985年9月 大阪府高槻市に製造子会社クレポ株式会社(現キーエンスエンジニアリング)を設立
    • [57]1984年11月 本社を大阪府高槻市に移転
  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
    • [56]ノウハウが鍵を握る25%の製品を100%子会社で生産し、残り75%は協力会社に委託
    • [58]1986年 半導体レーザーを応用したセンサーを開発・1987年9月 プログラマブル・コントローラーを開発

営業所網は1979年9月に開いた東京営業所を起点に全国へ伸び、より多くのユーザーに直接売り込める販売体制ができた。本社のあった大阪府吹田市の江坂地区は、地下鉄に乗れば新幹線の新大阪駅へ5分で着く立地で、研究開発型の若い企業が集まっていたことから"ベンチャービジネスのメッカ"(日経産業新聞 1984年10月5日)と呼ばれていた。社名は1986年10月、リード電機から株式会社キーエンスに改めた。ブランド名と商号をそろえるための変更である。1986年3月期の売上高は60億8800万円で前期から44.1%伸び、売上高営業利益率は39.4%だった。

  • 証券 1990年2月号
    • [59]1979年(昭和54年)9月 関東地方の販売拠点として東京営業所(東京都目黒区)を設置
    • [60]営業所を全国的に展開し、より多くのユーザーに直接営業できる販売網を整備
    • [64]1986年3月期(昭61.3期)売上高 6,088百万円・前期比44.1%増
    • [65]昭61.3期の売上高営業利益率 39.4%(翌昭62.3期は34.7%へ4.7ポイント低下)
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [61]1981年6月 本社を大阪府吹田市に移転(1984年11月に高槻市へ移転するまで吹田市が本社所在地)
    • [63]1986年10月 ブランドと商号の統一を図るため社名を株式会社キーエンスに変更
  • 日経産業新聞(1984年10月5日)
    • [62]江坂地区は「地下鉄で新幹線の新大阪駅までわずか5分」の立地に研究開発型の若い企業が集まり「ベンチャービジネスのメッカ」と呼ばれた
参考文献[44]-[65]
    • [44]代理店を介さない直販(滝崎武光氏の発言で確認)
    • [56]ノウハウが鍵を握る25%の製品を100%子会社で生産し、残り75%は協力会社に委託
    • [58]1986年 半導体レーザーを応用したセンサーを開発・1987年9月 プログラマブル・コントローラーを開発
    • [45]個々のユーザーのニーズに応じた製品ではなくニーズを集約化したものを製品化
    • [47]計測制御機器・自動化用測定機器の市場規模は数十億円程度で各製品が市場を創造しプライスリーダーの位置
    • [50]1980年(昭和55年)4月 光電センサの分野へ参入
    • [51]1983年(昭和58年)4月 電子部品業界・家電業界向けに初の光ファイバー式センサを開発し光電センサ分野へ本格進出
    • [52]この時期に主要製品群である磁気センサと光電センサが揃う
    • [55]同社は具体的生産を行わず、生産子会社を含めた外注先に生産を委託
    • [59]1979年(昭和54年)9月 関東地方の販売拠点として東京営業所(東京都目黒区)を設置
    • [60]営業所を全国的に展開し、より多くのユーザーに直接営業できる販売網を整備
    • [64]1986年3月期(昭61.3期)売上高 6,088百万円・前期比44.1%増
    • [65]昭61.3期の売上高営業利益率 39.4%(翌昭62.3期は34.7%へ4.7ポイント低下)
  • 日経ビジネス(1995年1月16日)
    • [46]原価ではなく導入効果に見合う価格を付ける付加価値価格
  • 日経産業新聞(1983年12月1日)
    • [48]1983年 リードスイッチ応用レベルセンサーで30%のシェア・国産レベルセンサーの先頭
    • [49]1983年12月時点で国産レベルセンサーの先頭に立つ(記事見出し)
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [53]1985年3月 アメリカに現地法人KEYENCE CORPORATION OF AMERICAを設立
    • [54]1985年9月 大阪府高槻市に製造子会社クレポ株式会社(現キーエンスエンジニアリング)を設立
    • [57]1984年11月 本社を大阪府高槻市に移転
    • [61]1981年6月 本社を大阪府吹田市に移転(1984年11月に高槻市へ移転するまで吹田市が本社所在地)
    • [63]1986年10月 ブランドと商号の統一を図るため社名を株式会社キーエンスに変更
  • 日経産業新聞(1984年10月5日)
    • [62]江坂地区は「地下鉄で新幹線の新大阪駅までわずか5分」の立地に研究開発型の若い企業が集まり「ベンチャービジネスのメッカ」と呼ばれた

第2章 1987年〜 大阪証券取引所第2部上場と低採算事業を切る高付加価値路線大証2部上場から東証1部の株価日本一へ

筆者考察y.sugiura, author

株式公開は、この会社にとって資金を取りに行く行事ではなかった。1987年10月の大証2部上場は上場諸費用8億5000万円を伴ったが、それを差し引いてもなお1988年3月期の経常利益は31億5000万円を見込めた。費用を除けば売上高経常利益率42%である。上場は既に出来上がっていた損益の形を外へ示す手続きであり、資金はその副産物だった。滝崎武光氏が公開の条件として挙げたのは社員200〜300人と売上高100億円という自社の到達度であって、相場の環境ではない。ブラックマンデーの直後に公開できたのも、外の相場が良くなるのを待つ理由が無かったからだと見るほうが筋が通る。

1991年4月に株価が任天堂を抜いたとき、滝崎武光氏はそれを発行済株式数次第の数字として退け、株主資本利益率と従業員1人当たり利益へ話を移した。この言い換えは高収益の使い道を示している。原価率20%が生む粗利は、30歳で年収1000万円という待遇と、760人のうち100人を研究開発に置く配置へ回った。値段を高く付けられる構造を、人を高く買う原資に変えたのである。1994年に建てた21階建ての本社へ化石を置き、センサー専業を仮の姿と呼んだのも同じ線上にある。1000億円までは今の製品で届くが、その先の3000億円は別の事業を要するという読みが、専業を否定する言葉の中身だった。守るべきは製品ではなく、値付けの自由を生む仕組みのほうである。

売上高(単体) 1987年3月期〜1991年3月期(億円)

73.21 87.3 101.4 88.3 146.63 89.3 262.67 91.3 上場 大証2部 東証2部 東証・大証1部
  • 1987年10月 大阪証券取引所市場第二部に株式を上場(有価証券報告書【沿革】)
  • 1989年12月 東京証券取引所市場第二部に株式を上場(有価証券報告書【沿革】)
  • 1990年9月 東京証券取引所及び大阪証券取引所市場第一部に上場(有価証券報告書【沿革】)
  • 棒はすべて単体。連結の開示は無い。
  • 1987年3月期から1989年3月期は証券 1990年2月号「新規上場会社紹介 株式会社キーエンス」の最近5年間の業績(7,321百万円・10,140百万円・14,663百万円)。1991年3月期は日経ビジネス 1991年6月24日号の会社概要欄。
  • 1990年3月期の売上は分からない。

1987年〜株式公開の決断とブラックマンデー直後の大証2部上場

滝崎武光社長が株式公開を構想し始めたのは、創業から10年を経て社員200〜300人・売上高100億円という到達点が視野に入った時期である。それまでの経営目標は会社を潰さずに続けることだったが、上場に目処が立った段階で次の水準を1000億円へ置き替え、経営者としての気の持ち方もそこで変わった。滝崎武光氏は後年、『うちの会社から業績を取り除いたら、何も残らないかもしれません』と語った。上場も新本社も社員の士気も、業績が先にあって初めて得られたものだという順序である。1987年3月期の売上高は73億2100万円、前期からの伸びは1.2倍にとどまり、100億円の線はなお先にあった。公開は資金の調達よりも、社内で積んできた数字を外部の物差しに載せる手続きだった。

  • 日経ビジネス(1995年1月16日)
    • [66]創業から10年たって社員200〜300人・売上高100億円という線が見えて上場を考えた
    • [67]創業当時はまず会社を潰さずに続けていくことが第一だった
    • [68]上場に目処がついて次は1000億円と考えたとき経営者としての気の持ち方が変わった
    • [69]滝崎武光氏の発言(業績と会社の関係)
    • [70]業績が良かったからこそ上場も新本社の建設もでき、社員の士気と生産性ももたらされたという認識
  • 証券 1990年2月号
    • [71]1987年3月期(昭62.3期)売上高 7,321百万円
  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
    • [72]1987年3月期の売上は前年比1.2倍の伸びにとどまり経常利益も微増

1987年10月29日、キーエンスは大阪証券取引所市場第二部へ株式を上場した。世界の株式市場が暴落したブラックマンデーの直後という相場環境での公開だった。上場に伴う諸費用8億5000万円は初年度の損益を直撃し、1988年3月期の経常利益は同費用を差し引いて31億5000万円の見込みとなったが、費用を除けば40億円・売上高経常利益率42%の水準にあった。中間期にあたる1987年9月20日現在の売上高は44億6000万円で前年同期比30%増、経常利益は16億4000万円で同36.2%増。月次の伸び率も同年4〜6月の前年比1.2倍から11月には1.5倍まで戻した。公開から数日間は株価が任天堂を上回った。

  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [73]1987年10月 大阪証券取引所市場第二部に株式を上場
  • 証券アナリストジャーナル(1988年7月)
    • [74]1987年10月29日の上場はブラックマンデー直後の厳しい相場のなかでのデビューだった
  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
    • [75]上場諸費用 8億5,000万円
    • [76]1988年3月期の通期予想は売上高95億2,000万円・経常利益31億5,000万円
    • [77]上場費用を除けば経常利益40億円・売上高対経常利益率42%
    • [78]1987年9月20日現在の中間期売上高 44億6,000万円(前年同期比30%増)・経常利益 16億4,000万円(同36.2%増)
    • [79]月次の売上高伸び率は4〜6月が前年比1.2倍、7・8月が1.3倍、9・10月が1.4倍、11月が1.5倍
  • 日経ビジネス(1991年6月24日)
    • [80]大証2部への上場直後、数日間だけ任天堂より株価が高かった

上場前年の1987年3月期は、設立以来おおむね1.5倍から1.8倍で推移してきた伸び率が1.2倍へ落ち、経常利益も微増にとどまった。電機・自動車・精密といった輸出関連の顧客が円高を受けて設備投資を一時的に抑えたことが原因で、不況期には省力化投資としてセンサー需要がむしろ増えるという従来の型が、長期化した円高の前では働かなかった。設備投資と人員を1.5倍に増やしたため経費も同程度に膨らんだ。それでも赤字には遠く、損益分岐点は売上高の約50%、売上高経常利益率は8期連続で35〜40%を保っていた。売上が半分になっても損失を出さない構造が、公開の直前に一度試された形である。

  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
    • [81]会社設立後13年間の伸び率はおおむね1.5〜1.8倍だったが1987年3月期は1.2倍
    • [82]1987年3月期の経常利益は微増にとどまった
    • [83]電機・自動車・精密など輸出関連業界の顧客が円高のため設備投資を一時的に抑えた
    • [84]通常は不景気や円高になると省力化投資として自動化用センサーの需要が増えるが、長期化した円高では市場の冷え込みが影響した
    • [85]設備投資と人員を1.5倍に増やしたため経費も同程度の増となった
  • 証券アナリストジャーナル(1988年7月)
    • [86]損益分岐点は売上高の約50%
    • [87]売上高対経常利益率は8期連続で35〜40%で推移
    • [88]売上が半分になっても赤字にならない体質
参考文献[66]-[88]
  • 日経ビジネス(1995年1月16日)
    • [66]創業から10年たって社員200〜300人・売上高100億円という線が見えて上場を考えた
    • [67]創業当時はまず会社を潰さずに続けていくことが第一だった
    • [68]上場に目処がついて次は1000億円と考えたとき経営者としての気の持ち方が変わった
    • [69]滝崎武光氏の発言(業績と会社の関係)
    • [70]業績が良かったからこそ上場も新本社の建設もでき、社員の士気と生産性ももたらされたという認識
    • [71]1987年3月期(昭62.3期)売上高 7,321百万円
    • [72]1987年3月期の売上は前年比1.2倍の伸びにとどまり経常利益も微増
    • [75]上場諸費用 8億5,000万円
    • [76]1988年3月期の通期予想は売上高95億2,000万円・経常利益31億5,000万円
    • [77]上場費用を除けば経常利益40億円・売上高対経常利益率42%
    • [78]1987年9月20日現在の中間期売上高 44億6,000万円(前年同期比30%増)・経常利益 16億4,000万円(同36.2%増)
    • [79]月次の売上高伸び率は4〜6月が前年比1.2倍、7・8月が1.3倍、9・10月が1.4倍、11月が1.5倍
    • [81]会社設立後13年間の伸び率はおおむね1.5〜1.8倍だったが1987年3月期は1.2倍
    • [82]1987年3月期の経常利益は微増にとどまった
    • [83]電機・自動車・精密など輸出関連業界の顧客が円高のため設備投資を一時的に抑えた
    • [84]通常は不景気や円高になると省力化投資として自動化用センサーの需要が増えるが、長期化した円高では市場の冷え込みが影響した
    • [85]設備投資と人員を1.5倍に増やしたため経費も同程度の増となった
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [73]1987年10月 大阪証券取引所市場第二部に株式を上場
    • [74]1987年10月29日の上場はブラックマンデー直後の厳しい相場のなかでのデビューだった
    • [86]損益分岐点は売上高の約50%
    • [87]売上高対経常利益率は8期連続で35〜40%で推移
    • [88]売上が半分になっても赤字にならない体質
  • 日経ビジネス(1991年6月24日)
    • [80]大証2部への上場直後、数日間だけ任天堂より株価が高かった

1988年〜見込み生産の標準品と直販が支えた原価率20%の損益構造

営業担当は顧客から得た情報を開発部門に渡すものの、何を求めているかという要望の中身までは渡さない。顧客の声から開発を始めない、という方針があるためである。要望が出てから着手すると1、2年のうちに他社からも似た製品が並び、値段は競り合いで決まる。こうして1988年時点で持っていた製品は大分類で30数アイテムあり、うち90%が業界初のオリジナルで、そのまた70%が独占市場だった。狙うのは顧客自身がまだ気づいていない潜在需要であり、他社に無い製品を最初に出せばプライスリーダーとして価格を一方的に設定できる。クリーンルームで使えるもの、超小型のものというように特徴を絞った品揃えは、オムロン、アンリツ、松下電工といった同業と正面から競合しない位置を作った。

  • 日経ビジネス(1991年6月24日)
    • [89]営業は開発陣に顧客の情報を伝えるが「こんなものが欲しい」という要望は伝えない
    • [93]開発陣は顧客自身が気づいていない潜在需要を掘り起こす
    • [95]クリーンルーム用や超小型など特徴のはっきりした製品に絞ったためオムロン・アンリツ・松下電工と正面からぶつからない
  • 証券アナリストジャーナル(1988年7月)
    • [90]開発ポリシーとして顧客の要望は聞かないというマーケティング戦略を採った
    • [91]顧客の要望を受けて開発に入ると1〜2年先に同種の製品が各社から出て価格が競争のなかで決まる
    • [92]1988年時点の製品は大きく分類して30数アイテム、うち90%がオリジナル(業界初)でその70%が独占市場
    • [94]他社にない製品はプライスリーダーとなり一方的に価格設定を行える

1989年3月期の売上構成は、光学・磁気センサーを中心とする検出制御機器が54.2%、検査・監視センサーなどの計測制御機器が33.5%、レーザ変位計や外径測定器などの自動化用測定機器が12.3%だった。計測制御機器はほとんど競合がなくシェアは98〜99%に達していた。三つの製品群を貫いていたのが、原価率20%・売上総利益80%という損益の形である。受注生産を一切行わず、自社の危険負担で生産計画を立てて標準品だけを売るため、個別の設計費と生産管理費が発生しない。加えて商社を通さない直販が流通の取り分を抑えた。粗利80%から経費40%弱を引いた残りが営業利益40%という構成は、値付けと原価と販路の三つが同じ方向を向いたときにだけ成り立つ。

  • 証券アナリストジャーナル(1990年2月)
    • [96]1989年3月期の品目別売上構成比は検出制御機器54.2%・計測制御機器33.5%・自動化用測定機器12.3%
    • [98]原価率は約20%、売上総利益は80%
    • [99]受注生産をやらず、すべて自社のリスクで生産計画を立てて標準品を販売する
    • [100]顧客の要望を受けて生産すれば設計費や生産管理費がかかるが、標準品ではそれを節減できる
    • [101]先端技術商品は流通業者を通した販売が難しいため直接コンサルティング販売を行い、結果として流通マージンが低く抑えられた
    • [102]粗利益80%に対し経費が40%足らずで営業利益が約40%
  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
    • [97]計測制御機器はほとんど独占市場でシェアは98〜99%

生産の内訳は、ノウハウ性の高い約25%を100%出資子会社のクレポが担い、残る75%を協力会社へ委託する体制であり、キーエンス本体にはブルーカラー社員が一人もいなかった。生産工程は同じ作業の繰り返しであるため付加価値が低く、他社との差異化も利きにくい。そこで、どこでも作れる商品と価格競争の厳しい商品は外へ出し、技術の独自性が高い2〜3割だけを自社系列に残した。本体が抱えたのは生産管理と生産技術と品質管理で、労務管理は協力会社が引き受けた。物流も同じ考えで、商品センターは本社近くの1か所のみとし、全国への配送は宅配便を使って受注の翌日に届けた。伝票の発行も請求も集金も本社で一括し、営業所には顧客と関わる伝票を置かなかった。

  • 証券アナリストジャーナル(1990年2月)
    • [103]全生産量の約25%のノウハウ性の高い製品を100%出資子会社クレポで生産し、残る約75%を協力会社に委託
    • [104]当社にはブルーカラー社員が一人もいない(付加価値の低い仕事をやらない体制)
  • 日経ビジネス(1991年6月24日)
    • [105]生産工程は同じことの繰り返しで付加価値が低く、他社との差異化がしにくい
    • [106]どこでも生産できる商品・価格競争が厳しく利益率が低い商品はほとんど外注し、技術の独自性が高い2〜3割だけを100%子会社で生産
  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
    • [107]生産管理・生産技術・品質管理を中心に力を注ぎ、労務管理は協力会社が中心に運営
    • [110]伝票・請求書の発行や集金業務は本社で一括し、営業所では社内伝票以外の顧客に関わる伝票類を使わない
  • 証券アナリストジャーナル(1988年7月)
    • [108]商品センターは本社近くの1か所のみ
    • [109]配送は全国にわたって宅配便を利用し、当日受注したものを翌日届ける
参考文献[89]-[110]
  • 日経ビジネス(1991年6月24日)
    • [89]営業は開発陣に顧客の情報を伝えるが「こんなものが欲しい」という要望は伝えない
    • [93]開発陣は顧客自身が気づいていない潜在需要を掘り起こす
    • [95]クリーンルーム用や超小型など特徴のはっきりした製品に絞ったためオムロン・アンリツ・松下電工と正面からぶつからない
    • [105]生産工程は同じことの繰り返しで付加価値が低く、他社との差異化がしにくい
    • [106]どこでも生産できる商品・価格競争が厳しく利益率が低い商品はほとんど外注し、技術の独自性が高い2〜3割だけを100%子会社で生産
    • [90]開発ポリシーとして顧客の要望は聞かないというマーケティング戦略を採った
    • [91]顧客の要望を受けて開発に入ると1〜2年先に同種の製品が各社から出て価格が競争のなかで決まる
    • [92]1988年時点の製品は大きく分類して30数アイテム、うち90%がオリジナル(業界初)でその70%が独占市場
    • [94]他社にない製品はプライスリーダーとなり一方的に価格設定を行える
    • [108]商品センターは本社近くの1か所のみ
    • [109]配送は全国にわたって宅配便を利用し、当日受注したものを翌日届ける
    • [96]1989年3月期の品目別売上構成比は検出制御機器54.2%・計測制御機器33.5%・自動化用測定機器12.3%
    • [98]原価率は約20%、売上総利益は80%
    • [99]受注生産をやらず、すべて自社のリスクで生産計画を立てて標準品を販売する
    • [100]顧客の要望を受けて生産すれば設計費や生産管理費がかかるが、標準品ではそれを節減できる
    • [101]先端技術商品は流通業者を通した販売が難しいため直接コンサルティング販売を行い、結果として流通マージンが低く抑えられた
    • [102]粗利益80%に対し経費が40%足らずで営業利益が約40%
    • [103]全生産量の約25%のノウハウ性の高い製品を100%出資子会社クレポで生産し、残る約75%を協力会社に委託
    • [104]当社にはブルーカラー社員が一人もいない(付加価値の低い仕事をやらない体制)
    • [97]計測制御機器はほとんど独占市場でシェアは98〜99%
    • [107]生産管理・生産技術・品質管理を中心に力を注ぎ、労務管理は協力会社が中心に運営
    • [110]伝票・請求書の発行や集金業務は本社で一括し、営業所では社内伝票以外の顧客に関わる伝票類を使わない

1990年〜東証1部上場と株価日本一、給与日本一を掲げた社員への分配

1989年12月に東京証券取引所市場第二部へ上場し、翌1990年9月には東証と大証の市場第一部へ移った。大証2部での公開から3年足らずである。1991年3月期の売上高は262億6700万円、経常利益は129億2800万円に達し、売上高経常利益率は49%となった。同年4月下旬には株価が任天堂を抜き、以後しばらく日本一の水準が続いた。滝崎武光氏は『株価は発行済み株式数に左右されますから、あまり意味がない』と語った。経営が見るべき指標は株主資本利益率と従業員1人当たり利益だという立場である。公募増資で得た資金は一時的に手元へ滞留し、大阪・東京・名古屋の研究所と営業所の建設に充てる計画が置かれていた。

  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [111]1989年12月 東京証券取引所市場第二部に上場、1990年9月 東京証券取引所及び大阪証券取引所市場第一部に上場
    • [112]1987年10月の大証2部上場から1990年9月の1部上場まで3年足らず
  • 日経ビジネス(1991年6月24日)
    • [113]1991年3月期 売上高 262億6700万円・経常利益 129億2800万円
    • [114]1991年4月下旬に任天堂を追い抜いて以来、株価日本一が続いた
    • [115]滝崎武光氏の発言(株価の首位について)
    • [116]経営にとって大事なのは株主資本利益率と従業員1人当たり利益だという考え
  • 証券アナリストジャーナル(1990年2月)
    • [117]公募増資による調達資金が一時的に滞留しており、大阪・東京・名古屋などの研究所・営業所の建設資金に充てる計画

1991年時点の社員は760人で、うち約100人が研究開発に携わった。平均年齢は28歳と若く、給与はメーカーのなかでも上位にあり、30歳を過ぎれば年収1000万円に達する水準だった。特別な給与体系を敷いたわけではないと断りつつ、滝崎武光氏は『将来は株価だけではなく、給与も日本一にしたい』と語った。役職の配り方も年齢構成に合わせ、課長の職位は30歳を超えてから与えた。30歳で部長に就けば、役員へ上がらない限り退職まで同じ職位にとどまる者が出るという理由である。直販の営業要員は1988年の約180人から1990年には250人へ増え、さらに1000人規模まで広げる方針が置かれた。人を増やすほど1人当たりの利益は薄まるはずで、待遇を上げ続けられたのは値付けの自由が手元にあったからである。

  • 日経ビジネス(1991年6月24日)
    • [118]1991年時点の社員760人のうち約100人が研究開発に従事
    • [119]従業員の平均年齢 28歳
    • [120]メーカーではトップクラスの給与を支払い、30歳過ぎで年収1000万円に手が届く
    • [121]滝崎武光氏の発言(給与の水準について)
    • [122]課長のポストは30歳を超えてから与える
    • [123]30歳で部長になれば役員にならない限り退職まで同じポストにとどまる者が出る
  • 証券アナリストジャーナル(1990年2月)
    • [124]営業マンは1988年に約180名、1990年時点で直販営業マン250人を1000人程度まで増員する方針

新本社と研究所の建物は、淀川のほとりに建つ21階建てのビルだった。完成は1994年8月で、場所は大阪市、本社の機能もここへ移った。滝崎武光氏は植栽の一本に至るまで自分で監修し、そこに創業21年目で一から出直すという意図を込めた。建設と並行して、社内では経営理念を改めるかどうかも話し合われた。議論は重ねられたものの、理念の中身は手つかずのまま残された。理念が創業時から動いていないことを示すしるしとして、館内には化石が置かれた。化石に託した意味は『適者生存、環境に合わせて生きていくということです』で、三葉虫や恐竜のような滅びる側には回らないという戒めでもある。センサーを主力とする今の形は、会社の規模に合わせた当座のものにとどまり、専業のメーカーを目指す考えは最初からなかった。社内には3000億円という目標があり、1000億円まではFA用センサーを主力とする構造のまま到達できると見ていた。

  • 日経ビジネス(1995年1月16日)
    • [125]新本社ビルは21階建てで、最上階から淀川を隔てて大阪の高層ビル群を望む
    • [127]21年目にまたゼロからスタートする思いを込め、滝崎武光氏が植木1本からすべてを監修して建てた
    • [128]ビル建設に合わせて経営理念も変えようと議論したが結局変わらなかった
    • [129]創業当時から変わらない理念を象徴するものとしてビルに化石を置いた
    • [130]滝崎武光氏の発言(化石に込めた意味)
    • [131]化石には三葉虫や恐竜のように滅びたものもあれば環境に合わせて進化し生き延びたものもある、という対比
    • [132]センサー事業が中心なのは現在の姿にすぎず、センサーの専業メーカーになろうという気持ちは初めから無かった
    • [133]社内目標は3000億円で、1000億円まではFA用センサーを主力にした今の形で到達できると見ていた
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [126]1994年8月 大阪市に新本社・研究所を竣工し本社を移転
参考文献[111]-[133]
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [111]1989年12月 東京証券取引所市場第二部に上場、1990年9月 東京証券取引所及び大阪証券取引所市場第一部に上場
    • [112]1987年10月の大証2部上場から1990年9月の1部上場まで3年足らず
    • [126]1994年8月 大阪市に新本社・研究所を竣工し本社を移転
  • 日経ビジネス(1991年6月24日)
    • [113]1991年3月期 売上高 262億6700万円・経常利益 129億2800万円
    • [114]1991年4月下旬に任天堂を追い抜いて以来、株価日本一が続いた
    • [115]滝崎武光氏の発言(株価の首位について)
    • [116]経営にとって大事なのは株主資本利益率と従業員1人当たり利益だという考え
    • [118]1991年時点の社員760人のうち約100人が研究開発に従事
    • [119]従業員の平均年齢 28歳
    • [120]メーカーではトップクラスの給与を支払い、30歳過ぎで年収1000万円に手が届く
    • [121]滝崎武光氏の発言(給与の水準について)
    • [122]課長のポストは30歳を超えてから与える
    • [123]30歳で部長になれば役員にならない限り退職まで同じポストにとどまる者が出る
    • [117]公募増資による調達資金が一時的に滞留しており、大阪・東京・名古屋などの研究所・営業所の建設資金に充てる計画
    • [124]営業マンは1988年に約180名、1990年時点で直販営業マン250人を1000人程度まで増員する方針
  • 日経ビジネス(1995年1月16日)
    • [125]新本社ビルは21階建てで、最上階から淀川を隔てて大阪の高層ビル群を望む
    • [127]21年目にまたゼロからスタートする思いを込め、滝崎武光氏が植木1本からすべてを監修して建てた
    • [128]ビル建設に合わせて経営理念も変えようと議論したが結局変わらなかった
    • [129]創業当時から変わらない理念を象徴するものとしてビルに化石を置いた
    • [130]滝崎武光氏の発言(化石に込めた意味)
    • [131]化石には三葉虫や恐竜のように滅びたものもあれば環境に合わせて進化し生き延びたものもある、という対比
    • [132]センサー事業が中心なのは現在の姿にすぎず、センサーの専業メーカーになろうという気持ちは初めから無かった
    • [133]社内目標は3000億円で、1000億円まではFA用センサーを主力にした今の形で到達できると見ていた

第3章 1995年〜 滝崎武光の「センサーメーカーは仮の姿」と直販・ファブレスモデル

1995年〜設備を持たないファブレスと、社員の増加で下がった新製品の打率

3000億円の社内目標を掲げた滝崎武光社長は1995年1月、規模の拡大を望みつつ『値段を安くして量を増やすという方法だけでは、最悪なんですね』と語った。滝崎武光社長は、コスト削減だけでは付加価値は生まれず、付加価値を加えた製品の価格は従来品を上回るのが自然だと考えた。企画と開発を手元に置き、生産を外部へ委託するファブレス経営はこの時期も続いた。1997年3月には、設備を持つ会社は稼働を保つために仕事を探す必要があり、名の通った会社から受託の打診が来るほどだと説明した。売上高は1995年3月期の387億円から、1996年3月期に490億円へ増加した。工場の稼働を埋めるために値引きするという動機を、ファブレスは最初から生まなかった。

  • 日経ビジネス(1995年1月16日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [134]滝崎武光社長は規模は大きくしたいとしつつ、値段を下げて量を増やす方法だけでは最悪だと答えた(1995年1月)
    • [135]コストダウンをするだけならメーカーではなく製造“業者”で、付加価値を付けたモノ作りをすれば値段は従来より高くなるのが普通とした
  • 日経ビジネス(1997年3月3日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [136]商品の企画・開発を自ら手がけ生産は外注するファブレス経営を続けていた(1997年3月時点)
    • [137]設備投資をすれば設備を遊ばせないようにしなければならず、有名な会社から仕事がないかと打診されることもあり、自前の設備の方がずっと大変とした
  • 会社年鑑 2002年版(キーエンス 連結業績の推移)
    • [138]売上高 1995年3月期387億円、1996年3月期490億円

社員が増えて開発に携わる人が広がるにつれ、新製品の打率は徐々に下がると、滝崎武光社長は1995年1月に認めた。日常業務やコストダウンの判断は現場に完全に委ねた一方、付加価値を生む開発には再び間接的に関与すると決めた。不況で顧客の予算が絞られて導入の検討が長引き、売上高に占める新製品の比率は低下していた。1997年3月には、開発のタネを多く蒔き、芽が出てから市場浸透の時間と1人当たり付加価値で間引く手順を示した。売上高は1997年3月期に589億円となった。権限を委ねるほど下がる打率を、創業者の目利きと間引きの規律で補う体制だった。

  • 日経ビジネス(1995年1月16日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [139]社員が増えいろいろな人が商品開発に携わるようになると、新製品の打率は徐々に下がると答えた
    • [140]日常業務・コストダウンなど効率にかかわる仕事は完全に権限委譲できており、開発には間接的に自ら関与しなければならないとした
    • [141]不況下で顧客の予算が絞られ検討に時間がかかり、新製品の比率が低下しているのは事実だと認めた
  • 日経ビジネス(1997年3月3日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [142]開発の目安は市場浸透までの時間と1人当たりの付加価値。タネを多く蒔き、芽が出てから間引く
  • 会社年鑑 2002年版(キーエンス 連結業績の推移)
    • [143]売上高 1997年3月期589億円
参考文献[134]-[143]
  • 日経ビジネス(1995年1月16日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [134]滝崎武光社長は規模は大きくしたいとしつつ、値段を下げて量を増やす方法だけでは最悪だと答えた(1995年1月)
    • [135]コストダウンをするだけならメーカーではなく製造“業者”で、付加価値を付けたモノ作りをすれば値段は従来より高くなるのが普通とした
    • [139]社員が増えいろいろな人が商品開発に携わるようになると、新製品の打率は徐々に下がると答えた
    • [140]日常業務・コストダウンなど効率にかかわる仕事は完全に権限委譲できており、開発には間接的に自ら関与しなければならないとした
    • [141]不況下で顧客の予算が絞られ検討に時間がかかり、新製品の比率が低下しているのは事実だと認めた
  • 日経ビジネス(1997年3月3日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [136]商品の企画・開発を自ら手がけ生産は外注するファブレス経営を続けていた(1997年3月時点)
    • [137]設備投資をすれば設備を遊ばせないようにしなければならず、有名な会社から仕事がないかと打診されることもあり、自前の設備の方がずっと大変とした
    • [142]開発の目安は市場浸透までの時間と1人当たりの付加価値。タネを多く蒔き、芽が出てから間引く
  • 会社年鑑 2002年版(キーエンス 連結業績の推移)
    • [138]売上高 1995年3月期387億円、1996年3月期490億円
    • [143]売上高 1997年3月期589億円

1997年〜将来を考えない役員が規律を乱すという戒めと、株主からみた企業価値3位

1997年3月期に当期純利益134億円を計上するなか、滝崎武光社長が警戒したのは役員の規律の緩みだった。取締役は社長を含めて4人で、権限を現場に下ろしたうえ、30代で取締役にすれば外せなくなるとして増やさなかった。大企業では会長・監査役・相談役に会社の将来を考えない人が座り、規律を乱しているとみた。歯止めとして、役員と年配の社員の退職金や年金を、退職後の会社の業績に応じて数年かけて払う仕組みを検討した。引退の近い者にも会社の将来を見据えさせ、後輩に良い影響を残させる狙いだった。処遇を業績に結びつける考えを、現役の期間から退職後にまで広げた構想だった。

  • 日経ビジネス(1997年3月3日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [144]大企業の悪い面に学ぶとし、将来を考えない役員が規律を乱すと述べた(1997年3月)
    • [146]取締役は社長を含め4人。40歳以上の社員が少なく、30代で取締役にすると外して仕事をさせられないため
    • [147]大企業では会長・監査役・相談役に会社の将来を思って職務に就いているか疑わしい人がおり、社内の規律を乱しているとみた
    • [148]退職金・退職年金を退職後の会社業績に応じて何年間か支払う仕組みを、役員に限らず年配社員も対象に検討していた
    • [149]リタイアが近くても会社の将来を見据えた行動をとり、後輩に良い影響を残そうという意識が働くとした
  • 会社年鑑 2002年版(キーエンス 連結業績の推移)
    • [145]当期純利益 1997年3月期134億円

1998年3月末の時価総額と実質株主資本から試算した1998年7月の企業価値創出度ランキングで、キーエンスは3位だった。キーエンスの創出度は3.84倍、株主からみた企業価値は5511億円だった。1位はセブン‐イレブン・ジャパンの7.94倍、2位はNTTデータ通信の4.68倍で、ファナックは1.01倍の50位だった。記事は上位の共通点を、本業の利益率の高さと経営効率の良さが株式市場で評価されたことに求めた。1998年3月期の売上高は709億円、当期純利益は164億円だった。資本に比べて厚い利益を、株式市場が時価総額で認めた結果の順位だった。

  • 日経ビジネス(1998年7月13日)
    • [150]株主からみた企業価値創出度ランキングでキーエンスは3位
    • [151]株主からみた企業価値=1998年3月末の株式時価総額−連結実質株主資本。創出度はこれを実質株主資本額で割ったもの(連結株主資本500億円以上の上場451社が対象)
    • [152]キーエンス 創出度3.84倍、株主からみた企業価値5,511億円
    • [153]1位セブン-イレブン・ジャパン7.94倍、2位NTTデータ通信4.68倍、50位ファナック1.01倍
    • [154]上位銘柄にほぼ共通するのは、本業の利益率の高さや経営効率の良さが株式市場で評価されていること
  • 会社年鑑 2002年版(キーエンス 連結業績の推移)
    • [155]1998年3月期 売上高709億円、当期純利益164億円

高い評価の直後、1999年3月期の売上高は651億円となり、前期の709億円から減少した。当期純利益も164億円から131億円へ減ったが、売上高に対する比率は約20%を保った。売上高の減少幅は約8%で、滝崎武光社長が1995年1月に見積もった不景気の影響10%程度の範囲に収まった。損益分岐点の高い会社は売上高が1、2割減ると苦しむが、キーエンスは余裕のない経営をしてこなかったという見立てである。予算が削られても良い新製品は売れるというのが、滝崎武光社長の考えだった。減収の背景には、1997年のアジア通貨危機と国内の設備投資の抑制でFA機器の需要が冷え込んだことがあるとみられる。

  • 会社年鑑 2002年版(キーエンス 連結業績の推移)
    • [156]売上高 1998年3月期709億円、1999年3月期651億円
    • [157]当期純利益 1998年3月期164億円、1999年3月期131億円
  • 日経ビジネス(1995年1月16日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [158]不景気の影響はせいぜい10%程度と答えた(1995年1月)
    • [159]損益分岐点が高い会社は売上高が1、2割減ったら大変だが、キーエンスはぎりぎりのところで経営したことがないとした
    • [160]予算が削減されていても、いい新製品はやはり売れるとした(1995年1月)
参考文献[144]-[160]
  • 日経ビジネス(1997年3月3日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [144]大企業の悪い面に学ぶとし、将来を考えない役員が規律を乱すと述べた(1997年3月)
    • [146]取締役は社長を含め4人。40歳以上の社員が少なく、30代で取締役にすると外して仕事をさせられないため
    • [147]大企業では会長・監査役・相談役に会社の将来を思って職務に就いているか疑わしい人がおり、社内の規律を乱しているとみた
    • [148]退職金・退職年金を退職後の会社業績に応じて何年間か支払う仕組みを、役員に限らず年配社員も対象に検討していた
    • [149]リタイアが近くても会社の将来を見据えた行動をとり、後輩に良い影響を残そうという意識が働くとした
  • 会社年鑑 2002年版(キーエンス 連結業績の推移)
    • [145]当期純利益 1997年3月期134億円
    • [155]1998年3月期 売上高709億円、当期純利益164億円
    • [156]売上高 1998年3月期709億円、1999年3月期651億円
    • [157]当期純利益 1998年3月期164億円、1999年3月期131億円
  • 日経ビジネス(1998年7月13日)
    • [150]株主からみた企業価値創出度ランキングでキーエンスは3位
    • [151]株主からみた企業価値=1998年3月末の株式時価総額−連結実質株主資本。創出度はこれを実質株主資本額で割ったもの(連結株主資本500億円以上の上場451社が対象)
    • [152]キーエンス 創出度3.84倍、株主からみた企業価値5,511億円
    • [153]1位セブン-イレブン・ジャパン7.94倍、2位NTTデータ通信4.68倍、50位ファナック1.01倍
    • [154]上位銘柄にほぼ共通するのは、本業の利益率の高さや経営効率の良さが株式市場で評価されていること
  • 日経ビジネス(1995年1月16日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [158]不景気の影響はせいぜい10%程度と答えた(1995年1月)
    • [159]損益分岐点が高い会社は売上高が1、2割減ったら大変だが、キーエンスはぎりぎりのところで経営したことがないとした
    • [160]予算が削減されていても、いい新製品はやはり売れるとした(1995年1月)

2000年〜佐々木道夫社長と中国の現地法人、ジャストシステムへの出資

減収を1期で終え、2000年3月期の売上高は788億円、当期純利益は193億円へ回復した。2000年12月、滝崎武光氏は代表取締役会長となり、佐々木道夫氏が代表取締役社長に就任した。1957年3月生まれの佐々木道夫氏は1982年3月に入社し、1992年9月からKS事業部長を務めた。1999年6月に取締役APSULT事業部長となり、同年8月には事業推進部長を兼ねた。滝崎武光社長は1997年3月、息子に後を継がせず、縁故採用も一切禁じると明言していた。事業部を率いた43歳の生え抜きへの交代は、血縁を経営から外すという創業者の言葉を実地に移したものだった。

  • 会社年鑑 2002年版(キーエンス 連結業績の推移)
    • [161]2000年3月期 売上高788億円、当期純利益193億円
  • キーエンス 有価証券報告書 第34期(2006年3月期)【役員の状況】
    • [162]滝崎武光 平成12年12月代表取締役会長。佐々木道夫 平成12年12月代表取締役社長
    • [163]佐々木道夫 昭和32年3月7日生、昭和57年3月入社、平成4年9月KS事業部長
    • [164]平成11年6月取締役APSULT事業部長、同年8月取締役事業推進部長兼APSULT事業部長
  • 日経ビジネス(1997年3月3日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [165]息子に後を継がせるつもりはなく、縁故採用は一切禁止していると答えた(1997年3月)

2001年9月、キーエンスは中国に現地法人KEYENCE (CHINA) CO.,LTD.を設立した。2003年10月時点の利益率40%は、ファブレスの生産と直販のコンサルティング営業に支えられていた。2009年3月期にも、佐々木道夫社長は海外市場を中心に営業の人員と営業所を拡充したと報告した。同期の地域別売上高は、日本が前期比18.7%減、北中米が18.5%減だった一方、その他の地域は8.7%減にとどまった。佐々木道夫社長は製造業の省人化と品質向上の世界的な流れを挙げ、『We view these global trends as having great potential for expanding our business.』(訳:こうした世界の潮流は当社の事業拡大に大きな可能性を持つとみている)と述べた。顧客の工場が中国をはじめ海外へ移るにつれ、直販の営業も同じ土地に置く必要が生じた。

  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [166]2001年9月 中国に現地法人KEYENCE (CHINA) CO.,LTD.を設立
  • 日経ビジネス 2003年10月27日号
    • [167]利益率40%の経営の要因として、世界初・業界初の新製品を出す開発力、ファブレスの生産、直販のコンサルティング営業を挙げた
  • キーエンス Annual Report 2009(社長メッセージ)
    • [168]販売面では人員を強化し、特に海外市場に重点を置いて営業所を拡充した(2009年3月期)
    • [169]2009年3月期 日本の売上高(セグメント間含む)147,354百万円・前期比18.7%減、北中米の外部売上高13,845百万円・同18.5%減、その他地域の外部売上高28,764百万円・同8.7%減
    • [170]長期的に製造業には合理化・省人化、品質向上、研究開発力の強化が欠かせず、この世界的な流れを事業拡大の大きな可能性とみた

2009年3月期の売上高は前期の2006億円から1653億円へ、営業利益は1024億円から734億円へ減少した。佐々木道夫社長は世界的な金融危機の影響として、『capital investment in the manufacturing industry, which is closely interlinked with our Group operations, has decreased significantly.』(訳:当社グループの事業と密接に連動する製造業の設備投資が大きく減少した)と説明した。減益のなかでも、超小型の干渉分光方式のレーザ変位センサや超高速の画像処理システムを新製品として出した。2009年4月には、キーエンスはジャストシステムと資本・業務提携契約を締結した。佐々木道夫社長は同じメッセージで、日本経済は輸出と生産の減少が続き、長い停滞に陥る公算が大きいとみた。センサー以外の事業への出資と、底の見えない受注環境の双方を抱えて、キーエンスは2010年代に入った。

  • キーエンス 有価証券報告書(2009年3月期)
    • [171]売上高 2008年3月期2006億円→2009年3月期1653億円、営業利益 1024億円→734億円
  • キーエンス Annual Report 2009(社長メッセージ)
    • [172]世界的な金融危機で日本経済が大きく悪化し、グループ事業と密接に連動する製造業の設備投資が大きく減少した
    • [173]超小型の干渉分光方式レーザ変位センサ、超高速でフレキシブルな画像処理システム、プログラム不要の統合データベースを新製品として開発した
    • [175]輸出と生産の減少が続き、日本経済は長期の停滞が続く公算が大きいとみた
  • ジャストシステム 有価証券報告書 第44期(2025年3月期)【沿革】
    • [174]2009年4月 株式会社キーエンスと資本・業務提携契約を締結
参考文献[161]-[175]
  • 会社年鑑 2002年版(キーエンス 連結業績の推移)
    • [161]2000年3月期 売上高788億円、当期純利益193億円
  • キーエンス 有価証券報告書 第34期(2006年3月期)【役員の状況】
    • [162]滝崎武光 平成12年12月代表取締役会長。佐々木道夫 平成12年12月代表取締役社長
    • [163]佐々木道夫 昭和32年3月7日生、昭和57年3月入社、平成4年9月KS事業部長
    • [164]平成11年6月取締役APSULT事業部長、同年8月取締役事業推進部長兼APSULT事業部長
  • 日経ビジネス(1997年3月3日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
    • [165]息子に後を継がせるつもりはなく、縁故採用は一切禁止していると答えた(1997年3月)
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [166]2001年9月 中国に現地法人KEYENCE (CHINA) CO.,LTD.を設立
  • 日経ビジネス 2003年10月27日号
    • [167]利益率40%の経営の要因として、世界初・業界初の新製品を出す開発力、ファブレスの生産、直販のコンサルティング営業を挙げた
  • キーエンス Annual Report 2009(社長メッセージ)
    • [168]販売面では人員を強化し、特に海外市場に重点を置いて営業所を拡充した(2009年3月期)
    • [169]2009年3月期 日本の売上高(セグメント間含む)147,354百万円・前期比18.7%減、北中米の外部売上高13,845百万円・同18.5%減、その他地域の外部売上高28,764百万円・同8.7%減
    • [170]長期的に製造業には合理化・省人化、品質向上、研究開発力の強化が欠かせず、この世界的な流れを事業拡大の大きな可能性とみた
    • [172]世界的な金融危機で日本経済が大きく悪化し、グループ事業と密接に連動する製造業の設備投資が大きく減少した
    • [173]超小型の干渉分光方式レーザ変位センサ、超高速でフレキシブルな画像処理システム、プログラム不要の統合データベースを新製品として開発した
    • [175]輸出と生産の減少が続き、日本経済は長期の停滞が続く公算が大きいとみた
  • キーエンス 有価証券報告書(2009年3月期)
    • [171]売上高 2008年3月期2006億円→2009年3月期1653億円、営業利益 1024億円→734億円
  • ジャストシステム 有価証券報告書 第44期(2025年3月期)【沿革】
    • [174]2009年4月 株式会社キーエンスと資本・業務提携契約を締結

第4章 2010年〜 山本晃則体制での海外直販の本格展開とIR姿勢への批判

2010年〜生え抜きの山本晃則社長と、ブラジル・インドの現地法人

2010年3月期の連結売上高は1361億円となり、前期の1653億円から縮小した。佐々木道夫社長は同期の年報で、営業の取り組みを『In the sales field, we made efforts to intensify our human resources and expand our sales offices, targeting overseas markets in particular.』(訳:営業では、とりわけ海外市場に向けて人員を強化し、営業所を拡充した)と株主に報告した。2010年12月、山本晃則氏が代表取締役社長に就任し、佐々木道夫氏は取締役特別顧問となった。山本晃則氏は1987年に入社し、FIGNA事業部長を経て2009年に取締役事業推進部長兼MECT事業部長を務めた。交代後の2011年3月期に、連結売上高は1848億円へ回復した。事業部を率いた経歴の社長に、需要が戻る局面での受注の拡大を委ねた人事と読める。

  • キーエンス 有価証券報告書(2010年3月期)
    • [176]連結売上高 2009年3月期1653億円→2010年3月期1361億円
  • キーエンス Annual Report 2010(社長メッセージ)
    • [177]2010年3月期の営業施策は海外市場を中心とした人員強化と営業所の拡充(社長 佐々木道夫、2010年6月)
  • キーエンス 有価証券報告書 第39期(2011年3月期)【役員の状況】
    • [178]平成22年12月 山本晃則 代表取締役社長、佐々木道夫 取締役特別顧問
    • [179]山本晃則 昭和62年4月入社、平成16年3月FIGNA事業部長、平成21年6月取締役事業推進部長兼MECT事業部長
  • キーエンス 有価証券報告書(2011年3月期)
    • [180]連結売上高 2011年3月期1848億円

2011年5月にブラジル、同年8月にインドで現地法人を設立した。前年の年報で佐々木道夫社長は、新興国の一部に高い成長を見込む一方、全体の回復と設備投資の戻りは鈍いと見通していた。山本晃則社長は2013年の年報で、海外経済の減速により国内の輸出と生産の伸びが鈍り、製造業の投資が減ったと説明した。同じ年報は、米国と中国で景気が底を打つ動きがある一方、欧州は債務危機で回復が遅れたと記した。そのうえで営業の施策を『In the sales field, we made efforts to expand our overseas sales offices and to increase our human resources.』(訳:営業では、海外の営業所の拡充と人員の増強に努めた)と示した。国内の製造業が投資を抑えた時期に、工場の新設が続く新興国へ営業の人員を先に配置し、国内の減速を補う売上を海外に求めた。

  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [181]2011年5月 ブラジルに現地法人設立、2011年8月 インドに現地法人設立
  • キーエンス Annual Report 2010(社長メッセージ)
    • [182]当面は新興国の一部で高成長が見込まれるが、全体の回復は緩やかで設備投資の回復も鈍い見通し(社長 佐々木道夫、2010年6月)
  • キーエンス Annual Report 2013(社長メッセージ)
    • [183]国内は海外経済の減速で輸出・生産の伸びが鈍く、製造業の投資が減少(社長 山本晃則、2013年6月)
    • [184]米国・中国で景気の底入れと回復の動き、欧州は債務危機で回復が遅い
    • [185]営業では海外営業所の拡充と人員の増強に取り組んだ
参考文献[176]-[185]
  • キーエンス 有価証券報告書(2010年3月期)
    • [176]連結売上高 2009年3月期1653億円→2010年3月期1361億円
  • キーエンス Annual Report 2010(社長メッセージ)
    • [177]2010年3月期の営業施策は海外市場を中心とした人員強化と営業所の拡充(社長 佐々木道夫、2010年6月)
    • [182]当面は新興国の一部で高成長が見込まれるが、全体の回復は緩やかで設備投資の回復も鈍い見通し(社長 佐々木道夫、2010年6月)
  • キーエンス 有価証券報告書 第39期(2011年3月期)【役員の状況】
    • [178]平成22年12月 山本晃則 代表取締役社長、佐々木道夫 取締役特別顧問
    • [179]山本晃則 昭和62年4月入社、平成16年3月FIGNA事業部長、平成21年6月取締役事業推進部長兼MECT事業部長
  • キーエンス 有価証券報告書(2011年3月期)
    • [180]連結売上高 2011年3月期1848億円
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [181]2011年5月 ブラジルに現地法人設立、2011年8月 インドに現地法人設立
  • キーエンス Annual Report 2013(社長メッセージ)
    • [183]国内は海外経済の減速で輸出・生産の伸びが鈍く、製造業の投資が減少(社長 山本晃則、2013年6月)
    • [184]米国・中国で景気の底入れと回復の動き、欧州は債務危機で回復が遅い
    • [185]営業では海外営業所の拡充と人員の増強に取り組んだ

2013年〜インドネシア・ベトナムの現地法人と、滝崎武光名誉会長

2013年7月にインドネシア、2014年3月にベトナムで現地法人を設立した。2014年3月期の売上高は、国内が1459億56百万円、海外が1190億53百万円だった。2015年3月期の連結売上高は3340億34百万円となり、海外の1689億21百万円が国内の1651億13百万円を上回った。山本晃則社長は同期の年報で、中国などの成長が鈍る一方、米国など先進国で景気の回復が続いたと記した。海外の売上については『we worked to enhance our sales capabilities by expanding the number of our sales offices and increasing staff numbers, resulting in sales of JPY 168,921 million.』(訳:営業所の数を増やし人員を増強して販売力を高め、売上高1689億21百万円を計上した)と説明した。海外の成長は市場の景気よりも営業拠点と人員の数で決まるという見立てが、3期分の年報に一貫していた。

  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [186]2013年7月 インドネシアに現地法人設立、2014年3月 ベトナムに現地法人設立
  • キーエンス 有価証券報告書 第43期(2014年3月期)【セグメント情報】
    • [187]2014年3月期の地域別売上高 国内145,956百万円・海外119,053百万円
  • キーエンス Annual Report 2015(社長メッセージ)
    • [188]2015年3月期 連結売上高334,034百万円、国内165,113百万円・海外168,921百万円
    • [189]海外では中国などの成長が鈍化する一方、米国など先進国の景気回復が継続(社長 山本晃則、2015年6月)
    • [190]海外は営業所の数と人員を増やして販売力を強化し、売上高168,921百万円

2015年3月21日、創業者の滝崎武光氏は代表取締役会長を退任し、取締役名誉会長に就任した。取締役会は2015年2月2日にこの異動を決め、設立40周年にあたる期を節目とすると理由を示した。名誉会長の役割は、グループ運営への助言とリーダー層の人材育成とされた。滝崎武光氏は1972年にリード電機を創業し、1974年の会社設立から社長、2000年12月から代表取締役会長を務めた。異動後の2015年6月期末にも、滝崎武光氏は468万8618株を持つ取締役として役員欄に名を連ねた。代表権を返上したのちも取締役会には残り、創業者の関与は執行から助言と人材育成へ移った。

  • キーエンス「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2015年2月2日)
    • [191]代表取締役会長 滝崎武光が取締役名誉会長へ異動、異動日は平成27年3月21日
    • [192]平成27年2月2日の取締役会で決議。異動の理由は設立40周年にあたる今期を節目とするため
    • [193]取締役名誉会長就任後はグループ運営への助言やリーダー層の人材育成を行う
  • キーエンス 有価証券報告書 第45期(2015年6月期)【役員の状況】
    • [194]滝崎武光 昭和47年3月リード電機創業、昭和49年5月設立 代表取締役社長、平成12年12月代表取締役会長、平成27年3月取締役名誉会長
    • [195]取締役名誉会長 滝崎武光 所有株式数4,688,618株

山本晃則社長の在任中に、キーエンスは決算期の途中変更を3度くり返した。最初は2012年で、3月21日から6月20日までの3か月を第41期とし、続く第42期を9か月とした。2015年5月7日には、同じ3か月と9か月の変則決算を再び株主総会に諮ると発表した。理由は法人税率の引き下げを早く受けるためで、従来の期のままでは適用が2016年3月21日以降に遅れるとした。2016年4月27日にも、同年度の税制改正による税率引き下げを早く受けるとして、第47期を3か月、第48期を9か月とする変更を発表した。2017年4月の開示では業績予想を公表していないと明記し、期間の違いから前期比も載せなかった。前年と並べられない決算と予想の不開示が重なり、投資家には比べにくい開示と映った。

  • キーエンス 有価証券報告書 第41期(2012年6月期)【表紙】
    • [196]第41期は平成24年3月21日から平成24年6月20日まで、第42期は平成24年6月21日から平成25年3月20日まで
    • [197]第41期は平成24年3月21日から平成24年6月20日まで、第42期は平成24年6月21日から平成25年3月20日まで
  • キーエンス「事業年度の変更及びそれに伴う定款の一部変更に関するお知らせ」(2015年5月7日)
    • [198]第45期を平成27年3月21日〜6月20日の3ヶ月、第46期を平成27年6月21日〜平成28年3月20日の9ヶ月とする定款変更を平成27年6月12日の株主総会に諮る
    • [199]変更の理由は、平成27年度税制改正の法人税率引下げが従来の事業年度では平成28年3月21日以降の適用となるため、遅れを少なくし税務メリットを早く享受する
  • キーエンス「事業年度の変更及びそれに伴う定款の一部変更に関するお知らせ」(2016年4月27日)
    • [200]平成28年度税制改正の法人税率引下げが従来の事業年度では平成29年3月21日以降の適用となるため、第47期を平成28年3月21日〜6月20日の3カ月、第48期を平成28年6月21日〜平成29年3月20日の9カ月とする定款変更を平成28年6月10日の株主総会に諮る
  • キーエンス「平成29年3月期の連結業績と前期の連結業績との差異に関するお知らせ」(2017年4月27日)
    • [201]平成29年3月期の連結業績予想を開示していないため前期との差異を説明。前期3ヵ月・当期9ヵ月の変則決算のため増減額・増減率は記載せず
参考文献[186]-[201]
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
    • [186]2013年7月 インドネシアに現地法人設立、2014年3月 ベトナムに現地法人設立
  • キーエンス 有価証券報告書 第43期(2014年3月期)【セグメント情報】
    • [187]2014年3月期の地域別売上高 国内145,956百万円・海外119,053百万円
  • キーエンス Annual Report 2015(社長メッセージ)
    • [188]2015年3月期 連結売上高334,034百万円、国内165,113百万円・海外168,921百万円
    • [189]海外では中国などの成長が鈍化する一方、米国など先進国の景気回復が継続(社長 山本晃則、2015年6月)
    • [190]海外は営業所の数と人員を増やして販売力を強化し、売上高168,921百万円
  • キーエンス「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2015年2月2日)
    • [191]代表取締役会長 滝崎武光が取締役名誉会長へ異動、異動日は平成27年3月21日
    • [192]平成27年2月2日の取締役会で決議。異動の理由は設立40周年にあたる今期を節目とするため
    • [193]取締役名誉会長就任後はグループ運営への助言やリーダー層の人材育成を行う
  • キーエンス 有価証券報告書 第45期(2015年6月期)【役員の状況】
    • [194]滝崎武光 昭和47年3月リード電機創業、昭和49年5月設立 代表取締役社長、平成12年12月代表取締役会長、平成27年3月取締役名誉会長
    • [195]取締役名誉会長 滝崎武光 所有株式数4,688,618株
  • キーエンス 有価証券報告書 第41期(2012年6月期)【表紙】
    • [196]第41期は平成24年3月21日から平成24年6月20日まで、第42期は平成24年6月21日から平成25年3月20日まで
    • [197]第41期は平成24年3月21日から平成24年6月20日まで、第42期は平成24年6月21日から平成25年3月20日まで
  • キーエンス「事業年度の変更及びそれに伴う定款の一部変更に関するお知らせ」(2015年5月7日)
    • [198]第45期を平成27年3月21日〜6月20日の3ヶ月、第46期を平成27年6月21日〜平成28年3月20日の9ヶ月とする定款変更を平成27年6月12日の株主総会に諮る
    • [199]変更の理由は、平成27年度税制改正の法人税率引下げが従来の事業年度では平成28年3月21日以降の適用となるため、遅れを少なくし税務メリットを早く享受する
  • キーエンス「事業年度の変更及びそれに伴う定款の一部変更に関するお知らせ」(2016年4月27日)
    • [200]平成28年度税制改正の法人税率引下げが従来の事業年度では平成29年3月21日以降の適用となるため、第47期を平成28年3月21日〜6月20日の3カ月、第48期を平成28年6月21日〜平成29年3月20日の9カ月とする定款変更を平成28年6月10日の株主総会に諮る
  • キーエンス「平成29年3月期の連結業績と前期の連結業績との差異に関するお知らせ」(2017年4月27日)
    • [201]平成29年3月期の連結業績予想を開示していないため前期との差異を説明。前期3ヵ月・当期9ヵ月の変則決算のため増減額・増減率は記載せず

2016年〜2分割した株の売り出しと、国内を上回った海外売上2806億円

2016年12月5日、取締役会は2017年1月21日付で普通株式1株を2株に分割すると決めた。目的は、投資単位あたりの金額を引き下げ、流動性の向上と投資家層の拡大を図ることとした。同じ日に、株式会社ティ・ティを売出人とする普通株式150万株の売出しも決議した。売出しの目的は、株式の分布状況の改善と流動性の向上と説明した。売出人の株式会社ティ・ティと株主の滝崎武光氏は、受渡しから180日目までの売却を控えると共同主幹事会社と合意した。分割で1単位の金額を下げ、売出しで市場に流通する株数を増やして、株主の顔ぶれを広げる施策を同じ日にそろえた。

  • キーエンス「株式分割及び定款の一部変更並びに配当予想の修正に関するお知らせ」(2016年12月5日)
    • [202]平成29年1月21日を効力発生日として普通株式1株を2株に分割(発行済株式総数60,801,921株→121,603,842株)
    • [203]株式分割の目的は投資単位当たりの金額の引下げによる流動性の向上及び投資家層の拡大
  • キーエンス「株式の売出しに関するお知らせ」(2016年12月5日)
    • [204]売出人 株式会社ティ・ティ、普通株式1,500,000株を引受人の買取引受けで売り出す(ほかにオーバーアロットメント上限225,000株)
    • [205]売出しの目的は当社株式の分布状況の改善及び流動性の向上
    • [206]売出人の株式会社ティ・ティ及び株主の滝崎武光は受渡期日から起算して180日目までのロックアップに合意

2017年3月期は9か月の変則決算で、連結売上高は3163億47百万円、純利益は1206億80百万円だった。3か月決算だった前期との差異は、変則決算によるものとキーエンスは説明した。通常の12か月に戻った2018年3月期には、売上高5268億47百万円、純利益2105億95百万円を計上した。山本晃則社長は同期の年報で、米国の消費と設備投資の拡大、国内の設備投資の継続を背景に挙げた。製造業には生産の効率化と自動化、品質の向上が求められ、そこに事業拡大の余地があるとも記した。先進国の設備投資の拡大に、積み増してきた営業人員が応じ、利益の規模を押し上げた。

  • キーエンス「平成29年3月期の連結業績と前期の連結業績との差異に関するお知らせ」(2017年4月27日)
    • [207]平成29年3月期(9ヵ月変則決算)連結売上高316,347百万円、親会社株主に帰属する当期純利益120,680百万円
    • [208]前期(平成28年6月期、3ヵ月)との差異の理由は変則決算であったことによる
  • キーエンス Annual Report 2018(社長メッセージ)
    • [209]2018年3月期 売上高526,847百万円、純利益210,595百万円
    • [210]米国の消費と設備投資の拡大、欧州の緩やかな成長、国内の設備投資の継続(社長 山本晃則、2018年6月)
    • [211]製造業には生産効率化・自動化・品質向上・研究開発の強化が求められ、そこに事業拡大の余地がある

2018年3月期の地域別売上高は、海外が2805億87百万円、国内が2462億59百万円だった。海外のうち米国は787億98百万円、中国は644億35百万円だった。3年前の2015年3月期は、海外が1689億21百万円、国内が1651億13百万円だった。3年間の増加額は、海外の1116億66百万円が国内の811億46百万円を上回った。山本晃則社長は海外について、『we worked to enhance our sales capabilities, with a focus on recruitment and personnel training, resulting in sales of JPY 280,587 million.』(訳:採用と人材育成に重点を置いて販売力を高め、売上高2805億87百万円を計上した)と記した。先の方針には『The KEYENCE Group, in an effort to boost sales internationally, will continue to focus on product development and expanded sales capabilities.』(訳:キーエンスグループは海外での販売拡大に向け、製品開発と販売力の拡充に引き続き注力する)と掲げた。海外の営業人員を採り、育て続ける仕事が、次の社長に引き継がれる課題となった。

  • キーエンス 有価証券報告書 第49期(2018年3月期)【セグメント情報】
    • [212]2018年3月期の地域別売上高 国内246,259百万円、海外280,587百万円(米国78,798・中国64,435・その他137,353)
    • [213]2018年3月期の地域別売上高 国内246,259百万円、海外280,587百万円(米国78,798・中国64,435・その他137,353)
    • [215]2015年3月期比の増加額 海外111,666百万円・国内81,146百万円(e1とe2の差)
  • キーエンス Annual Report 2015(社長メッセージ)
    • [214]2015年3月期の売上高 国内165,113百万円・海外168,921百万円
  • キーエンス Annual Report 2018(社長メッセージ)
    • [216]海外は採用と人材育成に重点を置き販売力を強化し、売上高280,587百万円(社長 山本晃則、2018年6月)
    • [217]今後も海外での販売拡大に向け、製品開発と販売力の拡充に注力する
参考文献[202]-[217]
  • キーエンス「株式分割及び定款の一部変更並びに配当予想の修正に関するお知らせ」(2016年12月5日)
    • [202]平成29年1月21日を効力発生日として普通株式1株を2株に分割(発行済株式総数60,801,921株→121,603,842株)
    • [203]株式分割の目的は投資単位当たりの金額の引下げによる流動性の向上及び投資家層の拡大
  • キーエンス「株式の売出しに関するお知らせ」(2016年12月5日)
    • [204]売出人 株式会社ティ・ティ、普通株式1,500,000株を引受人の買取引受けで売り出す(ほかにオーバーアロットメント上限225,000株)
    • [205]売出しの目的は当社株式の分布状況の改善及び流動性の向上
    • [206]売出人の株式会社ティ・ティ及び株主の滝崎武光は受渡期日から起算して180日目までのロックアップに合意
  • キーエンス「平成29年3月期の連結業績と前期の連結業績との差異に関するお知らせ」(2017年4月27日)
    • [207]平成29年3月期(9ヵ月変則決算)連結売上高316,347百万円、親会社株主に帰属する当期純利益120,680百万円
    • [208]前期(平成28年6月期、3ヵ月)との差異の理由は変則決算であったことによる
  • キーエンス Annual Report 2018(社長メッセージ)
    • [209]2018年3月期 売上高526,847百万円、純利益210,595百万円
    • [210]米国の消費と設備投資の拡大、欧州の緩やかな成長、国内の設備投資の継続(社長 山本晃則、2018年6月)
    • [211]製造業には生産効率化・自動化・品質向上・研究開発の強化が求められ、そこに事業拡大の余地がある
    • [216]海外は採用と人材育成に重点を置き販売力を強化し、売上高280,587百万円(社長 山本晃則、2018年6月)
    • [217]今後も海外での販売拡大に向け、製品開発と販売力の拡充に注力する
  • キーエンス 有価証券報告書 第49期(2018年3月期)【セグメント情報】
    • [212]2018年3月期の地域別売上高 国内246,259百万円、海外280,587百万円(米国78,798・中国64,435・その他137,353)
    • [213]2018年3月期の地域別売上高 国内246,259百万円、海外280,587百万円(米国78,798・中国64,435・その他137,353)
    • [215]2015年3月期比の増加額 海外111,666百万円・国内81,146百万円(e1とe2の差)
  • キーエンス Annual Report 2015(社長メッセージ)
    • [214]2015年3月期の売上高 国内165,113百万円・海外168,921百万円

第5章 2019年〜 中田有・中野鉄也体制での過去最高益

2019年〜中田有社長への交代と、1株を2株にした分割

海外売上高が国内を上回った後の2019年10月31日、キーエンスの取締役会は中田有氏を代表取締役社長に選んだ。中田有氏は1974年生まれで、1997年に入社し、センサ事業部長を経て2019年6月に取締役に就任していた。社長の山本晃則氏は代表権のない取締役に退き、交代は同年12月21日付とした。就任後の2020年3月期、海外売上高は2917億円で、国内の2601億円を上回り続けた。中田有氏は同じ年報で『We recognize the need to strengthen the Group’s planning and development capabilities while also expanding overseas business operations.』(訳:企画開発力を強化しつつ、海外事業を拡大する必要があると認識している)と記した。海外比率の上昇を受け継ぐ社長に、45歳の事業部長出身者を充てた人事だった。

  • キーエンス「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2019年10月31日)
    • [218]2019年10月31日の取締役会で取締役の中田有を代表取締役社長に選任することを決議
    • [219]中田有は1974年7月26日生まれ、1997年4月入社、2018年6月センサ事業部長、2019年6月取締役センサ事業部長兼事業推進部長
    • [220]山本晃則は代表取締役社長から取締役へ、就任予定日は2019年12月21日
  • キーエンス Annual Report 2020(社長メッセージ)
    • [221]2020年3月期の地域別売上高は日本260,147百万円、海外291,695百万円
    • [222]社長中田有が企画開発力の強化と海外事業の拡大の必要を認識していると記載

社長交代を決めた2019年10月31日、キーエンスは普通株式1株を2株に分割すると決議した。目的は投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性を高めて投資家層を広げることだった。分割は2019年11月21日付で実施し、発行済株式総数は2億4320万株余りとなった。定款の発行可能株式総数も同日付で3億株から6億株に改めた。2020年3月期の期末配当は分割後も1株100円とし、配当金総額は243億円から364億円に増える見込みとした。経営陣の入れ替えが株主還元の後退を意味しないと、同じ日の発表で示したとみられる。

  • キーエンス「株式分割及び定款の一部変更並びに配当(実質増配)に関するお知らせ」(2019年10月31日)
    • [223]2019年10月31日の取締役会で株式分割・定款の一部変更・配当の実質増配を決議
    • [224]分割の目的は投資単位当たりの金額の引き下げによる流動性の向上と投資家層の拡大
    • [226]2019年11月21日付で定款の発行可能株式総数を300,000,000株から600,000,000株に変更
    • [227]分割後の2020年3月期期末配当を1株100円のままとし、実質100円の増配。分割後の発行済株式総数243,207,684株。配当金総額は2019年3月期の243億円から364億円となる見込み
  • キーエンス 有価証券報告書 第51期(2020年3月期)
    • [225]2019年11月21日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施

感染症の流行が重なった2021年3月期、連結売上高は5381億円となり、前期の5518億円を下回った。営業利益は2768億円で、前期の2776億円とほぼ同じ水準を保った。中田有氏は2020年6月付の年報で、米中貿易摩擦と感染症の拡大が設備投資と生産を減速させたと説明した。営業については『In sales, we have made efforts to increase staff and expand our overseas sales offices.』(訳:営業面では人員の増強と海外営業拠点の拡充に努めた)と書いた。連結従業員数も2021年3月期に8380人と、前期の8419人から大きく減らさなかった。減収の期にも営業の人員と海外拠点を縮小しなかったことが、翌期以降の増収の前提となった。

  • キーエンス 有価証券報告書 第52期(2021年3月期)
    • [228]連結売上高は2020年3月期5518億円、2021年3月期5381億円
    • [229]連結営業利益は2020年3月期2776億円、2021年3月期2768億円
    • [232]連結従業員数は2020年3月期8419人、2021年3月期8380人
  • キーエンス Annual Report 2020(社長メッセージ)
    • [230]米中貿易摩擦と新型コロナウイルスの流行で一部地域の設備投資と生産が減速
    • [231]営業面で人員の増強と海外営業拠点の拡充に努めた
参考文献[218]-[232]
  • キーエンス「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2019年10月31日)
    • [218]2019年10月31日の取締役会で取締役の中田有を代表取締役社長に選任することを決議
    • [219]中田有は1974年7月26日生まれ、1997年4月入社、2018年6月センサ事業部長、2019年6月取締役センサ事業部長兼事業推進部長
    • [220]山本晃則は代表取締役社長から取締役へ、就任予定日は2019年12月21日
  • キーエンス Annual Report 2020(社長メッセージ)
    • [221]2020年3月期の地域別売上高は日本260,147百万円、海外291,695百万円
    • [222]社長中田有が企画開発力の強化と海外事業の拡大の必要を認識していると記載
    • [230]米中貿易摩擦と新型コロナウイルスの流行で一部地域の設備投資と生産が減速
    • [231]営業面で人員の増強と海外営業拠点の拡充に努めた
  • キーエンス「株式分割及び定款の一部変更並びに配当(実質増配)に関するお知らせ」(2019年10月31日)
    • [223]2019年10月31日の取締役会で株式分割・定款の一部変更・配当の実質増配を決議
    • [224]分割の目的は投資単位当たりの金額の引き下げによる流動性の向上と投資家層の拡大
    • [226]2019年11月21日付で定款の発行可能株式総数を300,000,000株から600,000,000株に変更
    • [227]分割後の2020年3月期期末配当を1株100円のままとし、実質100円の増配。分割後の発行済株式総数243,207,684株。配当金総額は2019年3月期の243億円から364億円となる見込み
  • キーエンス 有価証券報告書 第51期(2020年3月期)
    • [225]2019年11月21日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施
  • キーエンス 有価証券報告書 第52期(2021年3月期)
    • [228]連結売上高は2020年3月期5518億円、2021年3月期5381億円
    • [229]連結営業利益は2020年3月期2776億円、2021年3月期2768億円
    • [232]連結従業員数は2020年3月期8419人、2021年3月期8380人

2021年〜再任賛成が8割にとどまった中田有社長と、高槻の土地と過去最高益

2024年6月14日の定時株主総会で、中田有氏の取締役選任への賛成比率は82.73%にとどまった。同じ議案で滝崎武光氏は87.79%、中野鉄也氏と山本寛明氏は92.79%の賛成を得た。取締役会は2021年11月時点で8名、うち社外取締役は2名で、議長は社長が務めていた。キーエンスは任意の指名・報酬委員会を置いていなかった。その理由を、独立社外取締役の助言を得ており、独立性と説明責任は十分担保されているためと説明した。議長を兼ね、指名の諮問機関を持たない取締役会の責任者として、反対票が社長個人に集まったと読める。

  • キーエンス 臨時報告書(2024年6月18日提出)
    • [233]2024年6月14日総会の取締役選任議案で中田有の賛成比率82.73%
    • [234]同議案で滝崎武光87.79%、中野鉄也・山本寛明ともに92.79%
  • キーエンス コーポレート・ガバナンス報告書(2021年11月30日)
    • [235]取締役会の議長は社長、取締役の人数8名、社外取締役の人数2名(うち独立役員2名)
    • [236]任意の指名・報酬委員会などの独立した諮問委員会を設置していない
    • [237]取締役会で独立社外取締役の適切な助言を得ており、独立性・客観性と説明責任は十分担保されているとの説明

キーエンスは2022年12月23日、大阪府高槻市の土地を三菱自動車工業から取得する契約を結んだ。所在地は高槻市井尻二丁目、面積は5万2373.79平方メートルで、用途はロジスティクスセンター用地の予定とした。取得後も2024年3月までは、三菱自動車工業に土地を賃貸する予定だった。取引価格は相手先との取り決めにより公表しなかった。国内の有形固定資産は2022年3月期の167億円から、2023年3月期に462億円へ増えた。販売の拡大に合わせ、出荷を担う物流の用地を先に自社で確保する判断だった。

  • キーエンス「大阪府高槻市における土地取得に関するお知らせ」(2022年12月23日)
    • [238]2022年12月23日付で三菱自動車工業と不動産の売買契約を締結
    • [239]所在地は大阪府高槻市井尻二丁目、土地52,373.79㎡、用途はロジスティクスセンター用地(予定)
    • [240]取得後も三菱自動車工業に2024年3月まで賃貸する予定
    • [241]取引価格は相手先との取り決めにより非公表
  • キーエンス 有価証券報告書 第54期(2023年3月期)【セグメント情報】
    • [242]国内の有形固定資産は2022年3月期16,718百万円、2023年3月期46,221百万円

2023年3月期の連結売上高は9224億円、営業利益は4989億円となり、ともに過去最高を更新した。2022年3月期の売上高7551億円、営業利益4180億円から、それぞれ22.1%と19.3%増えた。キーエンスは増収増益の理由を、販売体制の強化と新商品の売上の寄与と説明した。連結従業員数は2022年3月期の8961人から、1年で1万580人に増えた。海外売上高は5743億円となり、前期の4450億円から1293億円増えた。営業利益の伸びが売上高に及ばなかったのは、人員の増強が利益に先行したためと推察される。

  • キーエンス「2023年3月期の連結業績と前期の連結業績との差異に関するお知らせ」(2023年4月27日)
    • [243]2023年3月期の売上高922,422百万円、営業利益498,914百万円(2019〜2022年3月期の有報の値をいずれも上回る)
    • [244]前期(2022年3月期)の売上高755,174百万円・営業利益418,045百万円、増減率は売上高22.1%・営業利益19.3%
    • [245]差異の理由は販売体制の強化や新商品の売上の貢献
  • キーエンス 決算短信(2023年3月期)
    • [246]連結従業員数は2022年3月期8961人(有報)、2023年3月期10580人
  • キーエンス 有価証券報告書 第54期(2023年3月期)【セグメント情報】
    • [247]海外売上高は2022年3月期444,994百万円、2023年3月期574,342百万円
参考文献[233]-[247]
  • キーエンス 臨時報告書(2024年6月18日提出)
    • [233]2024年6月14日総会の取締役選任議案で中田有の賛成比率82.73%
    • [234]同議案で滝崎武光87.79%、中野鉄也・山本寛明ともに92.79%
  • キーエンス コーポレート・ガバナンス報告書(2021年11月30日)
    • [235]取締役会の議長は社長、取締役の人数8名、社外取締役の人数2名(うち独立役員2名)
    • [236]任意の指名・報酬委員会などの独立した諮問委員会を設置していない
    • [237]取締役会で独立社外取締役の適切な助言を得ており、独立性・客観性と説明責任は十分担保されているとの説明
  • キーエンス「大阪府高槻市における土地取得に関するお知らせ」(2022年12月23日)
    • [238]2022年12月23日付で三菱自動車工業と不動産の売買契約を締結
    • [239]所在地は大阪府高槻市井尻二丁目、土地52,373.79㎡、用途はロジスティクスセンター用地(予定)
    • [240]取得後も三菱自動車工業に2024年3月まで賃貸する予定
    • [241]取引価格は相手先との取り決めにより非公表
  • キーエンス 有価証券報告書 第54期(2023年3月期)【セグメント情報】
    • [242]国内の有形固定資産は2022年3月期16,718百万円、2023年3月期46,221百万円
    • [247]海外売上高は2022年3月期444,994百万円、2023年3月期574,342百万円
  • キーエンス「2023年3月期の連結業績と前期の連結業績との差異に関するお知らせ」(2023年4月27日)
    • [243]2023年3月期の売上高922,422百万円、営業利益498,914百万円(2019〜2022年3月期の有報の値をいずれも上回る)
    • [244]前期(2022年3月期)の売上高755,174百万円・営業利益418,045百万円、増減率は売上高22.1%・営業利益19.3%
    • [245]差異の理由は販売体制の強化や新商品の売上の貢献
  • キーエンス 決算短信(2023年3月期)
    • [246]連結従業員数は2022年3月期8961人(有報)、2023年3月期10580人

2024年〜海外売上比率6割と、CADENASの買収と44歳の中野鉄也社長

2024年3月期の海外売上高は6227億円で、国内の3446億円の1.8倍となり、連結売上高9673億円の64%を占めた。4年前の2020年3月期の海外売上高2917億円と比べ、2倍を超えた。営業利益は4950億円で、前期の4989億円をわずかに下回った。中田有氏は年報で国内について『In Japan, caution toward capital investment remained.』(訳:国内では設備投資への慎重さが続いた)と書いた。海外は欧米の設備投資が堅調で、『we worked to enhance our sales capabilities, with a focus on recruitment and personnel training, resulting in sales of JPY 622,720 million.』(訳:採用と人材育成を軸に営業力を強化し、売上高は6227億2000万円となった)と記した。国内の需要が鈍るなか、増収の大半を海外の営業人員の拡充で確保した期だった。

  • キーエンス 有価証券報告書 第55期(2024年3月期)【セグメント情報】
    • [248]2024年3月期の地域別売上高は国内344,567百万円、海外622,720百万円。外部顧客への売上高967,288百万円(海外比率64.4%)
  • キーエンス Annual Report 2020(社長メッセージ)
    • [249]2020年3月期の海外売上高291,695百万円
  • キーエンス Annual Report 2024(社長メッセージ)
    • [250]2024年3月期の営業利益495,014百万円(前期498,914百万円はお知らせ2023年4月27日)
    • [251]国内では設備投資への慎重姿勢が続いた
    • [252]欧米の設備投資は堅調、採用と人材育成を中心に営業力を強化し海外売上高622,720百万円

2025年5月20日、キーエンスはドイツ・アウクスブルクのCADENAS Technologiesの全株式を取得し、子会社にした。CADENAS社は3D CADの分野で約1000万人の利用者と部品メーカーを結ぶプラットフォームを運営していた。キーエンスはソフトウェアの拡販やインターネット事業に続く新領域として、M&Aの検討を進めていた。取得の理由は、設計とシミュレーションのデジタル化に欠かせない技術を得て、現場の商品と合わせた付加価値を生むことだった。連結売上高が1兆591億円に達した2025年3月期の直後の取得だった。2026年3月期の業績への影響は軽微と見込んだ。

  • キーエンス「CADENAS Technologies AGの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2025年5月20日)
    • [253]CADENAS Technologies AGの全株式取得に係る契約を締結し2025年5月20日付で取引完了、保有割合0%→100%。所在地はドイツ・アウクスブルク
    • [254]3D CADの分野で約1000万人のユーザーとパーツサプライヤを繋げるプラットフォーム事業を運営
    • [255]ソフトウェア関連の新商品拡販やインターネットビジネスなど新たな事業領域に挑戦し、その一環としてM&Aの検討を進めてきた
    • [256]CADENAS社の技術はFAの設計・シミュレーションのデジタル化に欠かせず、「デジタル」と「リアル」の両面から付加価値を創造するため
    • [258]本件の2026年3月期業績への影響は軽微と見込む
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)
    • [257]2025年3月期の連結売上高10591億円

2025年10月29日、キーエンスの取締役会は44歳の中野鉄也氏を社長に選び、就任を12月22日付とした。2004年入社の中野鉄也氏は制御システム事業部長を経て、2023年12月から取締役海外事業強化部長を務めていた。中田有氏は代表権のない取締役に退き、異動の理由は経営体制のさらなる強化とした。2025年6月の総会での賛成比率は、中野鉄也氏の93.02%に対し中田有氏は77.06%だった。交代時点の2025年3月期、海外売上高は6864億円で、国内の3728億円の1.8倍だった。海外比率6割超の会社と、株主の信任の立て直しを、海外事業の責任者に引き継がせた交代だった。

  • キーエンス「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2025年10月29日)
    • [259]2025年10月29日の取締役会で中野鉄也を代表取締役社長に選任、就任予定日2025年12月22日。中野鉄也は1981年4月10日生まれ(就任予定日時点で44歳)
    • [260]2004年4月入社、2020年3月制御システム事業部長、2023年6月取締役、2023年12月取締役海外事業強化部長
    • [261]中田有は代表取締役社長から取締役へ。異動の理由は経営体制のさらなる強化を目指すため
  • キーエンス 臨時報告書(2025年6月17日提出)
    • [262]2025年6月13日総会の取締役選任議案で中野鉄也93.02%、中田有77.06%
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【セグメント情報】
    • [263]2025年3月期の地域別売上高は国内372,753百万円、海外686,391百万円
参考文献[248]-[263]
  • キーエンス 有価証券報告書 第55期(2024年3月期)【セグメント情報】
    • [248]2024年3月期の地域別売上高は国内344,567百万円、海外622,720百万円。外部顧客への売上高967,288百万円(海外比率64.4%)
  • キーエンス Annual Report 2020(社長メッセージ)
    • [249]2020年3月期の海外売上高291,695百万円
  • キーエンス Annual Report 2024(社長メッセージ)
    • [250]2024年3月期の営業利益495,014百万円(前期498,914百万円はお知らせ2023年4月27日)
    • [251]国内では設備投資への慎重姿勢が続いた
    • [252]欧米の設備投資は堅調、採用と人材育成を中心に営業力を強化し海外売上高622,720百万円
  • キーエンス「CADENAS Technologies AGの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2025年5月20日)
    • [253]CADENAS Technologies AGの全株式取得に係る契約を締結し2025年5月20日付で取引完了、保有割合0%→100%。所在地はドイツ・アウクスブルク
    • [254]3D CADの分野で約1000万人のユーザーとパーツサプライヤを繋げるプラットフォーム事業を運営
    • [255]ソフトウェア関連の新商品拡販やインターネットビジネスなど新たな事業領域に挑戦し、その一環としてM&Aの検討を進めてきた
    • [256]CADENAS社の技術はFAの設計・シミュレーションのデジタル化に欠かせず、「デジタル」と「リアル」の両面から付加価値を創造するため
    • [258]本件の2026年3月期業績への影響は軽微と見込む
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)
    • [257]2025年3月期の連結売上高10591億円
  • キーエンス「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2025年10月29日)
    • [259]2025年10月29日の取締役会で中野鉄也を代表取締役社長に選任、就任予定日2025年12月22日。中野鉄也は1981年4月10日生まれ(就任予定日時点で44歳)
    • [260]2004年4月入社、2020年3月制御システム事業部長、2023年6月取締役、2023年12月取締役海外事業強化部長
    • [261]中田有は代表取締役社長から取締役へ。異動の理由は経営体制のさらなる強化を目指すため
  • キーエンス 臨時報告書(2025年6月17日提出)
    • [262]2025年6月13日総会の取締役選任議案で中野鉄也93.02%、中田有77.06%
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【セグメント情報】
    • [263]2025年3月期の地域別売上高は国内372,753百万円、海外686,391百万円

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出典・参考 55件
出典・参考
  • キーエンス 有価証券報告書 第34期(2006年3月期)【役員の状況】
  • キーエンス 有価証券報告書(2009年3月期)
  • キーエンス 有価証券報告書(2010年3月期)
  • キーエンス 有価証券報告書 第39期(2011年3月期)【役員の状況】
  • キーエンス 有価証券報告書(2011年3月期)
  • キーエンス 有価証券報告書 第41期(2012年6月期)【表紙】
  • キーエンス 有価証券報告書 第43期(2014年3月期)【セグメント情報】
  • キーエンス 有価証券報告書 第45期(2015年6月期)【役員の状況】
  • キーエンス 有価証券報告書 第49期(2018年3月期)【セグメント情報】
  • キーエンス 有価証券報告書 第51期(2020年3月期)
  • キーエンス 有価証券報告書 第52期(2021年3月期)
  • キーエンス 有価証券報告書 第54期(2023年3月期)【セグメント情報】
  • キーエンス 決算短信(2023年3月期)
  • キーエンス 有価証券報告書 第55期(2024年3月期)【セグメント情報】
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【沿革】
  • ジャストシステム 有価証券報告書 第44期(2025年3月期)【沿革】
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)
  • キーエンス 有価証券報告書 第56期(2025年3月期)【セグメント情報】
  • 会社年鑑 2002年版(キーエンス 連結業績の推移)
  • 自動化技術 9巻6号(1977年6月)広告
  • 証券アナリストジャーナル(1987年12月)
  • 証券アナリストジャーナル(1988年7月)
  • 日経ビジネス(1989年5月22日)
  • 証券 1990年2月号
  • 証券アナリストジャーナル(1990年2月)
  • 日経ビジネス(1991年6月24日)
  • 日経ビジネス(1995年1月16日)
  • 日経ビジネス(1995年1月16日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
  • 日経ビジネス(1997年3月3日)編集長インタビュー 滝崎武光氏
  • 日経ビジネス(1998年7月13日)
  • 日経ビジネス 2003年10月27日号
  • 日経産業新聞(1983年12月1日)
  • 日経産業新聞(1984年10月5日)
  • キーエンス Annual Report 2009(社長メッセージ)
  • キーエンス Annual Report 2010(社長メッセージ)
  • キーエンス Annual Report 2013(社長メッセージ)
  • キーエンス Annual Report 2015(社長メッセージ)
  • キーエンス「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2015年2月2日)
  • キーエンス「事業年度の変更及びそれに伴う定款の一部変更に関するお知らせ」(2015年5月7日)
  • キーエンス「事業年度の変更及びそれに伴う定款の一部変更に関するお知らせ」(2016年4月27日)
  • キーエンス「株式分割及び定款の一部変更並びに配当予想の修正に関するお知らせ」(2016年12月5日)
  • キーエンス「株式の売出しに関するお知らせ」(2016年12月5日)
  • キーエンス「平成29年3月期の連結業績と前期の連結業績との差異に関するお知らせ」(2017年4月27日)
  • キーエンス Annual Report 2018(社長メッセージ)
  • キーエンス「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2019年10月31日)
  • キーエンス「株式分割及び定款の一部変更並びに配当(実質増配)に関するお知らせ」(2019年10月31日)
  • キーエンス Annual Report 2020(社長メッセージ)
  • キーエンス コーポレート・ガバナンス報告書(2021年11月30日)
  • キーエンス「大阪府高槻市における土地取得に関するお知らせ」(2022年12月23日)
  • キーエンス「2023年3月期の連結業績と前期の連結業績との差異に関するお知らせ」(2023年4月27日)
  • キーエンス 臨時報告書(2024年6月18日提出)
  • キーエンス Annual Report 2024(社長メッセージ)
  • キーエンス「CADENAS Technologies AGの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2025年5月20日)
  • キーエンス「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2025年10月29日)
  • キーエンス 臨時報告書(2025年6月17日提出)

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